単行本 世界の絶滅危惧食
- 単行本 46変形 / 528ページ
- ISBN:978-4-309-22874-7 / Cコード:0036
- 発売日:2022.12.01
- 定価:3,960円(本体3,600円)
- ○在庫あり
賞歴
- 日経 産経
- 全国学校図書館協議会選定図書
内容紹介
欧州から、アメリカ大陸、中東、アフリカ、日中韓まで、「絶滅」の危機に瀕する数々の食文化を紹介。そこには、環境破壊、グローバル化、紛争など、この世界の課題のすべてが詰まっている。
食の過去・現在・未来をめぐる驚きの旅にして、
世界の食文化の多様性にたいする愛の言葉。
今まさに求められている希望の書。
イングランド西部の小さなナシ、フェロー諸島の発酵した羊肉、食料問題解決の鍵になるかもしれないトウモロコシ――。
現在、世界中で無数の食べものが永遠に消滅してしまう危機にあり、いま挙げた3つはそのほんの一部でしかない。
『世界の絶滅危惧食』は、英国BBCのジャーナリストが地球上のさまざまな場所を訪れて、そうした食べものの物語を紐解くものであり、幅広い話題を扱って私たちの心をつかむ一冊だ。
そこには、食の伝統を守ると同時にこれからの変化のために奮闘する農業・サイエンス・料理・食品産業・先住民コミュニティの先駆者が登場する。
本書に綴られているような食の物語をとおして、アフリカから世界各地への大移動、奴隷貿易、現代の難民危機にいたるまで、人類の歴史全体が浮かび上がってくる。
しかし、この本は過去を大切にすることだけを主張するのではなく、まさにいま世界が危機にあることを明らかにしている。
地球の未来は、生物の多様性を手遅れになる前に取り戻すことに懸かっているのだ。
・米国『ニューヨーク・タイムズ』紙エディターズ・チョイス
・米国『タイム』誌2022年の必読書100選
●本文より
「何千年もの時を経て、食物、料理、そして食事は、人間の想像力のこのうえなく雄弁な表現になった。だからこそ、ある食べものが絶滅の危機に瀕し、別の種子が失われ、また別の技術が忘れ去られているときには、そうしたものたちがここにたどりつくまでの壮大な物語を思い起こさなければいけないのだ」
●原題
Eating to Extinction: The World’s Rarest Foods and Why We Need to Save Them(2021年刊)
目次・収録作品
はじめに
食べもの そのごくおおまかな歴史
第1部 野生
1 ハッザのハチミツ タンザニア、エヤシ湖
2 ムルノン オーストラリア南東部
3 ベアルート アメリカ、コロラド州
4 メマンナラン インド、ガロ丘陵
野生の地図を描く
第2部 穀物
5 カヴルジャコムギ アナトリア、ブユク・チャトマ
6 ベアオオムギ スコットランド、オークニー
7 紅嘴糯米 中国、四川省
8 オロトントウモロコシ メキシコ、オアハカ州
多様性を守る
第3部 野菜
9 ギーチー・レッドピー アメリカ、ジョージア州、サペロ島
10 アルプ・リンゼ ドイツ、シュヴァーベン
11 オカ ボリビア、アンデス山脈
12 オーヒグダイズ 日本、沖縄
種子の力
第4部 肉
13 シェスペチャート フェロー諸島
14 ヨンサンオゲ 韓国、連山
15 ミドル・ホワイト イングランド、ワイ渓谷
16 バイソン アメリカ、グレートプレーンズ
スピルオーバー
第5部 魚介類
17 天然アトランティックサーモン アイルランド、スコットランド
18 イムラゲンのブータリク モーリタニア、バン・ダルガン
19 潮かつお 日本、西伊豆
20 ヨーロッパヒラガキ デンマーク、リムフィヨルド
生きものたちの聖域
第6部 果物
21 ジーヴァースのリンゴ カザフスタン、天山山脈
22 カインジャ・バナナ ウガンダ
23 ヴァニラ・オレンジ シチリア島、リベラ
ロラックスおじさん
第7部 チーズ
24 サレール フランス中部、オーヴェルニュ
25 スティチェルトン イングランド、ノッティンガムシャー
26 ミシャヴィン アルバニア、呪われた山地
雪の降る部屋
第8部 アルコール
27 クヴェヴリ・ワイン ジョージア
28 ランビック・ビール ベルギー、パヨッテンラント
29 ペリー イングランド、スリー・カウンティーズ
メイヒル
第9部 茶とコーヒー
30 いにしえの森のプーアル茶 中国、シーサンパンナ・タイ族自治州
31 野生の森のコーヒー エチオピア、ハレンナ
ステノフィラ
第10部 スイーツ
32 ハラワート・ジブン シリア、ホムス
33 キズハ・ケーキ ヨルダン川西岸地区、ナブルス
34 クリオロ種のカカオ ベネズエラ、クマナコア
冷戦とコカ・コロナイゼーション
エピローグ ハッザのように考える
謝辞
訳者あとがき
参考文献
註
索引
著者紹介
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