河出文庫 か43-1 ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

ベートーヴェン捏造

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関連情報

内容紹介

音楽史上最大のスキャンダル「会話帳改竄事件」。宮部みゆき氏絶賛の衝撃的歴史ノンフィクション、待望の文庫化!




現代に語り継がれるベートーヴェン像は、秘書により捏造されていた!? 「会話帳改竄事件」の真相に迫る、衝撃的な歴史ノンフィクション。「会話帳」とは、聴力を失ったベートーヴェンが周囲の人とコミュニケーションを取るために用いた筆談用ノートのこと。
100年以上にもわたり多くの人々を騙し続けた「犯人」の名は、アントン・フェリックス・シンドラー。音楽家でもあり、誰よりもベートーヴェンの近くで忠誠を誓い、尽くした人物である。なぜ、何のために彼は改竄に手を染めたのか? 音楽史上最大のスキャンダルの「犯人」・シンドラーの目を通して、19世紀の音楽業界を辿る。音楽ファンもミステリーファンも絶賛した名作がついに文庫化!
◎解説=栗原康

目次・収録作品

序曲 発覚
第一幕 現実
第一場 世界のどこにでもある片田舎
第二場 会議は踊る、されど捕まる
第三場 虫けらはフロイデを歌えるか
第四場 盗人疑惑をかけられて
第五場 鳴りやまぬ喝采
間奏曲 そして本当に盗人になった
バックステージⅠ二百年前のSNS──会話帳からみえる日常生活──
第二幕 噓
第一場 騙かたるに堕ちる
第二場 プロデューサーズ・バトル
第三場 噓vs噓の抗争
第四場 最後の刺客
バックステージⅡメイキング・オブ・『ベートーヴェン捏造』──現実と噓のオセロ・ゲーム──
終曲 未来
単行本版 あとがき
文庫版 あとがき
解説 栗原康
関連年表

著者紹介

かげはら 史帆 (カゲハラ シホ)

1982年、東京郊外生まれ。法政大学文学部日本文学科卒業、一橋大学大学院言語社会研究科修士課程修了。著書に『ベートーヴェンの愛弟子 』『ニジンスキーは銀橋で踊らない』がある。

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読者の声

はちみつ さん/52歳 女性
映画の原作という事で、よく分からず読み始めたのですが、後半戦の面白さがなんとも!知らず知らずのうちにシンドラー頑張れと思っている自分がいました。(捏造してるのに)
最後まで読むのにもう少しかかりそうですが、この先どうなるのかワクワクが止まりません。
ふくろう さん/40歳 女性
SNSの発展により、これまで見過ごされていたことは許されなくなった。たった一つの過ちで舞台から引きずり降ろされる時代である。当事者ですらない誰かが今日もどこかで正義を振りかざしている。
史実を捏造したシンドラーは糾弾されたが、当事ベートーヴェンという偉人をありのままに後世に伝えようとした多数派の感覚は正常と言えるのだろうか。尊厳は守られるべきではないのか。皆、平等に。捏造が当たり前になる時代が来るかもしれない。そんなことを想像した。
ぷっちょ さん/56歳 女性
原作はまだこれから読むのですが、類家さんの表紙がとても素敵なので棚に飾っています。
映画は、大好きなバカリズムさんの世界で、大好きな山田裕貴さんがどう輝くのかが見どころだと思います。
フネ さん/42歳 女性
ジャジャジャジャーーーンは「運命が扉を叩く音」という、絶妙に誰かに言いたくなるエピソードは、ベートーヴェンの秘書シンドラーが捏造したものだった、というたった一つの事実だけでも、この秘書の捏造の「才能」を知らしめるのに十分だ。
しかし、この本を読むと、シンドラーの捏造の才能以上に驚愕するのが、ベートーヴェンへの盲信的な愛と執着。
その愛と執着は、時にとんでもなく気持ち悪く感じられるが、時に可愛らしくも感じられるから不思議だ。
「シンドラーは一体どこまでやっちまうのか?!」という思いながら読み進めると、どこまでも徹底的に「やっちまう」のがシンドラー、という結論に至る。
これがフィクションであったなら、シンドラーいいぞもっとやれ!となるような面白いエピソードが沢山紹介されているが、これが歴史的事実である、という事には薄らと怖さもある。
なるこ さん/56歳 女性
読み進めていくうちに、ベートーヴェンの後世を生きる私たちはみんなシンドラーなのでは…という気持ちになってきた。
子どもの頃読んだベートーヴェンの伝記。これは子ども向けであるから、基本良い面が書かれているのは理解できる。
しかしその後に触れるベートーヴェンに関するエピソードは、この本のように大きく覆されるまでのものは私の人生の中では皆無。
大多数の人々は彼の音楽の素晴らしさに魅力され続け、シンドラーの捏造を否定する気もなく受け入れ続けて現在に至るのではないか?
そんなことを想像し、確かに捏造ではあるかもしれないが、シンドラーが憎めなくなってしまった。
アニー さん/60歳 女性
原作読みました。従来の学説が覆る大発見、調査研究、その上に豊かな想像力を混ぜて繋ぎ非常に興味深く面白かったです。
映画になるためにどのエピソードが生き残り削られるのか楽しみです。
pimzo さん/59歳 女性
1977年に、学会でシンドラーによる会話帳の改竄が発表されたそうだが、私がその事実を知ったのは、発表から30年以上も経ってから、本書によってだった。
本作で描かれているように、たとえセイヤーのような人物が嘘に気づき、改竄の事実が明らかになったとしても、世界中の人々はシンドラーが残した逸話を信じ続けている。このベートーヴェン像は、もはやどのように足掻いても塗り替えられないのかもしれない。シンドラーは21世紀の現代においても“勝者”のままなのだろう。しかし、その行いが白日の下に晒された今、それは大きな汚点が残る勝利に他ならない。
ちなみに、もし現代の「文春砲」のような形で当時ベートーヴェンが追い詰められ、彼の作品がすべて封印されて後世に伝わらなかったとしたら、世界はどうなっていたのだろうか。シンドラーという存在が現れた事による、この世に流れる因果律の不思議さを感じずにはいられない。
たなぁ さん/61歳 男性
人物画でしか見ていなかったベートーベン、音楽は何度も耳にしていたものの、人物像はこれまで自ら調べたこともなかった。
本書を読んで、人物像が想像できるようになり、ベートーベンを取り巻く色々な人々の思惑も含めて、とても面白かったです。
少しの修正、それがまかり通ってしまった後の、
意地とも言えるような突き進め方、シンドラーという人物も実は色々な背景があったのかもしれないと思いますが、これまでスポットを当てられなかった人物なのかもしれません。
本人同士しか知らない事実も公表されていないだけで、実はもっと色々なトラブルや、劇的に楽しかったこと、悲しかったことなどあると思います。
偉大な人物の人間らしさが見えたのも本書ならではの内容で、とても良かったです。
如月 さん/15歳 女性
私はベートーヴェンを心から尊敬している。
彼に狂っていたからこそ、秘書アントン・フェリックス・シンドラーについて知りたくなり、この本を手に取った。

