読者の声 最新一覧
ご投稿いただいた最新の読者の声をご紹介しています。
JR上野駅公園口
柳 美里 著
★2024.08.15 ※感想※
上野公園のホームレスの男の生活を描いた作品。
作者は上野公園での取材をもとに描いている為、限りなくノンフィクションに近いフィクションである。ホームレスって、なんで仕事からしないの?仕事しようと思えばできるんじゃないの?正直この本を読む前はそう思っていた。そのような考えが一気に覆った。
この作品を通して「山狩り」という言葉を初めて知った。「山狩り」とは、天皇や皇族が訪れる際に特別清掃、いわばホームレスの排除をすることである。たしかに以前と比べると上野公園で最近ホームレスを見かけない。園内では大道芸や楽器を演奏するアーティストの活動が盛んになったり、外国人観光客がより一層賑わいを見せている。
「この単調な風景のどこかに、痛みが在る」
「この、似たような時間の中に、痛む瞬間が在る」
今、上野公園から姿を消したホームレスたちはどのように生活しているのだろうか。
神曲 地獄篇
ダンテ 著 須賀 敦子/藤谷 道夫 訳
★2024.08.11 面白い、面白すぎます。こんなに深くて、斬新で、且つ、納得が行く神曲解説があったでしょうか!
この年までそれなりに本を読んできて、こんなに興奮して引き込まれる読書体験は経験したことがありません。こんなに楽しませておいて、神曲全体の6分の1でおしまいなんて、あんまり酷です。
残りの6分の5の著述・出版をぜひともお願いします。まずは本文訳だけでも、その後、各歌解説を追加し、さらに出来れば各歌注釈を追加する、と段階的な出版でも構いません。
藤谷道夫先生にしかできないこの偉業を、藤谷先生のできるところまで、私たち人類に残していただけたとしたならば、幸せの極みに存じます。
どうぞ、ご検討のほどよろしくお願いします。
21 Lessons
ユヴァル・ノア・ハラリ 著 柴田 裕之 訳
★2024.07.29 『サピエンス全史』始め、ハラリ先生の大著を一通りは流し読みしたが、未だ理解しきれていない部分が多々ある。折に触れて向かい合い、読み直したいと思っている。
一番私個人に響いたのは「雇用」の項だ。詳しくは原著を参照して欲しいと言うほかないが、結果として私は「一生の仕事」という(21世紀に似つかわしくない)考えを捨て、都度貪欲に「成長」しなければならないと考えた。積みあがっていくキャリアというよりも、状況に応じて刷新するようなイメージだ。
好む好まざるに関わらずそうせざるを得ないであろうし、それならば途上を楽しみたい、とも私は考えている。
同時にそのような流動的なキャリアを築くことに、私はわくわくしさえした。「雇用」の項は最も心躍る項ではないかと個人的に考えている。
マリリン・トールド・ミー
山内 マリコ 著
★2024.07.28 私はこの本を読んだ時、複雑性PTSDと診断され、休職していました。もともとマリリンが好きだったこともあり、タイトルを見て即購入しました。
主人公は私と同じ悩みを抱えていました。家庭環境も似ていて、話の世界に引き込まれていきました。本書の中の台詞に救われた気持ちになり、前向きに自分の人生を振り返るきっかけにもなりました。本の力は凄いです。ありがとうございました。
自由思考
中村 文則 著
★2024.07.27 文庫版を拝読しました。数ヶ月前に初めて中村文則さんの作品を読み、どハマりしております。このエッセイで、中村さんの22年間と「覚悟」を知ることができました。笑ったり、頷いたり、考えたり、読み応えのある大満足な1冊でした。そして、勇気を持つことができました。
親愛なるあなたへ
カンザキ イオリ 著
★2024.07.23 初め曲を知った状態で本を読み、そのあと曲を聞くと印象が変わります。またそのあと本を読み返すと別の捉え方もできます。曲を作っているカンザキさんならではの表現が詰め込まれていて、すごくいい本です!
俺の残機を投下します
山田 悠介 著
★2024.07.16 文の構成もしっかりとしていてとてもいいと思いました。さらに、登場人物の感情を表すのもうまくて、読んでいるとき思わず泣いてしまいました。
近現代詩歌
池澤 夏樹/穂村 弘/小澤 實 選
★2024.07.16 帯に「むずかしいという先入観を一掃する」。読んでみると、日夏耿之介、吉岡実、入沢康夫…「むずかしい」ものは、理解できる(なかなか理解できなくても、いつか理解できる)現実の科学であるとすれば、ここにある詩は、いつまでも人間には理解できない永遠の謎である。おそろしい呪文だ。「むずかしい」のではなく、わかることは不可能なのだ、と発見すれば、のめりこんで読めるけれど、他の人に推奨できるものなのか。詩の読者は少ないほうがいいらしい。怪異の喜びが過激すぎる…
あの夏が飽和する。 ―全文朗読付き完全版―
カンザキ イオリ 著
★2024.07.16 文庫化する前から楽しみにしてました!こんな有名な声優さん方が朗読しているのに6300円って安すぎます!クソ大事にします!
