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最新刊

オオオカショウヘイ  大岡昇平

  • 大岡 昇平 著
  • ISBN:978-4-309-72888-9
  • 発売日:2016.07.12
  • 予価2,808円(本体2,600円)
戦争体験とスタンダールがこの作家を生んだ。昭和という時代の雰囲気と人間の本性を正確に伝える知性の文学。(池澤夏樹)

対照的な二組の夫婦と復員兵の愛をめぐる心理小説の傑作『武蔵野夫人』とその創作過程に関する「『武蔵野夫人』ノート」、南方での戦争体験を元にした思索的小説『俘虜記』から「捉まるまで」等三篇、ユーモア溢れるおとぎ話の続編「一寸法師後日譚」、花柳小説の佳品「黒髪」、神話と文学の起源をさぐる評論「母と妹と犯し」、昭和天皇重篤に際して心情を綴った「二極対立の時代を生き続けたいたわしさ」など、戦争と人間の真実を、理性と知性に基づいて希求した戦後文学最高峰の多面的な魅力を示す。

解説=池澤夏樹
月報=青山七恵・大林宣彦
帯装画=今日マチ子

ぼくがこれを選んだ理由 池澤夏樹

この人こそ文学の巨人である。
スタンダールに近代ヨーロッパ文学の骨法を学び、従軍と捕虜という体験で実人生の体験の富を得て、それを思うままに作品に生かした。
論理をまっすぐ通した端正な文体は日本語の散文の範として熟読されるべきだ。

刊行スケジュール

【第Ⅰ期】※( )内は巻数

2014年
11月(1)古事記
2015年
1月(23)中上健次
2月(13)夏目漱石 森鷗外 樋口一葉
3月(17)堀辰雄 福永武彦 中村真一郎
4月(14)南方熊楠 柳田國男 折口信夫 宮本常一 
5月(20)吉田健一 
6月(22)大江健三郎
7月(2)口訳万葉集 百人一首 新々百人一首
8月(21)日野啓三 開高健
9月(8)今昔物語 宇治拾遺物語 発心集 日本霊異記
10月(24)石牟礼道子
11月(11)好色一代男 雨月物語 通言総籬 春色梅児誉美

【第Ⅱ期】

2016年
1月(3)竹取物語 伊勢物語 堤中納言物語 土佐日記 更級日記
2月(15)谷崎潤一郎
3月(19)石川淳 辻邦生 丸谷才一
4月(16)宮沢賢治 中島敦
5月(25)須賀敦子
6月(12)松尾芭蕉 与謝蕪村 小林一茶 とくとく歌仙
7月(18)大岡昇平
8月(30)日本語のために
9月(29)近現代詩歌
10月(10)能 狂言 説経節 曾根崎心中 女殺油地獄 仮名手本忠臣蔵 菅原伝授手習鑑 義経千本桜
11月(7)枕草子 方丈記 徒然草
12月(9)平家物語

【第Ⅲ期】

2017年
2月(26)近現代作家集 Ⅰ
3月(27)近現代作家集 Ⅱ
4月(28)近現代作家集 Ⅲ
5月(4)源氏物語 上
10月(5)源氏物語 中
2018年
3月(6)源氏物語 下

各巻=本体2,000〜3,500円(税別) ※価格は変更になる場合があります。

●体裁=四六寸伸判/上製カバー装/各巻平均500頁/挟み込み月報付 ●装幀=佐々木暁

特色

古典から現代まで網羅する新しい日本文学全集、誕生!

