- シリーズ:
雑誌
ブンゲイニセンニジュウニネンシュンキゴウ
文藝 2022年春季号
雑誌 A5 ● 552ページ
発売日:2022.01.07
定価1,518円(本体1,380円)
○在庫あり
-
【創作】宇佐見りん「くるまの娘」(芥川賞受賞第一作)【特集】母の娘/批評:水上文「「娘」の時代 『成熟と喪失』その後」/創作:西加奈子、島本理生/対談:伊藤比呂美×金原ひとみ 他
目次
◎創作
宇佐見りん「くるまの娘」(190枚)芥川賞受賞第一作
一家は、久しぶりの車中泊の旅に出た。甘く懐かしい思い出の道をなぞるうち、家族のままならなさの根源にあるものが引きずり出されてゆく。「かか」「推し、燃ゆ」で新時代の文学を立ち上げた作家の、真価を決定付ける圧巻の第三作。車ごと地獄から救い出そうともがく、娘の絶唱。
児玉雨子「じゃあ何から産まれたかったの?」(150枚)
「私たち、新しく母娘(おやこ)になりませんか?」実の母娘関係が修復不可能なほど破綻した、かつて塾の先生と教え子だった女二人。仲睦まじく暮らす二人の〈ホーム〉に、先生の実娘が妊娠した身で乗り込んできて――。気鋭の作詞家が、母性への疑いを鋭く切り出す第二作中篇。
*
◎特集 母の娘
【批評】
水上文 「「娘」の時代 「成熟と喪失」のその後」(110枚)
【対談】
伊藤比呂美×金原ひとみ「母は娘を救えない」
【創作】
西加奈子「ママと戦う」
ダンティール・W・モニーズ 岸本佐知子 訳 「敵の心臓」
島本理生「鳥人間だった私」
金原ひとみ「愛を知らない聖者ども」
平岡直子「お母さん、ステルス戦闘機」
【エッセイ】
水村美苗 「「母性神話」と私の母」
イ・ラン 斎藤真理子 訳「母と娘たちの狂女の歴史」
セキユリヲ「縁をつなぐ」
花田菜々子「母と子になれない私たち」
【論考】
はらだ有彩「山姥がハハハと笑うとき」
【ブックガイド】
アルテイシア/海猫沢めろん/中村佑子/堀越英美
「物語化された「母」を解放する ブックガイド20」
*
◎豪華新連載
【創作】
皆川博子「風配図 Windrose」
ゴットランド島に流れ着いた一艘の難破船。いま、二人の少女の運命が大きく動き出す―。バルト海交易で栄えた三都市を舞台に紡がれる壮大な物語、堂々開幕。
桜庭一樹「波間のふたり」
「幸せそうな若い女」を狙う刺傷事件を機に再会した同級生二人。数日後、隅田川沿いで待ち合わせると、二人から見えるスカイツリーが別の色をしていて―!? 作家の新境地を築く長篇新連載。
島本理生+岩崎渉 「トランス」
人間に近い情緒を備える新型AIのHTLL09号。研究所で働くいつきは、資料室で〝彼〟と出会い……恋愛小説の名手・島本理生+気鋭の生物情報科学者・岩崎渉による共作小説の誕生!
