河出文庫 ラ6-1 ダーク・ヴァネッサ 上

ダーク・ヴァネッサ 上

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内容紹介

17年前、ヴァネッサは教師と「秘密の恋」をした。しかし#MeTooムーブメントのさなか、歪められた記憶の闇から残酷な真相が浮かび上がる――。世界32か国で翻訳された震撼の心理サスペンス。

《ニューヨーク・タイムズ》《サンデー・タイムズ》ベストセラー!
世界32か国で刊行、各紙誌騒然の注目作がついに邦訳。

15歳、寄宿学校に通うヴァネッサは42歳の教師・ストレインの“恋人”だった。
しかしその17年後、思い出を胸に秘めた彼女の前に、彼を未成年者への性的虐待で告発するというひとりの女性が現れる。
「私は彼女とは違う」と自分に言い聞かせるヴァネッサだったが、混乱する記憶の底からはやがておぞましい過去が浮き上がり……。
「少女との禁断の愛」、その欺瞞を粉々に打ち砕く衝撃作。

 *

15歳と42歳の間に「性的同意」はあり得る? その答えがここにある。
──小川たまか

読むのがつらく、読むのをやめるのはもっとつらい。ダイナマイトの威力を持った小説。
──スティーヴン・キング

ここには衝撃的な、まったくの真実がある。描かれた告発は道徳的であるし、描かれた共鳴は冷酷だ。絶対の必読書。
──ギリアン・フリン(『ゴーン・ガール』)

破壊的な力関係と心理の機微を描き出したこの作品は、#MeTooの後に登場した小説の中で断トツに優れている。
──シドニー・モーニング・ヘラルド

完璧な被害者や、性的虐待への完璧な対応など存在しないということが、ラッセルが書いた驚くべき作品の核心にある。
──ELLE

この本を読んでいる間、あなたは自分の信念が問われているように感じるだろう。無力感や怒り、そして少しの不道徳な気分を味わうだろう。しかしとにかく、この作品はあなたの心に突き刺さるだろう。
──ワシントン・ポスト

ゾクゾクするほどの中毒性。ここには説得力があり、終わりなき議論に一石を動じることは間違いない。誰もが読むべき、不穏かつ洗練された小説。
──シカゴ・トリビューン

著者紹介

ケイト・エリザベス・ラッセル (ラッセル,ケイト,エリザベス)

アメリカ、メイン州生まれ。インディアナ大学で修士号を、カンザス大学で博士号を取得。現在はウィスコンシン州マディソン在住。2020年、『My Dark Vanessa』でデビューし、大きな話題を呼んだ。

中谷 友紀子 (ナカタニ ユキコ)

神奈川県生まれ。 京都大学法学部卒業。 ミステリ小説の翻訳を中心に手がける。 主な訳書にG・フリン『冥闇』『ゴーン・ガール』、J・イーガン『マンハッタン・ビーチ』などがある。

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読者の声

きくみる さん/48歳 女性
ページをめくる指先が冷たくなり動悸が抑えられない。かつて少女であり現在は少女の親である自分にとっては、どんなホラーより恐ろしく残酷な小説でした。
大人になった私は、ストレイン側だけではなくヴァネッサ側も含め、(程度に差はあれど)似たような種類の欺瞞を、実はいくつも見てきた、という事実を認識して怖かったのです。
けれども、というかだからこそ、これは中高生、女の子には特に読んでもらいたい。教科書に載せて欲しいくらいです。そうしたらきっと新たな大小ヴァネッサが生み出されることは相当抑制できると思います。あるいは社会だとか文化だとかを変えるかも。
読むのにエネルギーが要るし読後感も決して良くないけれど、それくらいの衝撃と力を持った本だと思います。みんなに読んで欲しいです。

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