単行本 ブラザーズ・ブラジャー

ブラザーズ・ブラジャー

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内容紹介

義理の弟・晴彦がブラジャーを着けているところに遭遇した、高校生のちぐさ。「おしゃれでやってるんだよ!」と言う晴彦に、ちぐさは…? 氷室冴子青春文学賞第2回大賞、新時代の青春小説!

第2回氷室冴子青春文学賞大賞
新時代の才能が描く、傑作青春小説!


父の再婚で新しい母・瞳子さんと弟・晴彦と暮らすことになった、高校一年生のちぐさ。
ある日、晴彦がブラジャーを着けているところに遭遇する。
「ファッション! ふつうにおしゃれでやってるんだよ!」
「うそ! いったいブラのどこがおしゃれだっていうのよ」
「どこって……。デザインとか、形とか、おしゃれじゃん……。刺繍だって、すげえし……」
戸惑いながらも晴彦を「理解」しようとするちぐさだったが、ある言葉で傷つけてしまい――。

弟とか、男の子とか、関係ない。ただ目の前の「あなた」に向き合いたい!
ちぐさは意を決して――!?

第2回氷室冴子青春文学賞大賞「きみのゆくえに愛を手を」を加筆・改題した表題作と、
「好き」という気持ちを貫きたい晴彦の葛藤を描く書き下ろし続編「ブラザーズ・ブルー」を収録。
繊細に、そしてまっすぐに、家族や性別を越えた新しい関係性を描く、傑作青春小説!

「相手にラベルをつけて思考停止に陥ることと、作者は全力で戦っている。
傷つけない、というズルさに、これほど自覚的な物語を私は他に知らない」
――柚木麻子さん激賞!


 〈氷室冴子青春文学賞〉
数々の名作を発表、圧倒的な人気を博した作家・氷室冴子を顕彰し、優れた才能の発見を目的として、北海道・岩見沢市有志が設立。第2回の選考委員は、朝倉かすみ、久美沙織、柚木麻子の三氏。第1回大賞受賞作は櫻井とりお『虹いろ図書館のへびおとこ』(河出書房新社)。

著者紹介

佐原 ひかり (サハラ ヒカリ)

1992年兵庫県生まれ。大阪大学文学部卒。2019年第2回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞、21年『ブラザーズ・ブラジャー』で本格デビュー。著書に『ペーパー・リリイ」『人間みたいに生きている』『鳥と港』。

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読者の声

nici さん/23歳 女性
佐原さんに出逢えたのは、この作品のおかげです。他者を介在せずとも自分が幸せだ、と言えるものを持っている人の強さと優しさを知りました。自信を持って好きだ、と言えるものを持ちたいし、今ある私のそういうもの達を、もっともっと大切にしたいです。他人同士、分かり合えることの方が少ないけれど、それでも、相手を知ろうとする努力を惜しみたくない、と思えました。そして、そういう願いを読みながら感じながらも、自己満足の行為としてではなく、相手とちゃんと向き合うことや、向き合おうとしている自分と向き合うことって、どれだけ難しいんだろう、とも同時に考えることが出来ました。この本に出逢えてよかったです!

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