【文芸季評】
「たったひとり、私だけの部屋で 2021年10月~11月 書くことの/と暴力」水上文
*
◎特別企画:台湾文学発、世界文学の未来
【短篇】
呉明益 三浦裕子 訳「沖積層になる」
【エッセイ】
黄碧君「台湾文学シーンのいま」
*
●特別寄稿
藤井光「パンデミックと「つながり」の物語 『デカメロン・プロジェクト』と『最後のライオニ』を巡って」
*
●連続企画 韓国・SF・フェミニズム【最終回】
【短篇】
チョン・ソヨン すんみ 訳「おうち」
【ブックガイド】
イ・スヒョン すんみ 訳「韓国SFと世界SFのフェミニズム」
●連載
落合恵子「「わたしたち」」 【最終回】
絲山秋子「まっとうな人生」【最終回】
柳美里「JR常磐線夜ノ森駅」【第2回】
いとうせいこう「東北モノローグ」【第2回】
藤野可織「先輩狩り」【第4回】
町田康「ギケイキ」【第36回】
「文芸的事象クロニクル2021年9月~11月」 山本貴光
「この装幀がすごい!」【第7回】ゲスト MARUU /川名潤・佐藤亜沙美
●書評
遠野遥『教育』【評】玉城ティナ
町屋良平『ほんのこども』【評】新胡桃
最果タヒ『パパララレレルル』【評】ゆっきゅん
藤原無雨『その午後、巨匠たちは、』【評】円城塔
李龍徳『石を黙らせて』【評】大江崇允
MOMENT JOON『日本移民日記』【評】つやちゃん
第59回文藝賞応募
***************************
◎「文藝」2022年春季号におけるお詫びと訂正
●連続企画「韓国・SF・フェミニズム」内のイ・スヒョン「韓国SFと世界SFのフェミニズム」において、以下の誤りがございました。記してお詫び申し上げます。
■作品の邦訳情報の誤りについて
・p.455-1段目-最終行:
『Y:the Last Man』→『Y:THE LAST MAN』(江原健訳、誠文堂新光社)
・p.455-2段目-2行目:
『Seveneves』→『七人のイヴ』(日暮雅通訳、ハヤカワ文庫)
・p.456-2段目-12行目:
〈The Expanse〉→〈エクスパンス〉(一巻のみ邦訳あり:『巨獣めざめる(上下)』中原尚哉訳、ハヤカワ文庫)
・p.457-1段目-24行目:
『Dancing on Air』→『ベガーズ・イン・スペイン』(金子司訳、ハヤカワ文庫)
・p.457-3段目-5行目:
「Your Faces, O my sisters! your faces filled of light!」→「おお、わが姉妹よ、光満つるその顔よ!」(『星ぼしの荒野から』伊藤典夫、浅倉久志訳、ハヤカワ文庫)
・p.458-2段目-20行目:
『Down below Station』→『ダウンビロウ・ステーション』(深町真理子、宇佐川晶子訳、ハヤカワ文庫)
■表記の誤りについて
・p.456-1段目-5行目:
〈ラドチ帝国〉シリーズ→〈ラドチ戦史〉シリーズ(赤尾秀子訳、ハヤカワ文庫)
・p.459-2段目-17行目:
イ・ユナ→ユーン・ハ・リー
・p.460-3段目-21行目:
バンダナ・シン→ヴァンダナ・シン
●イ・ラン「母と娘たちの狂女の歴史」内の「火病」についての注の記述において、誤解を与えかねない表現がございました。訂正のうえお詫び申し上げます。
・p.161-上段-最終行
「火病」(「鬱火病」ともいう。抑圧された怒りによって起こるストレス障害のような韓国特有の病気で、女性に多いとされる)
→「火病」(「鬱火病」ともいう。抑圧された怒りによって起こるストレス障害的な症状の韓国での呼称)
●はらだ有彩「山姥がハハハと笑うとき」内、P.226に記載した歌「My mother has kiled me」の出典を「マザー・グース」としておりましたが、
日本国内では「マザー・グース」とグリム童話「ねずの木」が流通していること、英語圏では「ねずの木」が主流であるとご指摘をいただきました。
この本文内では授業で「マザー・グース」として登場したことを踏まえそのように表記しています。
*************************** -
◎創作
宇佐見りん「くるまの娘」(190枚)芥川賞受賞第一作
