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創刊1933年、文学の「いま」を伝える季刊文芸誌

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文藝 2024年秋季号

文藝 2024年秋季号

最新刊の内容

創作:安堂ホセ、木村紅美、滝口悠生、今村夏子/特集1 世界文学は忘却に抵抗する:斎藤真理子×奈倉有里さん×藤井光選「現在を映す10冊」/特集2「怖怖怖怖怖」春日武彦×梨

◎創作
安堂ホセ「DTOPIA」
配信リアリティショー『DTOPIA(デートピア)』新シリーズの舞台はボラ・ボラ島。白人女性のミスユニバースを巡って、Mr.LA、Mr.ロンドン等世界各国からの十人の男たちが争う。そこにいたのがおまえ──井矢汽水(いやきすい)だった。

木村紅美「熊はどこにいるの」
あの、赤ちゃん、拾ってしまって。どうしましょう──。社会から隔絶された山奥の家に暮らすリツとアイ。五年前に太平洋沿岸の町で出会い秘密を共有したヒロとサキ。人生の淵に立つ四人の女たちの群像劇。

滝口悠生「連絡」
三歳になったももちゃんとお父さんは日々、川べりや公園を歩く。過ぎていく時間と折々の記憶が連なっていく。お父さんは、それを未来から見つめている誰かの視線を感じている──。保育園をめぐる連作シリーズの集大成となる、祈りに満ちた傑作中篇。



【特集1 世界文学は忘却に抵抗する】
◎鼎談
斎藤真理子×奈倉有里×藤井光
「見えない大きな暴力を書きとめる─「現代を映す10冊」をもとに」

◎特別企画
松田青子+インタン・パラマディタ 太田りべか訳
「往復書簡 越境して結束をする私たちの方法」

粟飯原文子、青木耕平、阿部大樹、榎本空、木内尭、木下眞穂、金志成、工藤順、須藤輝彦、すんみ、五月女颯、寺尾隆吉、中村隆之、丹羽京子、野平宗弘、橋本輝幸、濱田麻矢、三浦祐子、柳谷あゆみ、吉田恭子、吉田栄人「注目の作家3名& 日本語に翻訳されてほしい作品 海外文学翻訳者・研究者21人アンケート」

◎韓国・日本・チベット・タイ〝戦争〟テーマの書き下ろし短篇
パク・ソルメ 斎藤真理子訳「スカンジナビア・クラブにて」
柴崎友香「現在の地点から」
ラシャムジャ 星泉訳「傷痕」
チダーナン・ルアンピアンサムット 福冨渉訳「群猿の高慢」

◎論考
古川日出男「文学の時差」

◎作家を創った世界の小説3冊
金子玲介「語りに魅せられて」
小池水音「世界と片手をつなぐこと」
日比野コレコ「アデノウイルスで死にかけのワニ」



【特集2 怖怖怖怖怖】
◎対談
春日武彦×梨「本当に怖いフィクションとは何か?」

◎特別企画
綿矢りさ「夜の日課は哲学ニュース」
「綿矢りさから「哲学ニュース」運営者へのQ&A ネット界隈の怪談クロニクル」

◎特別企画
朝宮運河・大岩雄典・廣田龍平・藤原萌
「特別企画 異界への扉をひらく〈怖怖怖怖怖〉作品ガイド」
編集協力= 山本浩貴(いぬのせなか座)

◎創作
八木詠美 「プリーズ・フォロー・ミー」
澤村伊智「さぶら池」
小田雅久仁「囁きかわす者たちからの手紙」
三木三奈「土屋萌」
木原音瀬「リンク」

◎怪談短歌
我妻俊樹「雲から覗く顔」

◎エッセイ
大森時生「衝動的煩悩」
升味加耀 「健やかに生き延びるための呪いについて」

◎論考
木澤佐登志「この世界という怪異 実話怪談と思弁的怪異」

◎文藝チャレンジ
#不気味な書き出し文藝 受賞作発表 ゲスト選者 大森時生



◎短編
今村夏子「トラの顔」



◎川端康成文学賞受賞記念インタビュー
「町屋良平が語る「私」と物語をめぐる新しい私小説」聞き手・構成 水上文



【連載】
皆川博子「ジンタルス RED AMBER 風配図Ⅱ」【第4回】
朝吹真理子「ゆめ」【第6回】
絲山秋子「細長い場所」【第6回】閉ざされたキャンプ
町田康「ギケイキ」【第45回】
この装幀がすごい!【第14回】ゲスト 純靄禾(文藝天国)/川名潤・佐藤亜沙美
山本貴光「文芸的事象クロニクル」2024年3月~5月

【季評】
水上文 「たったひとり、私だけの部屋で 鳥の声を聴くために 2024年3月~2024年6月」



【書評】
吉本ばなな『下町サイキック』【評】古賀及子
山内マリコ『マリリン・トールド・ミー』【評】伊藤春奈(花束書房)
古川日出男『京都という劇場で、パンデミックというオペラを観る』【評】河﨑秋子
長井短『ほどける骨折り球子』【評】児玉雨子
クラリッセ・リスペクトル 福嶋伸洋・武田千香編訳『ソフィアの災難』【評】島本理生
福尾匠『非美学』【評】小倉拓也



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文藝のあゆみ

「文藝」は昭和8年に改造社で創刊された雑誌(初代編集長は上林暁氏)ですが、昭和19年に軍部の圧力その他によって解散することになったために、以後現在まで河出書房から刊行されている文芸雑誌です。

河出書房での初代編集長は野田宇太郎氏(現詩人・文芸評論家)で、三島由紀夫氏が事実上、文壇にデビューした「エスガイの狩」が掲載されたのは昭和20年5・6月合併号でした。

その後、昭和22年、杉森久英氏(現作家)が編集長を引きつぎ、当時、有力な新人作家として台頭してきた、“第一次戦後派”といわれる作家たち、野間宏、椎名麟三、梅崎春生、埴谷雄高、中村眞一郎氏らの活躍の舞台となり、のちにロータス賞・谷崎潤一郎賞を受賞した野間氏の大作「青年の環」、中村氏の五部作の一つである「愛神と死神と」という両氏の代表作となった長編小説の連載が開始されたのもこの頃です。また同じく中村光夫氏の代表作となった「風俗小説論」「谷崎潤一郎論」がこの時期に掲載されたことも忘れられないことです。

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