読者の声


シリーズ: 
  1. 文藝
文藝 2019年冬季号

雑誌

ブンゲイ2019ネントウキゴウ

文藝 2019年冬季号

定価1,485円(本体1,350円)

この本に寄せられた“ 読者の声 ”です。

★2021.12.15   こちらに掲載されている山野辺太郎「孤島の飛来人」を何度も読み返しています。
デビュー作『いつか深い穴に落ちるまで』の楽観的で笑いをさそう出だしから一変して、本作は冒頭から切羽詰まったトーンが配され、どこか不穏でせつない雰囲気が漂います。
人類が「風船で飛行する」という奇抜な着想と温かいユーモアは健在ですが、二重の生を生きる男の葛藤と、うつくしい島の描写や人々の交感のあり方に心が震える作品です。
終わらない「戦後」を未来に向けてひらいた小説としてもすばらしいだけに、雑誌でしか読めず、読者の手に届きにくいのは残念です。
御社HPにも掲載のとおりテレビ番組でも紹介され、多くの方が山野辺太郎を知りたがっている今、単行本化を強く願います。

愛知県 金環日食 さん 40歳 女性