河出文庫 つ2-2 紺青のわかれ

紺青のわかれ

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内容紹介

失踪した父を追う青年、冥府に彷徨いこんだ男と禁忌を破った男、青に溺れる師弟、蠢く与那国蚕――愛と狂気の世界へといざなう十の物語。現代短歌の巨星による傑作短篇集、ついに文庫化。

この重力、凄まじい。
この恍惚、素晴らしい。   ――恩田 陸


同じ男に想いを寄せた美術家姉弟の悲劇「月蝕」、冥界に迷い込んだ男と禁忌を破り囚われている男の束の間の交感「冥府燦爛」、師と共に蒼の世界を求めた青年に忍び寄る悪意「紺青のわかれ」――。秘めやかな愛に身を捧げ、儚い最期を迎える男たち。現代短歌の鬼才が精緻に煌びやかに織り上げた十の迷宮へようこそ。

目次・収録作品


月蝕
秋鶯囀
冥府燦爛
聖父哀傷図
紺青のわかれ
見よ眠れる船を
与那国蚕は秋の贐
父さん鵞鳥嬉遊曲集
朝顔に我は飯食ふ男哉

解説 紺青世界の扉が開く 島内景二

著者紹介

塚本 邦雄 (ツカモト クニオ)

1920年生まれ。2005年没。歌人。51年、第1歌集『水葬物語』刊行、以後、岡井隆、寺山修司らと前衛短歌運動を展開。現代歌人協会賞、詩歌文学館賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞、現代短歌大賞など受賞。

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