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2017年ノーベル物理学賞受賞! “重力波検出”

単行本

ジュウリョクデウチュウヲミル

重力で宇宙を見る

重力波と重力レンズが明かす、宇宙はじまりの謎

二間瀬 敏史

受賞
全国学校図書館協議会選定図書

単行本 46 ● 212ページ
ISBN:978-4-309-25374-9 ● Cコード:0044
発売日:2017.10.20

定価1,650円(本体1,500円)

×品切・重版未定

  • アインシュタインが予言した2つの奇妙な現象、重力波と重力レンズ。両者を用いた観測で、暗黒エネルギーの正体や宇宙の起源の謎に迫る様子を、最前線の研究者がやさしく紹介する。

    2017年9月、ノーベル物理学賞を「重力波検出」が受賞。
    人類は、ようやく138億年前、宇宙誕生の瞬間にさかのぼる方法を手に入れた−−!

    アインシュタインが自ら作った相対性理論を元にして「重力波」の存在を予言してから、ちょうど100年後の2016年2月、ついに重力波が検出されたことが発表されました。それからたった1年半後にノーベル賞が授与されたことは、重力波初検出がどれだけの偉業であったかを裏づけるものです。

    重力波は、ブラックホールのような非常に強い重力を持つ天体が衝突・合体する時などに生じるエネルギーの波です。重力波をとらえたことも偉業ですが、重力波検出の意義は、それにとどまりません。今後は、重力波を観測することで、光ではけっして見えない天体や宇宙の現象を「見る」ことができます。たとえば、宇宙誕生直後に生まれた「原始重力波」を観測すれば、私たちは今から約138億年前に生まれた超ミクロの宇宙の様子を知り、宇宙創成の謎に迫れるのです。

    同じくアインシュタインが相対性理論を元に予言したものが「重力レンズ」です。銀河など非常に
    重い天体の重力がレンズのような役割をして、背後の天体からの光の進路を曲げるために、天体の像が複数に見えたり、像が明るくなったりするのが重力レンズです。この現象を応用すると、たとえば、宇宙の構成要素の95%を占める「暗黒物質」と「暗黒エネルギー」という謎の物質やエネルギーの分布や性質を調べ、その正体に迫れると期待されています。

    重力波と重力レンズという2つの重力現象は、いったいどんなものか。重力波や重力レンズで宇宙を「見る」と、宇宙のどんな謎が解き明かされるのか。

    本書では、重力波と重力レンズの基本知識から最先端の研究動向までを、初歩からていねいに紹介
    します。著者の二間瀬教授は、重力波をテーマにして博士論文を書き、その後は重力レンズを使った観測的・理論的研究に取り組んできました。著者の研究エピソードも織り交ぜながら語られる、「宇宙はじまりの謎」に挑む科学者たちの冒険譚をお楽しみください。

  • 【もくじ】

    第1章 物理学の金字塔・重力波初検出のすごさ
    第2章 そもそも重力とは何か
    第3章 すでに「発見」されていた重力波
    第4章 重力波の観測の歴史
    第5章 これからの重力波観測
    第6章 重力波が答える宇宙の謎
    第7章 重力レンズとは何か
    第8章 重力レンズ研究の歴史
    第9章 暗黒物質と暗黒エネルギーが支配する宇宙
    第10章 重力レンズで見る「宇宙のダークサイド」

著者

二間瀬 敏史 (フタマセ トシフミ)

1953年生。京都産業大学理学部教授。京都大学理学部卒業、ウェールズ大学カーディフ校博士課程修了。専門は一般相対性理論、宇宙論。暗黒物質や暗黒エネルギーの重力レンズを用いた観測的・理論的研究に取組む。

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