単行本 食って、出して、死ぬ 世界は排泄物で循環する
- 単行本 46 / 344ページ
- ISBN:978-4-309-25488-3 / Cコード:0045
- 発売日:2025.08.22
- 定価:2,970円(本体2,700円)
- ○在庫あり
関連情報
内容紹介
森林が地球の肺なら、海や山で食べて排泄し死ぬ動物たちは、地球の心臓であり動脈だ。地球規模の壮大なエネルギーを担う糞尿や死骸というあまり華やかでない栄養素と環境に光を当てる名著。
動物の糞尿や死骸こそ、地球にとってかけがえのないものだ!
動物は地球の心臓だ。木々は地球の肺、昆虫たちは毛細血管だ。彼らが生死を繰り返して、地球の生態系の壮大な循環を支えている。
彼らは、地球の組織のすみずみに栄養分を届けている。糞や死骸だけではない。動物はその消費を通じても世界を変え、この世界の化学反応を変えるのだ。生態系は生き物であり、出現し、成熟し、死滅し、死んでもなお、つながりあう生命全体に豊かさをもたらす。動物はこうした生態系や地球化学的サイクルに大きな影響をおよぼしている。そしてそれらは、人間やすべての生命体が、それなくしては生存できないものなのだ。
本書に登場するおもな動物たち
生まれたばかりの火山島にやってきた最初の動物たち:フルマカモメ、ミツユビカモメ、ニシセグロカモメ……パフィン
クジラたちの海面表層での豪壮な脱糞:セミクジラ、ナガスクジラ、ザトウクジラ
海から川に遡上するサケの大群:ベニザケ、ギンザケ、キングサーモン、カラフトマス、ヒグマ
イエローストーンとアフリカの絶滅危惧種の生態系:バイソン、ワピチ、オオカミ、カバ、ヌー
人類による家畜の現状と生物多様性の喪失:ニワトリ、巨大ナマケモノ、マンモス、グリプトドン
ウンチとオシッコからわかること:ゾウ、イヌ、ハンドウイルカ
糞でできているハワイのビーチ:ブダイ、サンゴ、ケルプの森、カキ
大発生した数兆匹の周期ゼミたち:「プルードX」のセミ、アリ、リョコウバト、昆虫食
蚊が大量羽化する湖畔:ユスリカ、ブユ、バッタ、クモ
水爆実験と動物たちの数奇な運命:ラッコ、ケルプの森、ステラーカイギュウ、ビーバー
著者
ジョー・ローマン Joe Roman
ヴァーモント大学ガンド環境研究所の保全生物学者、海洋生態学者。クジラの生態学、絶滅危惧種の保護、外来種が専門。2003年にハーヴァード大学で有機体進化生物学の博士号を、フロリダ大学で野生生物生態学と保全学の修士号を取得。自身が愛する野生動物と同じように自由に放浪する生物学者として、ハーヴァード大学、デューク大学海洋研究所、アイスランド大学、ブラジルのサンタ・カタリーナ連邦大学などで特別研究員を務め、2022〜2023年にはハーヴァード大学ラドクリフ研究所に特別研究員として勤務した。著書に『Listed:Dispatches from America's Endangered Species Act(リスト:アメリカ絶滅危惧種保護法からの報告)』(2012年レイチェル・カーソン環境図書賞受賞)、『Whale(クジラ)』などがある。『ニューヨークタイムズ』紙、『ワシントンポスト』紙、『サイエンス』誌 、『ニューサイエンティスト』誌などに寄稿。アメリカ連邦議会、サウス・バイ・サウスウエストのイベント、世界各地の大学などで講演を行う。一口ずつ食べることで外来種と闘うという趣旨のウェブサイトeattheinvaders.orgの編集者でもある。
訳者
米山裕子(よねやま・ひろこ)
翻訳者。訳書に、ブロットン『東西南北「方位」の世界史』、キンナ『アナキズムの歴史:支配に抗する思想と運動』、デレズウィッツ『優秀なる羊たち:米国エリート教育の失敗に学ぶ』、アルベロビッツ『原爆投下 決断の内幕:悲劇のヒロシマナガサキ』(共訳)などがある。
著者紹介
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