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単行本

フユノタビウインタータイムヴォヤージュ

冬の旅 Wintertime Voyage

桜井 鈴茂

単行本 46変形 ● 164ページ
ISBN:978-4-309-02016-7 ● Cコード:0093
発売日:2011.01.19

定価1,650円(本体1,500円)

×品切・重版未定

  • 東京郊外の町・東美園。例の惨殺事件が起こった年、古橋君は失踪して時限爆弾が見つかって、俺の前から2人の女が消えて楢崎が現れた――曽我部恵一、中原昌也、石川忠司各氏絶讃の注目作。

著者

桜井 鈴茂 (サクライ スズモ)

1968年、北海道生まれ。職歴多数。2002年、「アレルヤ」で朝日新人文学賞受賞。著書として『アレルヤ』『終わりまであとどれくらいだろう』『女たち』。

読者の声

この本に寄せられた読者の声一覧

二度読みました。最初は一月の終わり頃、二度目は先週。震災後の方がよりいっそう身に迫ってくるものがありました。それはきっと、この小説の登場人物たちがある種の「震災後」を生きているからだと思います。ダメージの受け方は登場人物によってまったく違いますが、それもそのまま現在の日本の状況に置き換えられます(ラストシーンで、フランスに移住したはずの女友達が、ばかに明るい調子で現れるのも、妙にリアルでした)。要するに、この小説は、誰かの貧窮や苦悩や悲しみが、もはや他人事では済まされなくなった「現代」を描いていると思うのです。そのことに気づいた途端、最初の時はサラッと読み流していた部分も、例えば、コンビニでの横柄な客とのやりとりや、どこにでもあるような郊外の住宅街の描写などが、急に立体的になって眼前に立ち現れ、あらためて戦慄と感動を覚えました。今こそ、もっと多くの人に読んでもらいたい小説です。 (逢坂篤志 さん/38歳 男性)

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