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単行本

アナタガウマレテクルマデノハナシタイジノカガク

あなたが生まれてくるまでの話 胎児の科学

カタリーナ・ヴェストレ

安田 容子

受賞
全国学校図書館協議会選定図書

単行本 46 ● 192ページ
ISBN:978-4-309-25397-8 ● Cコード:0040
発売日:2019.06.06

定価1,650円(本体1,500円)

○在庫あり

  • いま、あなたはお腹の中にいる……そこでは何が起きているのだろう? 受精から出生まで、あなたが知らない「あなた自身」の不思議で神秘的な最初の物語。世界18か国でベストセラー!


     お母さんのお腹の中にこんな不思議な生き物がいる。それがいったいどうやって、私になったの? その疑問、私という生命が生まれた不思議、つまり原題の「最初のミステリー」を解明しようと追い求めたストーリーが、「私」だけでなく、この本を読む「あなた」にも誰にでも当てはまる話になったのだ。
     そして、それこそが、本書が広く好評を博しているもう一つの大きな点であり、とくにこれまでにない本書ならではの新しい視点なのである。それは、「あなた自身に起きていた話」ということである。……
     著者は、胎児が成長する過程は、「それはあなたの話なのですよ」「あなたは今、この時期ではこうなっているのですよ」と、わかりやすい言葉で説明する。だから、いやがおうでも読者は自分の姿を想像して話に引きつけられてしまうのだ。

     一つの小さな受精卵が胎児へと成長し、外界の空気を初めて吸うまでの物語!
    たった一個の細胞が分裂を繰り返し、管になり、袋になり、折れ曲がり、しかるべき臓器になり、やがて37兆個に増えて私たちの体ができあがる。驚いたことに途中で消滅する細胞さえある。しかも、どこからか付け足される細胞は一つもない。私たちの体はまるで一筆書きのようにしてできあがっているのだ。その過程は誰からの命令もなく、細胞どうしが会話を交わしつつ次々と任務をこなしていく。……生命が誕生する不思議、奇跡に、感動せざるをえない。本書は、あなたが今、この時代、この場所に生きている不思議、あなたという存在の謎を解き明かすことにつながる。  本書「訳者あとがき」より

    著者
    カタリーナ・ヴェストレ  Katharina Vestre
    1992年、ドイツのザールブリュッケンで生まれ、2歳の時にノルウェーのオスロ郊外に移り、オスロ大学で生化学修士号を取得した。現在は、オスロ大学の博士課程で生命科学を専攻する研究員である。研究テーマは細胞生物学における細胞移動で、免疫細胞とがん細胞が体内をどのように動き回るかについて最新のマイクロスコープ技術や生化学的手法を用いて研究しており、細胞骨格が細胞の輸送系にどのようにつながっているのかも研究テーマにしている。本書は、まだ20代の著者の処女作である。挿絵は、1歳下の妹、リネア・ヴェストレ(Linnea Vestre)が描いた。オスロ国立芸術大学卒のイラストレーターで、何冊もの本の挿絵を描き、パリやベルリンで開かれた企画展にも出品している。

    訳者
    安田容子(やすだ・ようこ)
    国際基督教大学卒。新聞記者、フリーランスライターを経て翻訳者。女性誌や週刊誌で、不妊治療や代理母出産のルポルタージュ、妊娠や出産、女性の生き方などについての翻訳、介護問題についてシリーズでコラムを執筆。言語障害者の社会参加を支援するNPO法人和音の理事。訳書に『精子戦争』(ロビン・ベイカー著、秋川百合訳、河出書房新社刊)。

  • 目次
    競 争
      生死を分ける精子の旅  たった一つの卵子  融 合

    隠された宇宙
      ニワトリの実験と泥からカエルが生まれる話  精子の発見

    人間になるためのレシピ
      精子の中の遺伝情報  あなたを作る最初の四文字

    襲 撃
      生命をつなぐ胎盤  へその緒と妊娠診断  厳しい身元審査  子どもの細胞が母親を治す

    自然のクローンと見知らぬ双子
      一卵性双生児  産んだばかりのわが子の母親ではない  ヒトゲノム——遺伝子情報とは何か

    体の輪郭
      小さな皿  たくさんの細胞へ分化  臓器を作る  脳と心臓の誕生  血管を張りめぐらす  寿命と心拍数

    初心者のための細胞の会話
      会話が成り立つしくみ  蜜の味  細胞の働きは折り紙のように  心臓の完成  臓器が左右反対にある人

    ショウジョウバエを作り上げる芸術
      遺伝の実験に最適な昆虫  突然変異の遺伝子  大腸菌の活躍  遺伝子スイッチのオンとオフ  過去からの土産物

    海から受け継いだ宝物
      無駄な遠回り?  海から始まった生命三十八億年  顔が出来上がる  音が聞こえるしくみ  まったく同じ遺伝子

    皿の上の二つの手
      ビデオゲームや人形の名前  解釈の違い  指ができるまで  軟骨と骨格  宇宙飛行士の楽天的な骨

    男の子か女の子か
      X染色体とY染色体 「男になれ!」 精巣からのメッセージ  海底の着地点で性別が決まる  精子の袋

    秘密の準備
      動き回る腎臓  血液を濾過して尿に  破裂する風船としなびたレーズン  おっぱいを吸う準備

    脳の体内冒険
      自分探しの旅と世話人グリア細胞  大切なおしゃべり  扇のような巻きヒゲで道を選ぶ  目標物への接続

    感 覚
     味覚の成長  匂いの思い出  味の思い出  お母さんの声  母親の声を聴き分ける  目ができるしくみ  目と特別な遺伝子  見えなくても見える  発達の遅い視覚

    毛に包まれた過去
      人間に毛がなくなったわけ  ビタミンDと招かれざる客

    水から空気へ
      肺の成長  心臓の穴  肺の最後の仕上げ  低出生体重児  眠れ、良い子よ  胎児は夢を見るのか  熱を作る茶色の脂肪  まもなく出産

    終わり、または始まり
      カンガルーの小さな赤ちゃん  二足歩行と骨盤  出産の手助け  終わり——未熟な脳は出産を急ぐ  始まり——出産の合図  胎児の脳と出産 「まだよ」から「さあ出発だ」 ストレスホルモンの大活躍

著者

カタリーナ・ヴェストレ (ヴェストレ,C)

1992年ドイツ生まれ。2歳でノルウェーのオスロに移り、オスロ大学で生化学修士号取得。現在、オスロ大学博士課程で生命科学を専攻する研究員。専門は細胞生物学における細胞移動。

安田 容子 (ヤスダ ヨウコ)

国際基督教大学卒。新聞記者を経て、フリーランスライター、翻訳者。女性誌などで不妊治療や代理母出産のルポ、また妊娠、出産、ピル、女性の生き方などについての翻訳。訳書に『精子戦争』(河出文庫)。

読者の声

この本に寄せられた読者の声一覧

小学生のお子さんから、初めて妊娠をご経験されている女性、これからママになる人、皆さんに読んでいただきたいと思う本でした。でも、そのためには、ちょっとハードルが高いように感じました。こういう事をきちんと分かりやすく教えていただければ、今いるお腹の中の子供を愛おしく思い、喫煙や飲酒、薬や食品添加物などの化学物質に対し、とても気を使われるようになるのではないか。自殺を考える幼いお子さんにとっては、自分の命の大切さが伝わるのではないか。など色々考えました。大人の子供に対する虐待が騒がれている昨今、もう一度命の大切さを伝える本であると思いました。 (mihoobachan さん/65歳 女性)

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