単行本 絶滅しそうな世界の文字
- 単行本 B5変形 / 256ページ
- ISBN:978-4-309-22975-1 / Cコード:0022
- 発売日:2025.10.28(予定)
- 予価:5,390円(本体4,900円)
- ※未刊
関連情報
内容紹介
文字にこれほどのドラマがあったとは! 消滅の危機に瀕する世界の文字体系83種類の、物語、歴史、現況を探求。文字をつくった人々と、その継承者たちの情熱に圧倒される感動の一冊。
文字は単なる情報伝達手段ではなく、生きる証。
文字がひとつなくなれば、
何百年も書き継がれてきた、
聖典、文学、手紙、法律文書、知恵、アイデンティティー、
そして、共に生きた記憶――そのすべてが失われる。
[本書の特長]
1 世界中の消滅危機にある83の文字の歴史と現況を、現地調査に基づきリアリティをもって描き出す。
2 文字の背景を知ることで、古代から現代にわたる戦争や民族弾圧の歴史がわかる。
3 文字の成立にまつわる宗教や神話の情報も多数。
4 眺めるだけでも文字のデザインを楽しめる美しいビジュアル。
[本書に登場する文字]
夢で啓示を受けた文字
奴隷貿易の暗号だった文字
民族の独立の象徴としてつくられた文字
幼い兄弟が考案した文字
駱駝に押される焼き印を元にした文字
大国の抑圧で消滅危機にある文字
女性同士の秘密の会話に使われた文字
わずか4家族で継承し続けた文字
宗教儀式のときだけに使用される文字
一度は弾圧によって消滅しながら子孫たちが復活させた文字
「読まれない」ためにつくられた文字
国宝に指定された文字
シャーマンのための文字……
[本文より]
現在、世界の表記体系の85〜90%は、使われなくなる可能性が高いと考えられている。とりわけ深刻なのは先住民やマイノリティーの文字だ。文字の使用者がいなくなれば、その文化の文字はラテン文字やアラビア文字、キリル文字、あるいはデーヴァナーガリー文字によって取って代わられる。2世代後には、自分たちの固有の文字で1000年にもわたって書かれてきたことがすべて、シュロの葉に記された聖なる文書も、一族のレシピも、手紙も、家や土地の所有権を示す証書も、読めなくなってしまう。(中略)
確かに、自分たちの言語と文字が勝ち残ったわたしたちにとっては、そのほう が便利なのかもしれない。しかしここで声を大にして言っておきたいことがある。それは言語や文字は自然に消滅するわけではないということだ。本書でこれ から見ていくように、なんの理由もなく文字が失われることはない。絶滅の危機 に瀕する文字はすべて、滅んだ王国の名残、苦難に見舞われている文化のあえぎ だ。退けられた文字はすべて、過去や現在の社会的な不公正の証拠だ。
目次・収録作品
・アジア
・ヨーロッパと中東
・南アジア
・東南アジア
・インドネシアとオセアニア
・南北アメリカ
・アルファベットではない文字
著者紹介
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