全集・シリーズ 神曲 地獄篇 第1歌~第17歌

神曲 地獄篇

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内容紹介

亡き師と愛弟子の共同作業が結実した画期的な新訳。須賀訳の魅力と、今や屈指のダンテ学者・藤谷の最新研究による驚くべき新解釈で、大古典の豊かな世界が広がる。巻末エッセイ=池澤夏樹。

須賀と愛弟子の共同作業が結実した
画期的な新訳版『神曲』誕生!

大詩人ダンテが著した、世界最大の古典『神曲』が
須賀敦子と藤谷道夫の師弟共訳による新訳で新しい世界を開く。
驚くべき新解釈満載!


●本書巻末エッセイ
「解説、というか読みかた指南/池澤夏樹」より

おずおずとした講読が最後には立派なダンテの専門家を生んだ。彼女が優れた師であり、彼が才能のある弟子であり、なによりも『神曲』が生涯をかけるに価するほど魅力的な文学であった。
(・・・)
この『神曲』、すなわち二人の共同作業でできあがった文体、藤谷がそれにつけた注釈ならびに解説はまこと瞠目に価する。注釈は彼の後の研究成果がもっぱらなのだろうが、それにしてもこの広さと深さには驚かざるを得ない。
「第一歌」の最初の一行から衝撃なのだ。
 この訳で「人の世の歩みのちょうど半ばにあったとき」とある部分は、従来はダンテ自身が三十五歳、すなわち七十年と考えられていた寿命の半分の時と読まれてきた。しかしこの訳はこれを人類の歴史の中間点と読む。(・・・)この点についての注釈と解説は周到で、ほうとため息をつくばかり。今まで自分は何を読んできたのだと考えてしまう。
 その先には『神曲』ぜんたいの主題の見事な要約がある。

●『神曲』とは何か(本書巻末「『神曲』の理解のために/藤谷道夫」より)
*『神曲』は、文学作品(詩作品)と言うよりも百科全書的「文化の総体」と呼んだ方がふさわしい。このため、文学や歴史、哲学を始めとしてあらゆるジャンルの読者の興味を掻き立ててきた。

*警世の書として、ダンテは『神曲』を通して当時の社会の腐敗・堕落を痛烈に揶揄している。その批判の対象は聖職者であり、政治家であり、商人たちである。

*『神曲』は、神に至る精神の道のり、魂のルート・マップにも映るであろう。人が自己の悪と対峙しながら、自身の精神の深みへと降りてゆき、真の自分自身を見出す魂の救済の旅である。あるいは、人類の歴史の旅にも映る。

*『神曲』を読めば、旧約聖書と新約聖書およびギリシャ神話を読んだことになる。ダンテの時代、聖書はイタリア語で読むことはできなかった。しかし、『神曲』は聖書の主要な箇所すべてを網羅し、解説付きで作品に取り込んでいる。このため、『神曲』は最初のイタリア語訳聖書の役をなしている。『神曲』を読めば、ラテン語を知らない一般の人々も、新旧の聖書(キリスト教の根本)とギリシャ神話(西洋古典の粋)を読んだのと同じ知識が得られる。

*実はダンテは『神曲』を通して宗教改革とルネサンスを目指していたのである。ダンテが『神曲』をラテン語ではなく、イタリア語(トスカーナ方言)で書いた理由はまさにここにある。

*『神曲』はこれまで誰も書いたことのないような恋愛詩であり、永遠の片思いの詩である。

著者紹介

ダンテ (ダンテ)

1265年、フィレンツェ生まれ。西洋文学最大の詩人。政治活動に深くかかわり、1302年、政変に巻き込まれ祖国より永久追放され、以後、放浪の生活を送る。その間に、不滅の大古典『神曲』を完成。1321年没。著書に、『新生』『俗語論』『饗宴』 『帝政論』他。

須賀 敦子 (スガ アツコ)

1929年兵庫県生まれ。著書に『ミラノ 霧の風景』『コルシア書店の仲間たち』『ヴェネツィアの宿』『トリエステの坂道』『ユルスナールの靴』『須賀敦子全集(全8巻・別巻1)』など。1998年没。

藤谷 道夫 (フジタニ ミチオ)

1958年広島生まれ。慶應義塾大仏文科卒。筑波大大学院博士課程文芸・言語研究科文学専攻単位取得満期退学。慶應義塾大文学部教授。著書『ダンテ「神曲」における数的構成』、訳書にM・マリエッティ『ダンテ』他。

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