ジョン・レノン 失われた週末
メイ・パン 写真・文 山川 真理 訳
★2024.07.15 旧版も買いましたが、映画公開に合わせての新装版となれば、買わないわけにいきません。本書は、いわゆるアイドルやスターの写真集ではなくて、発表されることを意識していない、言わば「素顔のジョン・レノン」に触れられるプライベート・アルバムみたいなものなのでしょう。私はつい先日、『マインド・ゲームス』の再発盤も買いましたが、個人の想いを吐露した楽曲が多く、その意味では本書と対をなしたアルバムと言えます。「人間、ジョン・レノン」は、やはり、どこまでも深く魅力的ですね。
5分後に幸せなハッピーエンド
エブリスタ 編
★2024.07.10 どの話にも感動してしまい、涙が止まりませんでした。家族の愛や、友情、大切な人を思い出すことが出来る作品だと思います。
くもをさがす
西 加奈子 著
★2024.07.03 はじめまして
この本は、私が高熱でなかなか退院できずにいたとき、友人が持ってきてくれました。
去年の9月に卵巣がんの告知を受け、ステージ4bで手術、抗がん剤治療中になります。
免疫力が落ちて、感染し今は抗がん剤を一時やめざるをえない状況です。
本を読み進めるにつれて、驚くことばかり
西さんのお誕生日は私と1日違い
バンクーバーに住んでいたこと。
子育てしていたこと。
母の名が同じだったこと。
何か運命を感じました。
バンクーバーの印象は私とは違った印象でしたが、よくも悪くもやはり自分できり開いていくものだと思いました。
西さんの考え方や周囲の人たちとの関係、感謝。
共感と感心を致しました。
これからつきまとってくるであろう再発に対しても心の持ちよう
勇ましく楽しく歩んで行こうと思いました!
あの夏が飽和する。
カンザキ イオリ 著
★2024.07.01 「あの夏が飽和する」は学校の図書室で知ってすぐに借りました。現在中学生の私にはすごく刺激的な物語でした。セリフ、というか言葉がひとつひとつ突き刺さりました。武命くんの言葉が特に辛さ、悲しさ、憎しみなどが伝わってきて泣いてしまいそうでした。曲もこの作品も何度も聞いています。本を読んでから曲を聴くとより泣けてきます。歌詞の「君は何も悪くないよ」は千尋さんが言っていたセリフなのでつながっていてなんか感動しました。情景描写もすごくて、感動しかないです。とても楽しく面白く読まさせていただきました。ありがとうございました。
5分後に泣き笑いのラスト
エブリスタ 編
★2024.06.28 どの作品も心にグッとくるものがありましたが、中でも思わず涙がこぼれたのは、青のキカさんの書かれた「鳩羽色の憂鬱」でした。読んでいく内に中学生だった頃の娘と私を思い出して涙が自然にこぼれていました。この作品は子供目線でも親目線でも心に響くと思います。是非オススメしたい作品です。
くもをさがす
西 加奈子 著
★2024.06.06 西さんの新刊だ!と読み進めてる途中私にも西さんと同じ癌が見つかりました。神様に世の中の端っこへ、静かにおかれてしまったような気持ちになり、病気になってしまった自分のことが、許せなく嫌になったしまいました。でも、
読み進めていくうちに、手術、再建、治療の不安が解消されていきました。また、世の中に戻って来れたような気持ちでした。再建はしない選択を自分で決め、全摘の傷跡もがんばった証としてかっこいい自分と思えるようになりました。それでも、気持ちがもたなくなった時、読み返して元気をもらっています。
西さん、ありがとうございます!
白い薔薇の淵まで
中山 可穂 著
★2024.06.04 久しぶりに中山可穂さんを読みましたが、やっぱりいいです。狂おしい恋愛を書かせたら天下一品!
昔、「花伽藍」「弱法師」なども大好きでした。ぜひ全作品、文庫で復刊させてください。エッセイもすばらしいですよ。
あなたの体は9割が細菌
アランナ・コリン 著 矢野 真千子 訳
★2024.06.02 本書で21世紀病としてとりあげらている各種自己免疫疾患、自閉症、肥満や糖尿病に腸内細菌叢が大きな影響を与えていることを知り、自分の食生活や人生を見直す契機になりました。
歯科治療で、患者さんに抗生物質を投与する際に、本当にそれが必要かどうかを考え、マイクロバイオ―タの多様性を維持するための食物摂取の注意点を書いたリーフレットを同時に手渡すようになりました。
このような貴重な書籍を新書版で読めるようにしてくれた御社に感謝します。
出張先でなにげなく購入した本書が、これほど強い影響を自分に与えるとは思いませんでした。
佐藤史生 傑作短編集 夢喰い
佐藤 史生 著
★2024.06.02 A5判の美しい印刷で、佐藤史生さんの作品を読めるなんて。総特集出版、原画展開催、関係された方々にお礼を申し上げます。初めて出会った作品『金星樹』どの場面も覚えています。展覧会で原画も見られました。巻末の同人誌時代の作品収録も嬉しいです。
総特集 佐藤史生
佐藤 史生 著
★2024.06.02 佐藤史生さんの特集本が読めるなんて、夢のようです。貴重な企画に感謝します。吉祥寺で開催の原画展では、描かれた時間や思いがとどまっていると思わせる、美しい原画も見ました。次の世代に伝えたい作品群です。
あいうえオノマトペ
石上 志保 著 赤池 佳江子 絵
★2024.05.27 3語文を話し始めたので、
この本をみた時、あっこれでまた語彙が広がるかも。と考え、オノマトペの本も見せてみようかと思い図書館で手に取りました。
1歳8ヶ月なのですが、とても興味を示し、
1日に何度も見ています。
その中のイラストも大きく、パッと見て意味が娘にもわかりやすい様です。
復唱して音も楽しんでおり、この本凄いなぁと感心しました。普通の本では最初からは復唱しないので、やはりオノマトペの音が面白いのではないでしょうか。
気に入っている様なので返却した後買ってあげたくなっています。
素敵な本ありがとうございます!