シリーズ: 
  1. 文藝

雑誌

ブンゲイニセンジュウハチネントウキゴウ

文藝 2018年冬季号

雑誌 A5 ● 680ページ
発売日:2018.10.06

定価1,430円(本体1,300円)

×品切・重版未定

  • 【第55回文藝賞発表】受賞作=日上秀之「はんぷくするもの」・山野辺太郎「いつか深い穴に落ちるまで」/選考委員=磯﨑憲一郎・斎藤美奈子・町田康・村田沙耶香【小説】高山羽根子ほか

  • 【創作】
    赤坂真理「箱の中の天皇」(168枚)
    『東京プリズン』から六年、退位の謎に迫る衝撃の小説!――母と訪れた横浜のホテルでマッカーサーの幽霊と出会った私は、隠し持った謎の“二つの箱”を守るべく立ち上がる……天皇とアメリカと家族を問う!

    高山羽根子「居た場所」(147枚)
    誰もいない、でも、誰かはいる。存在しない地図のあわいにうごめく、私たちの物語。――話題作『オブジェクタム』の著者がおくる、新感覚のロード・ストーリー。

    牧田真有子「土鍋川鮎子の愛と推理」(119枚)
    その“密室”は誰のもの?――限りなく魚に近い名前を持つ「私」の夢は、探偵になること!? 人は名前で殺せるのか? いま五十年の時を遡り「密室殺人」の謎に鮎子が挑む!

    【第55回文藝賞発表】
    [受賞作]
    日上秀之「はんぷくするもの」(132枚)
    毅(つよし)、三十代独身、自営業、資格ナシ、友だちひとり。――失った者と失わなかった者がともに生きる沿岸の赤街。タタミ十畳の仮設店舗の商店を老いた母と営む毅はついに、客の古木さんが払わないツケの金額3,413円の取り立てを決意した。震災後の日常に新たな視座を拓く、驚異の新人誕生!

    山野辺太郎「いつか深い穴に落ちるまで」(213枚)
    人類は、地球を貫く穴を通れるのか? 日本―ブラジル間・直線ルート開発計画、堂々開始――「どんな技術で穴を掘るというんだ?」「温泉を掘る技術です」――終戦直後に国主導で開始された極秘土木プロジェクト。広報係の鈴木一夫がサラリーマン人生を賭けて記し続けたものとは? 日本社会のシステムが大胆不敵に活写される!

    [受賞記念対談]
    町田康×日上秀之「困難を生きる倫理」
    磯﨑憲一郎×山野辺太郎「百年前の作家から励まされる仕事」

    [選評]
    磯﨑憲一郎「真顔で書き切る」
    斎藤美奈子「仮の不安、穴の野蛮」
    町田康「選評」
    村田沙耶香「新しい「問い」との出会い」

    受賞の言葉/選考経過/第56回文藝賞応募規定

    【新発見】
    唐十郎 幻の第一作
    青年はいつ、「作家・唐十郎」になったのか? その始まりの謎に迫る新発見!
    小説「懶惰(らんだ)の燈籠」(42枚)
    シナリオ「幽閉者は口あけたまま沈んでいる」(64枚)
    解説=樋口良澄「〈唐十郎〉へ、初源への遡行」

    【小説】
    浅倉卓弥「黒夜叉姫」
    小谷野敦「さようならコムソモリスカヤ・プラウダ」
    佐々木譲「反復」
    藤田貴大「綿毛のような」

    【エッセイ】
    はらだ有彩「王子様と私たちのハッピーエンド」
    「白馬の王子様」とは一体誰だったのか? 物語の中の彼らの声に耳をそばだて、私たちを縛る予定調和を問い直す。

    【特別対談・鼎談】
    [特別対談]
    高橋源一郎×尾崎世界観「偽物の小説家」
    「僕は小説家のふりをしているけど小説家ではない」――小説の本質、それは「究極の偽物」であること。孤高の作家と稀代のミュージシャンが語り尽す、〈表現〉の本質!

    [映画『銃』公開記念鼎談]
    中村文則×奥山和由×武正晴「「本物」の映画」
    映画でなければできない感動がある――中村文則衝撃のデビュー作『銃』が一六年の時を超えて奇跡の映画化! 原作者×プロデューサー×監督による「運命」というべき映画誕生秘話が語られる。

    【短期集中連載】
    羽田圭介「ポルシェ太郎」後篇

    【連載完結】
    絲山秋子「夢も見ずに眠った。 沙和子さん、行っておいで」

    【新連載】
    木下古栗「メルカリ」
    もしかしたら、一目惚れかもしれない――食欲の秋、運動の秋、そして芸術の秋。子育てを終えた若々しい熟女が出会う、聖なるエロス……。

    【連載小説】
    李龍徳「あなたが私を竹槍で突き殺す前に」第二回
    宮内勝典「二千億の果実」第四回
    新堂冬樹「1830」第四回
    最果タヒ「パパララレレルル」第六回
    津原泰水「夢分けの船」第十回
    恩田陸「灰の劇場」第二十回
    町田康「ギケイキ」第二十三回

    【連載】
    山本貴光「季評 文態百版」二〇一八年六月〜八月
    湯川豊「大岡昇平論」第八回 漱石、鷗外、そしてスタンダール
    高橋源一郎「一億三千万人のための「論語」教室」第十二回
    横尾忠則×保坂和志×磯﨑憲一郎「アトリエ会議」二〇一八年八月三十一日

    【書評】
    高橋源一郎『今夜はひとりぼっちかい?』[評者]東浩紀
    俵万智『牧水の恋』[評者]田村文
    町屋亮平『しき』[評者]大塚真祐子
    村田沙耶香『地球星人』[評者]上田麻由子
    李龍徳『愛すること、理解すること、愛されること』[評者]桜庭一樹
    高山羽根子『オブジェクタム』[評者]深緑野分
    水原涼『蹴爪(ボラン)』[評者]奥野克巳
    倉数茂『名もなき王国』[評者]陣野俊史
    ケイト・ザンブレノ/西山敦子 訳『ヒロインズ』[評者]王谷晶
    石田香織『哲司、あんたのような人間を世の中ではクズと呼ぶんやで』[評者]倉本さおり
    谷崎由依『鏡のなかのアジア』[評者]くぼたのぞみ
    福尾匠『眼がスクリーンになるとき』[評者]山本浩貴

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