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単行本

アラレモナイイノリ

あられもない祈り

島本 理生

発行部数
8万部突破!

単行本 46 ● 180ページ
ISBN:978-4-309-01981-9 ● Cコード:0093
発売日:2010.05.14

定価1,430円(本体1,300円)

×品切・重版未定

  • 〈あなた〉と〈私〉……名前すら必要としない2人の、密室のような恋――山本文緒・行定勲・西加奈子・青山七恵さん絶賛の至上の恋愛小説。マスコミでも話題になった島本理生の新境地!

    凄まじい緊迫感と密度に圧倒され息をのんだ。
    島本さんの地平はどこまで広がるのだろう。――山本文緒

    火照った躰の内側から滲み出す愛の不毛と孤独は、私を虜にした。――行定勲(映画監督)

    この小説を読むこと自体、胸をえぐられる恋愛をするのと同等だ。――西加奈子

    早く読んでほしい。でないと、この物語はそれ自体が持つ熱に溶けてしまいそうだから。――青山七恵

    著者コメント

    『あられもない祈り』に寄せて

    『あられもない祈り』は、「私」と「あなた」の物語です。
    名前すら必要としない二人の、密室のような恋愛を通して、幼い頃からずっと自分を大事にできなかった主人公が、生きるための欲望を得るまでを書きたいと思いました。
    今回、初めて結婚している男性との恋愛を真っすぐに書きました。
    社会的に肯定されないことを書くのは、やはり難しかったです。
    それでも恋してしまう気持ちや、時として、ずるさと切実な愛情が同居してしまうのも人間だということを、擁護するのではなく、できるだけ赤裸々に、書くことができたらと思いました。
    書いている最中、体の内側から言葉が引きずりだされるような、どろっとした熱い感覚がまとわりついていました。
    読んで下さった方に、その熱が伝われば幸いです。

                              島本 理生

著者

島本 理生 (シマモト リオ)

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で群像新人文学賞優秀作、03年「リトル・バイ・リトル」で野間文芸新人賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で直木賞を受賞。近著に『2020年の恋人たち』など。

読者の声

この本に寄せられた読者の声一覧

出版された当初に購入し,読了しましたが,最近読み返しました。
書店で書き出しの数行を読み,ため息がこぼれました。心をもっていかれるような文章。静かな,でも確かな熱のある言葉。
これは読まなければならないという気持ちに駆られて購入したことを覚えています。
世に認められない恋の結果として,穏やかで幸福な読後ではないけれど,だからこそ,この作品のある種の気高さ,孤高さがあると思います。
自身が結婚し家庭をもつ立場なら,また違った感想を抱いたかもしれませんが,今の私は,主人公の気持ちにどことなく共感をおぼえてしまいました。 (りりぃ さん/32歳 女性)

人を好きになることが自らの救済に繋がる。そんな危うい恋愛を本書は非常に繊細にかつ率直に描かれています。
本書の愛の形には賛否はあるでしょうが、島本さんの登場人物へのまなざしは暖かい。私はそこに島本さんの愛に没入してしまう人間の弱さへの肯定を感じます。 (Mhirasawa さん/27歳 男性)

自分を傷つけることでしか生きている実感を得られない悲しさと切なさが冷たい刃となって読む者の心に突き刺さる。
いつの日か、彼女の心と身体の傷が「単純な愛」というものによってふさがれることを祈らずにはいられません。
彼女と同じように傷つきながらも愛を求めずにはいられない、世界中の悲しい人にそっと読んで欲しいと思いました。
(精文館書店 中島新町店 久田かおり さん/ 女性)

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