読者の声

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とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢

単行本

トウモロコシノオトメアルイハナナツノアクム

とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢

ジョイス・キャロル・オーツ 著 栩木 玲子

定価2,808円(本体2,600円)

この本に寄せられた“ 読者の声 ”です。

★2013.04.07    なんといっても圧巻はやはり表題作だ。これは以前に創元推理文庫の「十の罪業 Black」に収録されているのを読んだことがあったのだが、誘拐という犯罪を軸に、その当事者の心理と行動を心が痛くなるほど切実に描いていて秀逸。いったいこの話はどこに行きつくのかという興味とそれを上回る息詰まるような描写にいやが上にも緊張感が高まってゆく。これは傑作だ。
 その他では印象深いのはまだ若くして未亡人になってしまった女性が退役傷病軍人によって運営されているリサイクル・ショップで出会った青年に過剰な拠り所を求めて手痛いしっぺ返しを食う「ヘルピング・ハンズ」と悪魔のような兄と障害をもつひ弱な弟という対照的な双子の生涯を描く「化石の兄弟」の二編。
 オーツはもっともっと精力的に紹介されるべき作家だ。本書を契機にこれからもどんどん翻訳していって欲しいものである。

京都府 beck さん 44歳 男性