一家は、久しぶりの車中泊の旅に出た。甘く懐かしい思い出の道をなぞるうち、家族のままならなさの根源にあるものが引きずり出されてゆく。「かか」「推し、燃ゆ」で新時代の文学を立ち上げた作家の、真価を決定付ける圧巻の第三作。車ごと地獄から救い出そうともがく、娘の絶唱。
児玉雨子「じゃあ何から産まれたかったの?」(150枚)
「私たち、新しく母娘(おやこ)になりませんか?」実の母娘関係が修復不可能なほど破綻した、かつて塾の先生と教え子だった女二人。仲睦まじく暮らす二人の〈ホーム〉に、先生の実娘が妊娠した身で乗り込んできて――。気鋭の作詞家が、母性への疑いを鋭く切り出す第二作中篇。
*
◎特集 母の娘
【批評】
水上文 「「娘」の時代 「成熟と喪失」のその後」(110枚)
【対談】
伊藤比呂美×金原ひとみ「母は娘を救えない」
【創作】
西加奈子「ママと戦う」
ダンティール・W・モニーズ 岸本佐知子 訳 「敵の心臓」
島本理生「鳥人間だった私」
金原ひとみ「愛を知らない聖者ども」
平岡直子「お母さん、ステルス戦闘機」
【エッセイ】
水村美苗 「「母性神話」と私の母」
イ・ラン 斎藤真理子 訳「母と娘たちの狂女の歴史」
セキユリヲ「縁をつなぐ」
花田菜々子「母と子になれない私たち」
【論考】
はらだ有彩「山姥がハハハと笑うとき」
【ブックガイド】
アルテイシア/海猫沢めろん/中村佑子/堀越英美
「物語化された「母」を解放する ブックガイド20」
*
◎豪華新連載
【創作】
皆川博子「風配図 Windrose」
ゴットランド島に流れ着いた一艘の難破船。いま、二人の少女の運命が大きく動き出す―。バルト海交易で栄えた三都市を舞台に紡がれる壮大な物語、堂々開幕。
桜庭一樹「波間のふたり」
「幸せそうな若い女」を狙う刺傷事件を機に再会した同級生二人。数日後、隅田川沿いで待ち合わせると、二人から見えるスカイツリーが別の色をしていて―!? 作家の新境地を築く長篇新連載。
島本理生+岩崎渉 「トランス」
人間に近い情緒を備える新型AIのHTLL09号。研究所で働くいつきは、資料室で〝彼〟と出会い……恋愛小説の名手・島本理生+気鋭の生物情報科学者・岩崎渉による共作小説の誕生!
【文芸季評】
「たったひとり、私だけの部屋で 2021年10月~11月 書くことの/と暴力」水上文
*
◎特別企画:台湾文学発、世界文学の未来
【短篇】
呉明益 三浦裕子 訳「沖積層になる」
【エッセイ】
黄碧君「台湾文学シーンのいま」
*
●特別寄稿
藤井光「パンデミックと「つながり」の物語 『デカメロン・プロジェクト』と『最後のライオニ』を巡って」
*
●連続企画 韓国・SF・フェミニズム【最終回】
【短篇】
チョン・ソヨン すんみ 訳「おうち」
【ブックガイド】
イ・スヒョン すんみ 訳「韓国SFと世界SFのフェミニズム」
●連載
落合恵子「「わたしたち」」 【最終回】
絲山秋子「まっとうな人生」【最終回】
柳美里「JR常磐線夜ノ森駅」【第2回】
いとうせいこう「東北モノローグ」【第2回】
藤野可織「先輩狩り」【第4回】
町田康「ギケイキ」【第36回】
「文芸的事象クロニクル2021年9月~11月」 山本貴光
「この装幀がすごい!」【第7回】ゲスト MARUU /川名潤・佐藤亜沙美
●書評
遠野遥『教育』【評】玉城ティナ
町屋良平『ほんのこども』【評】新胡桃
最果タヒ『パパララレレルル』【評】ゆっきゅん
藤原無雨『その午後、巨匠たちは、』【評】円城塔
李龍徳『石を黙らせて』【評】大江崇允
MOMENT JOON『日本移民日記』【評】つやちゃん
第59回文藝賞応募
著者
この本の感想をお寄せください
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお気軽にお寄せください。
投稿された内容は、弊社ホームページや新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。
※は必須項目です。恐縮ですが、必ずご記入をお願いいたします。
※こちらにお送り頂いたご質問やご要望などに関しましては、お返事することができません。
あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