単行本 46 ● 216ページ
ISBN:978-4-309-24824-0 ● Cコード:0047
発売日:2017.09.26
定価1,760円(本体1,600円)
×品切・重版未定
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誤解にさらされている「発達障害」を現場の第一人者が初歩的な解説にはじまり治療の方法、法令や雇用の問題まで幅広く丁寧に説明する入門書の決定版。
最近よく耳にすることが多くなった「発達障害」。少し前までは子どもたちに対して使う「発達障害」という言葉は、ときに「発達」だね、といった言葉で聞くこともあります。どこか差別的な意味にとっている人たちもいます。実際、なんだかよくわからないうちに言葉だけがひとり歩きをしているような気もします。
近頃では子どもだけではなく、「大人の発達障害」もニュースで取り上げられることが多くなり、社会で起こっていることすべてを発達障害で説明しようとする動きもあります。実際、女性の悩みや職場で起こっているトラブル、夫婦間の問題についてもその問題の解決のキーワードとして「発達障害」が使われるようになっているのではないでしょうか。
発達障害は、子どもが発達していく過程のどこかに問題が生じてくることを指しています。さらに、精神病的な症状ではなく、認知(理解をして行動する過程)に問題があり、日常生活・学校生活上に問題が生じている状態と考えればわかりやすくなります。とはいえ、なかなか理解しにくい「発達障害」という言葉の意味、その全体像をわかりやすくまとめたものが本書です。
前述のように、現在は子どもだけの問題として語られることなく、男女や大人も含め、暮らしの中で感じる生き難さを理解するため、子どもの発達過程の解説から、大人の発達障害、さらに発達障害から生じる二次障害の問題や、夫がアスペルガーであるために、妻の生き難さが生まれるカサンドラ症候群、これから社会や企業が取り組んでいかなければならない大きな課題まで、「発達障害」の周囲に起こっているすべての問題を理解し、解決の第一歩を踏み出すための基本的な情報がぎっしりと詰まっています。 -
第1章:ADHD、ASD、LDは認知の偏りと特性
発達障害の原因と認知の特性-育児法や環境のせいではない
自閉症スペクトラム障害(ASD)とは何か
注意欠陥/多動性障害(ADHD)とは何か
学習障害(LD)とは何か
幼児期に発達障害とわかる子どもの特徴―発達の特性は生後すぐにはわからない
第2章:発達障害の診断を受けたら親はどうする?
行動が「おかしいな……」と思ったらどこに相談する?
発達障害と診断がつく基準はどこにあるのか
発達障害の診断基準「DSM-5」とは何か
発達障害と診断されて親が考えなければならないこと
第3章:男の子と女の子、乳児期から思春期までの発達障害
発達障害の男の子に目立つ行動
発達障害がわかりにくい女の子の特徴的行動
ADHDの子どもへの基本的な対応は?
ASDの子どもへの基本的な対応は?
思春期の発達障害への基本的な対応の仕方
心と体の変化に加え、社会的にも暮らしにくくなる
女の子の発達障害の配慮と対応の仕方
第4章:青年期から大人の発達障害
進学をするときに気をつけなければならないこと
就職するうえで注意しておきたいこと
二次障害でうつに陥る大人の発達障害
第5章:発達障害の夫と暮らす妻の問題
発達障害の夫の特徴
発達障害の夫との暮らしで起こるストレス
第6章:整備される法律や変化する社会
2005年に施行された発達障害者支援法の背景
2016年施行の障害者雇用促進本の背景
第7章:企業で新しく始まった発達障害者雇用の最前線
50人以上雇用する事業所が気をつけなければならないこと
発達障害者雇用に対する大企業の変化
多様化の時代とともに変化する雇用環境
著者
宮尾 益知 (ミヤオ マストモ)
東京生まれ。徳島大学医学部卒業、東京大学医学部小児科、自治医科大学小児科学教室、ハーバード大学神経科、国立成育医療研究センターこころの診療部発達心理科などを経て2014年にどんぐり発達クリニックを開院
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