これまで他の音楽家の伝記も読んできたが、専門用語が多すぎて楽しめないことが多かった。
しかし『ベートーヴェン捏造』は全く違う。現代的な言葉で書かれており、シンドラーたちにも親しみを持ちやすい。

「ヤバい!」「キモい!」など、堅苦しくない表現を抵抗なく読める人におすすめだ。
ベートーヴェンヲタクの私にとって、二人の会話を見るだけでほっこりする
─たとえそれが捏造であっても。
野崎洋子 さん/59歳 女性
https://themusicplant.blogspot.com/2023/05/blog-post_4.html
ここに掲載しております。自由にお使いください。
かげはら先生、がんばってください。映画楽しみにしております。
はるモ さん/女性
この本を読んで以来待ちに待ったベートーヴェン捏造のメディアミックス…なんと!映画化!驚きました、それも総日本キャスト、脚本はバカリズムさん、どういうことなの!?とワクワクが止まりません!原作は面白すぎて、ベートーヴェンはもちろん、シンドラー、なんて困ったやつなんだ、でもどうしてこんなに魅力があるのだ…とかげはら先生の筆に魅了されもうたくさん振り回されて幸せでした♪ベートーヴェン捏造の更なる飛翔を願って!今後とも応援しております!
なかば さん/32歳 女性
夢みることを「罰」とし、死んでもなお天才ベートーヴェンに執着し続ける男、捏造作家シンドラー。事実を改竄してまで彼が得たかったもの、それは「自分はベートーヴェンの親友だった」という世界。
ページをめくるたびに込み上がるいたたまれない感情を、ぜひ本で体感してほしい。果たして天才が近くにいることは幸せなのか、不幸なのか…。
Miii さん/34歳 女性
シンドラーは、ベートーヴェンの死後会話帳を改竄して伝記を書く。ベートーヴェンにとって都合の悪い事は書かずにシンドラーとベートーヴェンが事実よりも親密な関係にあるかのように...そこに衝撃と身震いするものを感じました。シンドラーに対してどこか切ない気持ちにもなり気がつけば入り込んでいました。ベートーヴェンは人として立派じゃないのかもしれないがここまでの数々の名曲を生み出す才能は何を言おうが本物です。バカリズムさんの脚本が入り、豪華なキャストの面々に劇場で拝見できるのがとても楽しみです!
実心 さん/44歳 女性
シンドラーの歪んだ愛と信念が、あまりにも真っ直ぐで、可笑しいのに、だんだんと哀しく虚しくなってくる。
読みながら薄々感じていたことを、最後の最後に示されて、大きく頷いてしまった。
“酸っぱい葡萄”も“甘い葡萄”も、気まぐれで案外似たようなものなのかもしれない。
誰の勝利なのか、何の勝利なのか、一体何が正しいのか分からなくなったが、それでも、やはりベートーヴェンが好きだと思える一冊。
友友自遠方来 さん/56歳 男性
クラシック音楽、中でもベートーヴェンが大好きで、その中でも晩年の作品が大好きです。そんな私の胸にストーンと落ちてくるベートーヴェンの姿を描いてくださいました。そして、そんな晩年のベートーヴェンがもっと好きになりました。丁寧な資料調査とベートーヴェン周辺の人々への著者の愛が素顔のベートーヴェン像を彫り出してくださったのだと思います。ベートーヴェンが好きな人も嫌いな人も必読の一冊。
ゆう さん/女性
原作読みました。
正直、読みはじめはよくわからなくてなかなか読み進められなかったんですが、ベートーヴェンがなくなってからが、もうおもしろくて!
シンドラーのヤバさがてんこ盛りでした。
映画でどのように表現されるのか楽しみにしています!
えむ さん/女性
映画の特報を観てはじめて本作の事を知りました。
「偉大なる音楽家」に対する漠然としたイメージしか持ち合わせていなかった自分。シンドラーのシの字も知らなければ、「ベートーヴェンって秘書がいたんだ…」というところからのゼロスタート。
かげはら先生のシンドラーに対する大いなる愛情をもって書かれた本作。けれども決して彼に対する同情心だけでは描かれておらず、シンドラーの執着、嫉妬、暴走、おかしみ、悲哀、可愛らしさ、全てが込められていると感じました。
この時代に、この日本で、母国語で、研究書ではなく一般書としてこのような作品を読む事ができる事に感謝しております。
映画の公開がほんとうに楽しみです。

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