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河出文庫 文庫 ● 288ページ
ISBN:978-4-309-41833-9 ● Cコード:0121
発売日:2021.08.06
定価1,034円(本体940円)
○在庫あり
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本当に明治維新は「希望」だったのか? 開明的とされる新政府軍は、実際には無法な行いで庶民から嫌われていた。当時の「風刺錦絵」や旧幕府軍の視点を通して、「正史」から消された真実を明らかにする!
《新政府軍こそが時代錯誤だった!》
平和的解決の拒否、庶民の軽視、文化の破壊……「開明的」とは名ばかりの蛮行を暴く!
明治維新は日本に輝かしい「近代」をもたらした革命とされている。
しかし、明治新政府軍は無法な行いで庶民から嫌われていた。
江戸の世を全否定して、自らの「イメージ戦略」に力を注いだ新政府の実態とはいかなるものだったのか?
気鋭の思想史家が、当時の「風刺錦絵」などの史料や旧幕府軍の視点を通して、「正史」では語られることのない真実を明らかにする! -
【目次】
はじめに 「江戸の世」の無念を晴らす
第一章 新政府軍の暴挙と庶民の反応
第一節 無法の新政府軍
第二節 庶民の思いを表した風刺錦絵
第三節 天皇を抱え込んだ新政府軍――戊辰戦争と江戸の風刺錦絵①
第四節 江戸城無血開城――戊辰戦争と江戸の風刺錦絵②
第五節 東北戦争開始後――戊辰戦争と江戸の風刺錦絵③
第二章 新政府軍に立ち向かった人々
第一節 私欲を剝き出しにした新政府軍
第二節 河井継之助と長岡藩――「武装中立」という理想
第三節 松平定敬と桑名藩――藩主不在に翻弄された藩士たち
第四節 松平容保と会津藩――戊辰戦争最大の惨劇
第五節 最後まで負けなかった庄内藩
第三章 旧幕府軍から眺めた明治維新
第一節 江戸の町と民を守った勝海舟――幕末の三舟①
第二節 新政府軍に堂々と対峙した山岡鉄舟――幕末の三舟②
第三節 陰の立役者、高橋泥舟――幕末の三舟③
第四節 私欲を極限まで抑え込んだ榎本武揚
第五節 「非戦」で一貫していた徳川慶喜
第四章 明治政府のイメージ戦略と「三傑」の実像
第一節 「旧き悪しき」幕藩体制と「輝かしき」新政府
第二節 「五箇条の誓文」と木戸孝允――維新の三傑①
第三節 権力欲に取りつかれた大久保利通――維新の三傑②
第四節 戦好きの西郷隆盛から「上野の西郷さん」へ――維新の三傑③
第五節 「近代=明治」というイメージを完成させた伊藤博文
第五章 最大の思想的問題「攘夷」の行方
第一節 新政府の「師」玉松操の慨嘆
第二節 「討薩檄」が指弾した新政府の攘夷
第三節 神戸事件と堺事件――新政府の卑屈な外交
第四節 濫用された大国隆正の「大攘夷」思想
おわりに 切断された歴史を繫ぎ直す
主要参考文献
著者
森田 健司 (モリタ ケンジ)
1974年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、大阪学院大学経済学部教授。専門は江戸の社会思想史。『江戸の瓦版』『西郷隆盛の幻影』『江戸暮らしの内側』など著書多数。
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