文藝
創刊1933年、文学の「いま」を伝える季刊文芸誌

最新刊の内容
創作:古谷田奈月「うた子と獅子男」(350枚)/特集1「働く×ためらう」対談:鈴木涼美×勅使川原真衣/特集2「生誕100周年記念 ドゥルーズ、終わりなき生成変化対談」対談:千葉雅也×福尾匠
【創作】
古谷田奈月「うた子と獅子男」
追い追われる獣たちの魂の咆哮。350枚一挙掲載!
顔を上げ、遠くを見て、逃げろうた子――。安居酒屋〈宵吉〉で働く獅子男は、繁華
街で高校生のうた子を拾った。バイト先を紹介し護身術を教え込むが、彼女はむしろ
暴力に爛々と目を輝かせる。「うた子がいいって言ってんならよくない?」。周囲に擬
態し、与えられた身体で世界をサバイバルする者たちの、夢なき人生の逃走。生と暴
力の火花が飛び散る注目作!
【新連載】
円城塔「ホモ・ネクロ」【第1回】モナリザの夏
岸本佐知子 尻 on fire 日記【第1回】
【創作】
桜庭一樹「アンチの恋」×斜線堂有紀「私は呪い、君は愛。」
山崎ナオコーラ「すべてが友情(後篇)」
文藝賞新選考委員発表・第63回文藝賞応募規定
【特集1 働く×ためらう】
◎対談
鈴木涼美×勅使川原真衣「能力主義から降りる 傷つきを語る、もうひとりのわたし」
◎創作
長井短「すべてくれてやるから」
ある本屋で「ご主人」に買われていった「俺」。だが多忙なご主人はなかなか俺を読んでくれない。部屋中に積まれた本たちと共にご主人に振り向いてもらおうと頑張る俺だが、過労のご主人はどんどん様子がおかしくなっていき――。
石田夏穂「ボットちゃん」
李龍徳「どうか大いなる哀れみを我らに」
大崎清夏「忘れもの」
竹中優子「骨折」
◎エッセイ
ゆっきゅん「あたしのまま働くんだ!」
草野なつか「反母性信仰考」
◎特別企画
麻布競馬場+鈴木祐「文学好きに薦めるビジネス書×ビジネス書好きに薦める文学12冊」
【特集2 ドゥルーズ生誕100周年 終わりなき生成変化】
◎対談
千葉雅也×福尾匠「芸術以後、哲学以後 101年目の横断」
◎エッセイ
佐藤究「風、息吹、地獄、窓」
町屋良平「意思批判としての小説 ドゥルーズ+ ガタリ、カフカ、青木淳悟」
荘子it「アンチ・オイディプスの音楽」
◎論考
髙山花子「誰かの夢の書き起こし」
【特別企画 東京の午後を散歩する】
柴崎友香「歩くと思い出す」
パク・ソルメ 斎藤真理子 訳 「野菜の買い物」
【連載】
絲山秋子「細長い場所」【最終回】過去はただの夢
皆川博子「ジンタルス RED AMBER 風配図Ⅱ」【第7回】
朝吹真理子「ゆめ」【第8回】
山本貴光「文芸的事象クロニクル」2024年12月〜2025年2月
この装幀がすごい!【第15回】ゲスト 津野青嵐/川名潤・佐藤亜沙美
【季評】
水上文「たったひとり、私だけの部屋で 危機と文学」2024年12月~2025年2月
【書評】
村田沙耶香『世界99』【評】高山羽根子
柴崎友香『遠くまで歩く』【評】小田原のどか
金原ひとみ『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』【評】瀬戸夏子
山下澄人『わたしハ強ク・歌ウ』【評】小森はるか
羽田圭介『バックミラー』【評】燃え殻
朝比奈秋『受け手のいない祈り』【評】上田岳弘
滝口悠生『たのしい保育園』【評】東直子
金子薫『愛の獣は光の海で溺れ死ぬ』【評】小川公代
大前粟生『物語じゃないただの傷』【評】星野概念
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河出書房新社が主催する「文藝賞」は、1962年の創設以来、新人の登竜門として、たえず文学シーンに新しい才能を送り出して参りました。応募規定をご覧のうえ、積極的にご投稿ください。既成の枠にとらわれない、衝撃的な作品を お待ちしております。
バックナンバー
文藝のあゆみ
「文藝」は昭和8年に改造社で創刊された雑誌(初代編集長は上林暁氏)ですが、昭和19年に軍部の圧力その他によって解散することになったために、以後現在まで河出書房から刊行されている文芸雑誌です。
河出書房での初代編集長は野田宇太郎氏(現詩人・文芸評論家)で、三島由紀夫氏が事実上、文壇にデビューした「エスガイの狩」が掲載されたのは昭和20年5・6月合併号でした。
その後、昭和22年、杉森久英氏(現作家)が編集長を引きつぎ、当時、有力な新人作家として台頭してきた、“第一次戦後派”といわれる作家たち、野間宏、椎名麟三、梅崎春生、埴谷雄高、中村眞一郎氏らの活躍の舞台となり、のちにロータス賞・谷崎潤一郎賞を受賞した野間氏の大作「青年の環」、中村氏の五部作の一つである「愛神と死神と」という両氏の代表作となった長編小説の連載が開始されたのもこの頃です。また同じく中村光夫氏の代表作となった「風俗小説論」「谷崎潤一郎論」がこの時期に掲載されたことも忘れられないことです。