河出文庫 あ35-2 一の糸

一の糸

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内容紹介

文楽の天才三味線弾きで、美貌の露沢清太郎が弾く一の糸の響きに魅せられた造り酒屋の箱入り娘・茜だが、清太郎には家庭があった――。芸道一筋に生きる男と愛に生きる女。波乱万丈の二人の人生を描く。

なんという音色だろう。躰にしみ通るように響いてくる――

文楽の天才三味線弾きで、美貌の露沢清太郎が弾く一の糸の響きに心を掴まれ、恋情を抱く造り酒屋の箱入り娘・茜。しかり清太郎には家庭があった。やがて清太郎は徳兵衛を襲名、紆余曲折を経て茜は妻となった。大正から戦後にかけて、芸道一筋に生きる男とそれを支える女の波瀾万丈の人生。また同時に究極の芸を求める徳兵衛と宇壺大夫の凄まじいまでの生き様を描く。古典芸能に精通した著者ならではの圧巻の感動長編。
◎解説=酒井順子

著者紹介

有吉 佐和子 (アリヨシ サワコ)

昭和6年、和歌山市生まれ。東京女子短期大学英文科卒。昭和31年『地唄』で芥川賞候補となり、文壇デビュー。以降、『紀ノ川』『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『複合汚染』など話題作を発表し続けた。昭和59年没。

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