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天皇・維新・日本人

単行本

ミシマユキオヴァーサスシバリョウタロウ

三島由紀夫vs.司馬遼太郎

戦後精神と近代

山内 由紀人

単行本 46 ● 304ページ
ISBN:978-4-309-02051-8 ● Cコード:0095
発売日:2011.07.19

定価2,640円(本体2,400円)

×品切・重版未定

  • 一見、真逆の立場に見える両者。だが、幕末から大戦、戦後の不毛に対して、問題意識を共有していた。細かく2人の交錯を追い、日本とは何かを探る。

  • 序章 戦後日本の光と影――三島由紀夫と司馬遼太郎
    二人の文学的出発/戦争と敗戦/蓮田善明と三島由紀夫/戦後社会への苛立ち/座談会「敗者復活五輪大会」

    第一章 映画『人斬り』と司馬遼太郎――岡田以蔵と武市半平太
    二人の六〇年代/『人斬り以蔵』の物語/三島由紀夫の田中新兵衛/暗殺の系譜/二人の「小説作法」/三島由紀夫「維新の若者」と桜田門外の変/司馬の絶筆

    第二章 映画『人斬り』と三島由紀夫――田中新兵衛と永井尚志
    『人斬り』の撮影現場/スーパースター三島由紀夫/西南戦争と増田宋太郎、福沢諭吉/影山正治『日本民族派の運動』/三島の曾々祖父 永井尚志/姉小路公知暗殺事件/天狗党の乱と二・二六事件

    第三章 反逆と理想と行動――林房雄『青年』をめぐって
    美と死とエロティシズム/司馬遼太郎『死んでも死なぬ』/転向と革命/政治への絶望/パトリオットの救国と再建の情熱

    第四章 政治と文化と美学――「天皇無答責論」と「天皇無謬説」
    司馬の天皇観――明治憲法と統帥権/三島の「憲法改正草案」/菊と刀/二・二六事件と恋闕の情/『葉隠』の世界/赤い大儀――『剣』と『奔馬』

    第五章 一七、天に誓って輔国に擬せん――河井継之助をめぐって
    陽明学の系譜/島崎藤村『夜明け前』/詩への飛躍/王陽明「致良知説」/気質と思想/美と狂に生きる/村上一郎「北越戦争と河井継之助」/美しく死ぬことの幸福

    第六章 もう一つの〈燃えよ剣〉――土方歳三をめぐって
    幕末の武士道/土方歳三と乃木希典/新選組の任侠的武士道/剣の思想

    第七章 幻に生き、幻に死す――林桜園と神風連の乱
    林桜園の神道思想/神風連の行動哲学/天と地を結ぶ行為

    第八章 武士道・陽明学・仏教――吉田松陰と空海
    大和魂と仏教/空海『三教指帰』/司馬の仏教観/二つの現実――作品世界と現実世界/密教と孔雀明王経/時間を止めても輪廻がまつてゐる」/松陰と河井継之助の死/帰太虚と涅槃

    第九章 輪廻と心と太虚――大塩平八郎と西郷隆盛
    無我の流れと空観/大塩と西郷の神秘的体験/西郷の陽明学的気質

    第十章 生の始めに暗く――三島由紀夫の死と司馬遼太郎
    日露戦役 戦死者の弔祭/『独楽』の世界/『蘭陵王』の物語/司馬遼太郎「異常な三島事件に接して」/文学論的な死/輪廻の死

    あとがき――歴史と物語をめぐる精神史

    参考文献

著者

山内 由紀人 (ヤマウチ ユキヒト)

1952年、東京生まれ。文芸評論家、三島由紀夫研究家。「高橋たか子論」で群像新人賞評論部門授賞。著書に『三島由紀夫の時間』など。

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