文藝

創刊1933年、文学の「いま」を伝える季刊文芸誌

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文藝 2025年春季号

文藝 2025年春季号

最新刊の内容

◎創作
向坂くじら「踊れ、愛より痛いほうへ」
幼い頃から納得できないことがあると「割れる」アンノは、母のおなかにいたはずの「妹」が自分のせいでいなくなったことを知り、衝撃を受ける。愛とは、愛するもの以外を燃やすこと――?

山崎ナオコーラ「すべてが友情」(前篇)
友だちがいない小学五年生のアマネは、ある日、人気者の陽ちゃんから声をかけられる。「『女
子みんな』で遊ぼう」。社会が生み出す「線引き」を遥かな視点で解きほぐす、爽快長篇。

水沢なお「こんこん」
テーマパークの“雪のようで、湧き水のようなきつね”のきぐるみ・こんこんを愛するまど。そ
の愛は次第に「中の人」への執着へと変わってゆき……。気鋭詩人の言葉きらめく渾身作。



【特集1 日記 記憶と記録】
◎論考
滝口悠生「日付を書けばいい」

◎漫画
小指「日記と私」

◎創作
いしいしんじ「音のかけら」
シルヴィア・プラス 小澤身和子訳「日記 一九五〇年~一九六二年」
リディア・デイヴィス 岸本佐知子訳「カフカ、料理する」
李龍徳「私の叔父の航海日誌」

◎特別企画
石岡丈昇・蟹の親子・五所純子・中村佑子「記録するという抵抗  日々を書き留める12冊」

◎日記
岸本佐知子「尻 on fire 日記」
柚木麻子「どんな場所にも小説とカラオケはある イギリス滞在記2024年10月4~12日」

◎エッセイ
くどうれいん「松ぼっくりの波紋」
梶谷いこ「積み石を崩す」

◎論考
山本浩貴(いぬのせなか座)「フィクションと日記帳 日記(本)から往復書簡、書く宛先をつくること」



【特集2 犬を書く、犬と生きる】
◎対談
小川洋子×千早茜「まぼろしの犬、言葉なき存在を描く」

◎エッセイ
松浦理英子「いつも心に犬を」
岸政彦「犬は自転車」
河﨑秋子「犬の名は」



【ノーベル賞受賞記念特別企画 ハン・ガン・日本・中上健次】
◎鼎談
ハン・ガン×中上紀×中沢けい(通訳 きむふな)「人間の生きる痛みを描く 二〇一三年、日韓文学のこれまでとこれから」

斎藤真理子「尹興吉と中上健次」



◎座談会
町屋良平×滝口悠生×倉本さおり 司会 水上文「文芸批評は断絶したか 小説の死後の未来」



◎鼎談
李琴峰×山内マリコ×柚木麻子「文学のポジティブな役割とは 『LGBTQ+差別に反対する小説家の声明』発表に際して」



【中原昌也 is Back!】
◎エッセイ
中原昌也「糖尿ワッショイ」

◎インタビュー
「偉大な作家生活には雑談が必要だ」



【連載】
皆川博子「ジンタルス RED AMBER 風配図Ⅱ」【第6回】
柳美里「JR常磐線夜ノ森駅」【第6回】
絲山秋子「細長い場所」【第8回】わたし
町田康「ギケイキ」【第47回】

山本貴光「文芸的事象クロニクル」2024年9月~11月



【季評】
水上文「たったひとり、私だけの部屋で 隔たりと文学」2024年10~11月



【書評】
小山田浩子『最近』【評】金子薫
木村紅美『熊はどこにいるの』【評】はらだ有彩
安堂ホセ『DTOPIA』【評】榎本空
リフアト・アルアライール編 藤井光訳『物語ることの反撃 パレスチナ・ガザ作品集』【評】千種創一
本谷有希子『セルフィの死』【評】市街地ギャオ
飛浩隆『鹽津城』【評】荻堂顕
パク・ソルメ 斎藤真理子訳『影犬は時間の約束を破らない』【評】木村紅美



第62回文藝賞応募規定
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応募要項

河出書房新社が主催する「文藝賞」は、1962年の創設以来、新人の登竜門として、たえず文学シーンに新しい才能を送り出して参りました。応募規定をご覧のうえ、積極的にご投稿ください。既成の枠にとらわれない、衝撃的な作品を お待ちしております。

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文藝のあゆみ

「文藝」は昭和8年に改造社で創刊された雑誌(初代編集長は上林暁氏)ですが、昭和19年に軍部の圧力その他によって解散することになったために、以後現在まで河出書房から刊行されている文芸雑誌です。

河出書房での初代編集長は野田宇太郎氏(現詩人・文芸評論家)で、三島由紀夫氏が事実上、文壇にデビューした「エスガイの狩」が掲載されたのは昭和20年5・6月合併号でした。

その後、昭和22年、杉森久英氏(現作家)が編集長を引きつぎ、当時、有力な新人作家として台頭してきた、“第一次戦後派”といわれる作家たち、野間宏、椎名麟三、梅崎春生、埴谷雄高、中村眞一郎氏らの活躍の舞台となり、のちにロータス賞・谷崎潤一郎賞を受賞した野間氏の大作「青年の環」、中村氏の五部作の一つである「愛神と死神と」という両氏の代表作となった長編小説の連載が開始されたのもこの頃です。また同じく中村光夫氏の代表作となった「風俗小説論」「谷崎潤一郎論」がこの時期に掲載されたことも忘れられないことです。

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