単行本 くるまの娘
- 単行本 46 / 160ページ
- ISBN:978-4-309-03035-7 / Cコード:0093
- 発売日:2022.05.12
- 定価:1,650円(本体1,500円)
- ○在庫あり
賞歴
- 朝日
- 全国学校図書館協議会選定図書
関連情報
内容紹介
17歳のかんこたち一家は、久しぶりの車中泊の旅をする。思い出の景色が、家族のままならなさの根源にあるものを引きずりだす。50万部突破の『推し、燃ゆ』に続く奇跡とも呼ぶべき傑作。
著者紹介
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読者の声
- 氷女 さん/50歳 女性
- 信田さよ子さんが、ユーチューブのエアレボリューションにゲスト出演されていて、その中で「「くるまの娘」が 的を得ている、すごい」といわれていたので、読んでみました。この本には、ネガティブな言葉全てが似合う、私の子供のときの心の様子、私が感じていた悶々とした日々が、しるされていて、宇佐美さん、なんでわかるのー?と感じました。この作品のなかの一文の様に、家族丸ごと助けてほしかったです。こんなに、読んでて心かきまぜられて熱くなった本はないです。家族なんて、やっかいと思いながら生きてきました。しかし、この本で、これまで私だけの問題として抱えて生きてきましたが、少し楽にもなりました。客観的に我が家族を見ることができ、私は親から逃げることもできなかったけど、それはそれでいいのだと思えました。父が生きていたら、もう少し父に接して、我が家の「ままならなさ」原因の追求したかったです。
- もぐもぐ星人 さん/18歳 その他
- 苦しい。しんどい。徹頭徹尾、少女の肉体感覚に寄り添った緻密な文体と、そこから紡がれる暴力と混沌の物語に、辛くなる。読んだぶんだけ、文がこころを削っていく。自分の尊厳を覆うやわらかな膜が、剝がしとられるような気分にさえなる。それでも、ページを捲る手は止まることをしらない。狭い車内に閉じ込められた家族と少女の物語のゆくすえを、この目で見届けたいという思いがほとばしる。少女が背負おうとしているあまりに重い光に、天からわきあがり血を巡る暴力の光に、何度も目を眩ませてたどり着いたその先に、想像を絶する景色がある。穏やかな街並みの内側に張り詰めた哀しみが、ゆるくぬるくいつまでも続く地獄が、あたたかな春の光を浴びて、はるか道の先へ続いていく。父と娘を載せたくるまは、その霞んだ道の向こうへと走る。いったいどこまで行くのだろう。それが知りたくて、きっと私は宇佐見さんの著作をこれからも読み続ける。
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