ジャンル: 
  1. 哲学・思想・宗教 > 
  2. 哲学・思想

単行本

ヒトゴト

ひとごと

クリティカル・エッセイズ

福尾 匠

単行本 46 ● 280ページ
ISBN:978-4-309-23160-0 ● Cコード:0010
発売日:2024.11.19

定価2,750円(本体2,500円)

○在庫あり

  • すべて「じぶんごと」として考えることを迫られる時代に「ひとごと」そのものを思考する倫理を立ち上げる。気鋭の思想家がデビュー以来綴ってきた批評=エッセイが哲学へと結実する実践の書

    ◎伊藤亜紗氏推薦!
    何かに魅入られる。その魔法の時間を引き伸ばすことが批評であったような時代に、本書は終わりを告げる。いったん魅入られたならば、魔法が去ったあとの醒めた体が何事かを語り出す。本書はそのことを証明する。

    ◎内容
    何かを発言することが通販サイトの商品ページに足跡を残すことと大差なくなってしまったこの時代に、〈書く〉ことの意味はいかにして立ち上げなおされるのか――『非美学』の若き哲学者による渾身の批評=エッセイ集。書き下ろし序文と巻末の著者解題も必読!
    --
    道徳も真理も腐りきっているとしたら、いったいひとは何を拠り所にして生きていけばよいのか。そんなものはない。しかしそれはたんに人生の厳しさであるだけでなく、楽しさや喜び、あるいは優しさの条件であるだろう。雑多な文章が収められたこの本に通底するのは、「ひとごと」との距離のうちにある、そのようなポジティブな条件の探究である。――本文より

    ◎もくじ

    スモーキング・エリア#1 煙草と同じくらい分煙が好き
    100パーセントの無知の男の子と出会う可能性について
    非美学=義家族という間違った仮説をもとに
    ポシブル、パサブル――ある空間とその言葉

    スモーキング・エリア#2 音響空間の骨相学
    コントラ・コンテナ──大和田俊《Unearth》について
    プリペアド・ボディ――坂本光太×和田ながら「ごろつく息」について
    スパムとミームの対話篇

    スモーキング・エリア#3 僕でなくもない
    やさしさはひとにだれかのふりをさせる――大前粟生『私と鰐と妹の部屋』について感じたらこの法螺貝を吹いてください――『全裸監督』について
    異本の論理――アラン・ロブ=グリエ『ヨーロッパ横断特急』について
    絵画の非意識――五月女哲平の絵画について
    失恋工学概論

    スモーキング・エリア#4 時間の居残り
    見て、書くことの読点について
    テーブルクロス・ピクチャープレーン――リー・キット「僕らはもっと繊細だった。」展について
    日記を書くことについて考えたときに読んだ本――滝口悠生『長い一日』について
    ひとんちに日記を送る
    Tele-visionは離れて見てね
    画鋲を抜いて剝がれたらそれは写真――迫鉄平「FLIM」展について
    ジャンルは何のために?――絵画の場合(千葉正也、ロザリンド・クラウス、本山ゆかり)

    スモーキング・エリア#5 痛み、離人、建て付けの悪い日々
    長続きしないことについて
    「新実在論」はどう響くのか――『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』について
    思弁的実在論における読むことのアレルギー
    廣瀬純氏による拙著『眼がスクリーンになるとき』書評について
    映像を歩かせる――佐々木友輔『土瀝青asphalt』および「揺動メディア論」論
    〈たんに見る〉ことがなぜ難しいのか――『眼がスクリーンになるとき』について

    初出一覧・解題

    挿画=本山ゆかり《Ghost in the Cloth(コスモス)》2019年
    装丁=須山悠

著者

福尾 匠 (フクオ タクミ)

1992年生まれ。哲学者、批評家。博士(学術)。著書に『非美学』、『眼がスクリーンになるとき』、『日記〈私家版〉』、共訳書にアンヌ・ソヴァニャルグ『ドゥルーズと芸術』がある。

この本の感想をお寄せください

本書をお読みになったご意見・ご感想などをお気軽にお寄せください。
投稿された内容は、弊社ホームページや新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。
※は必須項目です。恐縮ですが、必ずご記入をお願いいたします。
※こちらにお送り頂いたご質問やご要望などに関しましては、お返事することができません。
あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちら




 歳