●池澤夏樹による個人編集

世界文学全集に引き続き、作家・詩人の池澤夏樹が“世界文学の中の日本文学”と位置付け、時代の変革期である今こそ読みたい作品を独自の視点で、古典から現代まで全30巻にわたって厳選しました。

●古典名作を第一線の作家による新訳で

『古事記』(池澤夏樹訳)、『源氏物語』(角田光代訳)から『たけくらべ』(川上未映子訳)まで、不朽の古典作品を第一線の現代作家による新訳で甦らせます。古典新訳を収録する約50年ぶりの日本文学全集となります。

●斬新な巻立てと魅力ある作品構成の近現代

「『日本人とは何か?』『私は誰か?』を問う素材としての文学」という視点から作品を選び抜き、各作家の巻に加えて、民俗学と文学をテーマにした「南方熊楠・柳田國男・折口信夫・宮本常一」、日本語の多様性を提示する「日本語のために」など斬新な巻立てが特徴です。また作家の巻は、小説だけでなく、エッセイ、評論も収録した魅力的な作品構成です。

●全作品解説を池澤夏樹が執筆

各巻、全作品の解説を池澤夏樹が執筆します。古典には専門家による作品解題、近現代には年譜を付け、各巻月報には作家、評論家などの書き下ろしエッセイを掲載します。

●読みやすさを追求

1段組みを基本とし、文字の大きさや書体に工夫をこらしました。また、従来の日本文学全集より多くふり仮名を入れ、読みやすさを追求しました。

●美しい日本の伝統色の装幀

カバーは6色の色展開で、帯は各巻にふさわしいイラストや写真で装いました。

日本文学全集宣言 池澤夏樹

はるかな昔、大陸の東・大洋の西に連なる島々に周囲各地から人が渡ってきた。彼らは混じり合い、やがて日本語という一つの言葉を用いて生活を営むようになった。
この言葉で神々に祈り、互いに考えを述べ、思いを語り、感情を伝えた。詩が生まれ、物語が紡がれ、文字を得て紙に書かれて残るようになった。
その堆積が日本文学である。

特徴の第一はまず歴史が長いこと。千三百年に亘って一つの言語によって途切れることなく書き継がれた文学は他に少ない。
第二は恋を主題とするものが多いこと。われわれは文章によって人間いかに生くべきかを説く一方で、何よりもまず恋を語ろうとした。
第三は異文化を受け入れて我がものとしてきたこと。ある時期までは中国文明の、ある時期から後は西欧の文明によって文学を更新した。

今の日本はまちがいなく変革期である。島国であることは国民国家形成に有利に働いたが、世界ぜんたいで国民国家というシステムは衰退している。その時期に日本人とは何者であるかを問うのは意義のあることだろう。
その手がかりが文学。なぜならばわれわれは哲学よりも科学よりも神学よりも、文学に長けた民であったから。

しかしこれはお勉強ではない。
権威ある文学の殿堂に参拝するのではなく、友人として恋人として隣人としての過去の人たちに会いに行く。
書かれた時の同時代の読者と同じ位置で読むために古典は現代の文章に訳す。当代の詩人・作家の手によってわれわれの普段の言葉づかいに移したものを用意する。
その一方で明治以降の文学の激浪に身を投じる。厳選した作品に共感し、反発し、興奮する。

私は誰か? 日本文学はそれを知る素材である。

推薦の言葉

面白く、自然に 大江健三郎

この全集は半分近く、近代(漱石に始まる)より前の日本文学を、翻訳でおさめている。最初の翻訳者は『古事記』の面白さを生かす最良の人、池澤夏樹さんで、『源氏物語』はじめ、実力派の小説家たちが力をそそいでいる。近代以降の文学も、多様に選ばれていて、その後を、先の翻訳者たちが継いでゆくこともはっきりわかる。
読者は、翻訳の面白さを楽しみ、自然に日本語の文学の全体と向かいあう。

感動をどれほど味わわせてくれるだろう 阿川佐和子

あるとき私は知った。百人一首にある「あひみての のちの心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり」の意味はつまり、「一度セックスしちゃったら、それ以前の恋する思いなんて、なんにも考えていなかったのと同じだわ」ということだと。なんだ、今の時代の恋心とちっとも変わらないんだ。そのことに気づいた瞬間、千年を隔てた平安時代がたちまち身近になり、頭の中で十二単を着ているお姫様がいきいきと動き出した。
このたび刊行される日本文学全集は、そういう感動をどれほど味わわせてくれるだろう。楽しみである。

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