いよいよベスト10決定!!

では、ある程度出揃ったと思うので、そろそろベスト10を決めていきましょうか。
N:
私、1位は『掏摸』にしたいな。
ここに来ていきなりですか!? 唐突ですね。……でもあの小説は、非常に売れましたね。テレビの紹介の影響もありましたが、中村文則さんと一緒に書店さんを訪問したり、会社が一丸となって仕掛けに走ったという印象がありましたが。
N:
だってこの本が売れて、むちゃくちゃ嬉しかったじゃないですか。正直、普段頑張ってもなかなか結果として反映されることって少ないじゃないですか? でもこれはいろいろなタイミングが上手く重なって、みんなの思いが読者の方々にしっかり届いて、書店の皆さんも喜んでくれた。だから本当に嬉しかった。
J:
確かに。『掏摸』を読んだ書店員さんから感想の手紙が届いたんです。あんな経験も初めてで嬉しかったです。手書きのPOPを書いてくれた書店員さんもたくさんいらっしゃいましたし。
I:
それではいきなりですが『掏摸』を1位にしましょう!
他はどうでしょう?
J:
やっぱり『ヤンキー文化論序説』は入れたいですね。これ、すごく重要な一冊ですよ。
T:
その本と繋げて考えてみるって意味では『明治 大正 昭和 不良少女伝』を同じく10位タイにしませんか。そうすれば11冊選べますし。
いいですね。あと、さっきのNさんの話が印象的だったし、「獣姦」は外せないと思いますが……。
J:
確かに、では『禁じられた性体験〔獣姦〕告白集』を9位に。
N:
ありがとうございます(笑)。
I:
人文書の系統だと『新しいアナキズムの系譜学』も捨て難いけど、やっぱり『ドゥルーズとガタリ 交差的評伝』かな。値段も考えると8位くらいでどうでしょう。
J:
いいですね。あと2010年に30周年を迎える河出文庫も選んでおきたい! 『第七官界彷徨』も大切な一冊だけど、『「噂の眞相」トップ屋稼業』の書き口はやっぱり最高に面白かった。
T:
じゃあ7位で。「ハードコア」な実用書の話も幾つか出たよね。『木でつくる小さな食器』か『そのまま切り紙』か『豆本づくりのいろは』か。実際に販促ツールとして豆本も作ったということで……、
N:
うん、『豆本づくりのいろは』を6位くらいに。
T:
虫に追われて』と『イー・イー・イー』は個人の偏愛気味だからこそ、外したくないなぁ。
I:
確かに。じゃあ、この辺も入れちゃいましょう(笑)。
では、『虫に追われて』が5位、『イー・イー・イー』が4位で。さあ、残すは2位と3位です。
J:
鈴木しづ子の存在は捨て難いですね。句集の復刊本と「道の手帖」シリーズを同時に出したことで、書評も幾つか出ましたし、しづ子の認知度が少しは高まったはず。ぜひ3位で。
I:
さっきのTくんの説明が良かったし、トゥルニエの『フライデーあるいは太平洋の冥界』を2位にしたい。これで9位の「獣姦」と何となく対応するし(笑)。
確かに2位と9位のバランスが良いですね。というわけで、ベスト10は以下の通りに決まりました。
来年もまた、沢山の好著が生まれることを願いつつ……本日はどうもありがとうございました!