今日はクリスマスイブの夜です。会社の会議室に集っている場合ではないような気もしますが、営業部若手社員の皆さんに今年刊行された自社本のベスト10を決めてもらおうじゃないかとお集まり頂きました。白水社さんの企画を堂々とパクらせて頂きました(笑)。今年の刊行点数はなんと562点。さすがに社員でも全て読んだ人はいないでしょうが、まずはその中から大きなトピックとなるような出来事を振り返っていきましょう。
J:
まずはなんと言っても「河出ブックス」創刊!
これは10月創刊でした。事前に営業活動をされたと思うのですが、書店さんの反応はどうでしたか?
T:
皆さん好意的でした。新書ブームも落ち着いて、書店さんとしてももう少し読み応えのあるものを盛り上げる必要があると感じていたようです。そこで今回の選書創刊がハマった。
N:
あと、意外な売れ方をしましたよね。
どういう売れ方でしょう?
N:
発売から一週間で完売店が続出して。カタめのイメージがある人文系の本であんなに派手に売れたのが良い意味でびっくりしたんです。
J:
またシリーズ創刊ということで言えば、「NOVA」がありました。大森望さん責任編集の書き下ろしSFの文庫シリーズで、半年に1回のペースで出していく予定です。今後の執筆予定としては、恩田陸さん、伊坂幸太郎さんなどの名前も。
N:
シリーズで続けると、累計300万部(※2010年1月現在)を突破した「大人の塗り絵」シリーズから「やさしい大人の塗り絵」という新シリーズが8月に出て、現在2刷です! 通常のものより初心者の方向けに作られています。
J:
「大人の趣味講座」もありました! 『そのまま折り紙』と『そのまま切り紙』。これはハマりました!
営業部の男子が仕事中ずっとやっていたらしいですね。
N:
……お願いですから働いてください。
ほんとに(笑)。これは「そのまま」っていうのが粋なんですよね。
I:
そう。「そのまま」。本自体が台紙になっていて、「切り紙」だったらページを切りとって折って重ねて切るだけ。カッターさえあれば良い。「折り紙」もミシン目を切りとればもうそのまま折り紙。特に僕は「切り紙」の方が面白かった。意外と簡単にできて、出来上がりがすごく派手。これはハマる。
なるほど。そして大型本もいろいろ出た一年でしたね。
N:
レイ・ハリーハウゼン大全』『世界の歴史 大図鑑』『アポロ13号』『宇宙』『art 世界の美術』『なんでも!いっぱい!こども大図鑑』ですね。どれも作りが豪華なんですが版型が大きく重いのでここには持ってこなかった。
大型本をこんな風に集中的に出すっていうのは今までになかった傾向でした。
I:
高額本でいうと、『レンブラントの目』、『堀口大學』も。高額とはいえ、この内容でこの値段は安い。
あと「35ブックス」がありましたね。これはプロジェクト名ですか?
N:
はい。出版社8社が集まり、出版業界内での新たな取引制度にトライしました。河出は南方熊楠の文庫を限定1500セットで復刊して今現在、残りが50セットを切っています!