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単行本

ジッケンシツカラノナガメ

実験室からの眺め

森山 大道

単行本 B5変形 ● 84ページ
ISBN:978-4-309-27402-7 ● Cコード:0072
発売日:2013.04.24

定価4,180円(本体3,800円)

○在庫あり

  • 186年前、一人の発明家によって世界初の写真が撮影された。その実験室が今も建つ聖地サン・ルゥを訪れ、写真の歴史が刻まれた光と影を再び写し撮る……森山大道、〈写真の始原〉への旅。

    ぼくは、長年の宿題、窓辺から望む中庭の景色を、実にさりげなく写し了えた。
    計り知れない感動とともに——。


    「人間の視線のありのままを、目と心の記憶にとどめるだけではなく、
    他の方法によってとどめ置くことはできないだろうか?」
    というニエプスの問いかけから、現在ある写真は始まっている。
    愛する家族を、恋する人を、親しい友人たちを。
    そしてこの現し世のあれこれと、いま目に映る風景を。
    それらへのもだしがたい想いから、写真への道が拓かれてきたのである。
    ぼくの一等シンプルな写真論は、「写真とは想い出である」のひと言である。

    ぼくは今、あのサン・ルゥの館で、ニエプスと同じ窓辺に同伴したことで、
    カメラマンとしての自らの在りようの片隅に、それとなく、ひとつの証をもてたような気がしている。
    それはやはり、聖地サン・ルゥ・ド・ヴァレンヌの、降りそそぐ初夏の只中に、
    カメラと共に身を置いてきたからにほかならない。【本文より】

著者

森山 大道 (モリヤマ ダイドウ)

1938年大阪府生れ。68年、ブレ・ボケ・アレを特徴とする『にっぽん劇場写真帖』を発表。以後、写真の概念を解体・拡張し世界的評価を得ている。2019年、写真界のノーベル賞・ハッセルブラッド賞受賞。

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