単行本 海がやってくる 気候変動によってアメリカ沿岸部では何が起きているのか

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内容紹介

メキシコ湾岸、フロリダ、そしてニューヨークまで、温暖化と海面上昇がもたらした崩壊の風景と、常識を覆す「人新世」の恐るべき現実。2018年ピューリッツァー賞最終候補作。

ニューヨークが、フロリダが、ルイジアナが沈没する!
脆弱な土地に暮らす人々の物語と、失われつつある動植物を調査する科学者の報告は、私たちに何を語りかけているのか? 温暖化と海面上昇がもたらした崩壊の風景と、常識を覆す「人新世」の恐るべき現実。

スタテンアイランド(ニューヨーク州)を襲った巨大ハリケーンと、その水害で父親を亡くした女性、沈みゆくジャン・チャールズ島(ルイジアナ州)から撤退するネイティブ・アメリカンのコミュニティ、逃亡奴隷が定住したペンサコーラ(フロリダ州)を絶え間なく襲う洪水被害。留まるべきか、移動すべきか?――その問いは、気候変動と海面上昇によって危機的状況にある土地では、人間にも動植物にも等しく投げかけられていた……。

◎ピューリッツァー賞(一般ノンフィクション部門)最終候補(2018年)
◎全米アウトドア・ブック賞受賞(2018年)

■各紙誌絶賛!
海面上昇に対するアメリカの脆弱性、とりわけ剥奪の憂き目に遭い、再建手段へのアクセスが限られている人々についての、詳細を極めた報告である。――ピューリッツァー賞一般ノンフィクション部門選評

胸に迫る……ラッシュは正確な言葉遣いで自然を捉えており、それはほとんど詩作の域に達している。そして、沿岸に現在住んでいる人々の生活を明らかにする詳述が本書をさらに豊かなものとしている……変容した、おそらくは不自然な世界に人々が立ち向かい続ける上で、こうしたエレジーは重要な役割を担うことになるだろう。――「ニューヨーク・タイムズ」紙

気候変動と海面上昇について、待ち望まれていた一冊だ。ニューイングランドの消えゆく海岸線から、痛めつけられた釣り人のコミュニティや縮みゆく島まで、ラッシュは旅をする。そしてある一つの世界が緩慢に失われていくことの意味を、エンパシーとエレガンスを湛えた筆致で伝えるのだ。スタッズ・ターケルが備えていた労働者階級のエンパシーを、傷ついた詩人の心でありありと描いている。――「シカゴ・トリビューン」紙(2018年、年間ベストテン)

海面上昇は遠く離れた場所の遠く離れた問題ではない。ラッシュが示しているとおり、いまを生きる、現実に存在する人々に影響を与えている。『海がやってくる』は暗澹としながらも美しい感動的なルポルタージュである。――エリザベス・コルバート『6度目の大絶滅』(NHK出版)

破滅へといたる統計資料の扱いは抑制されている。ラッシュにとって海面上昇の破壊的な影響、とりわけ脆弱なコミュニティに対するそれは、細部においてひときわ説得力を備えている。ルイジアナからスタテンアイランド、そしてベイエリアまで。ラッシュの叙情的かつ徹底的に調査されたエッセイは、現在の気候の不確かさを受け容れること、そしてこの先に待つ大いなる困難へ対処する公正な方法を考えるようわれわれに迫るのだ。――「ネーション」誌

この感動的かつ忘れがたい書物において、著者の声はアメリカ各地――メイン、ロードアイランド、ルイジアナ、フロリダ、ニューヨーク、カリフォルニア――の沿岸にあるコミュニティに住む人々の声と混ざり合い、次のことを証言する。海がやってきている。すでに家を失った人たち。まもなく失う人たち。研究する人たち。観察する人たち。喪に服す人たち。こうした人たちはお互いに出会っていないけれど、彼ら彼女らの共通点は円を描き、私たちはその中にラッシュの力強いことばによって否応なく引き込まれてゆくのだ。――アン・ファディマン『精霊に捕まって倒れる』(みすず書房、近刊)


目次・収録作品

目次

パスワード  ジェイコブス・ポイント(ロードアイランド州)

第1章 枯れ木
柿  ジャン・チャールズ島(ルイジアナ州)
感謝について  スモールポイント(メイン州)[インタビュー]ローラ・シューワル
世界の終わりの沼  フィップスバーグ(メイン州)
パルス  南フロリタ(フロリダ州)
報いについて  マイアミビーチ(フロリダ州)[インタビュー]ダン・キプニス

第2章 リゾーム
嵐について  オークウッドビーチ(ニューヨーク州)[インタビュー]ニコール・モンタルト
占い棒  スタテンアイランド(ニューヨーク州)
弱さについて  ペンサコーラ(フロリダ州)[インタビュー]マリリン・ウィギンス
リスク  ペンサコーラ(フロリダ州)
機会について  ジャン・チャールズ島(ルイジアナ州)[インタビュー]クリス・ブルネット
さよなら、湾に映る雲  ジャン・チャールズ島(ルイジアナ州)

第3章 海面上昇
点と点をつなぐ  H・J・アンドリューズ実験林(オレゴン州)
回復について  アルビソ(カリフォルニア州)[インタビュー]リチャード・サントス
振り返る、そして前を向く  サンフランシスコ湾(カリフォルニア州)
あとがき 謝辞 訳者あとがき 註

著者紹介

エリザベス・ラッシュ (ラッシュ,E)

国際関係ジャーナリスト・写真家。「ニューヨーク・タイムズ」、「アル・ジャジーラ」、「ル・モンド・ディプロマティーク〔英語版〕」などに寄稿。

佐々木 夏子 (ササキ ナツコ)

翻訳者。共訳書にD・グレーバー『負債論――貨幣と暴力の5000年』(以文社)がある。

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