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第6回配本『吉田健一』発売になりました

2015.05.14

「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」の第6回配本『吉田健一』発売になりました。

本を読む喜びを様々な視点から綴った「文学の楽しみ」、ヨーロッパは18世紀に完成し、19世紀に再生したとする「ヨオロッパの世紀末」の他、「酒宴」「母について」など19篇を収録。

解説=池澤夏樹
解題=島内裕子
月報=松浦寿輝・柴崎友香

帯装画=林哲夫

【ぼくがこれを選んだ理由】
 評論は既成の作品の評価に終わるものではなく、一つの時代の文学を読み通すことによって次の時代の文学を用意する営為である。吉田健一は十八世紀までのヨーロッパ文学に戻ることで二十一世紀への日本文学の道を開いた。彼のおかげでぼくたちは小林秀雄から逃れることができた。(池澤夏樹)

「ある本が読めるか、読めないかを決めるのに一番確かな方法は、その本が繰り返して読めるかどうか験(ため)して見ることである」──本を読み、文学に親しむ喜びを様々な視点から語りつくす長篇評論「文学の楽しみ」、ヨーロッパという文明が十八世紀に完成し、人間の自由を重んじるその精神が再生したのが十九世紀末だとする記念碑的著作「ヨオロッパの世紀末」の他、酒を愛する男が灘の技師と出会って体験する不思議な一夜を描く小説「酒宴」、若くして別れた母への思いを綴った「母について」、市井の旨(ルビ:うま)い店と料理をめぐるエッセー「食い倒れの都、大阪」など傑作19篇を厳選。

【収録作品】
文学の楽しみ
ヨオロッパの世紀末
「ファニー・ヒル」訳者あとがき
ブライズヘッド再訪
ディラン・トオマス詩集
石川淳
母について
銀座界隈
田舎もの
汎水論
水の音
宴会
食い倒れの都、大阪
酒談義
ロンドン訪問記
酒宴
辰三の場合
お化け
シェイクスピア詩集 十四行詩抄

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