アンジェラ・カーター (カーター,A)
1940年英国南部サセックス州生まれ。現実と非現実、日常と夢が交叉する世界を、華麗な文体で構成していくその作風は、イギリス幻想文学の豊かな土壌を受け継ぎながら、ラディカルにその枠組みを超えていく。1966年に第一作の『シャドウ・ダンス』を発表、翌年、第二作『魔法の玩具店』でジョン・ルーウェリン・リース賞受賞、カーター自身の脚本により映画化された。1968年、第三作の『感じたこと』でサマセット・モーム賞受賞、その賞金で二年間日本に滞在する。銀座のバーに勤めるなどその折のユニークな体験はエッセイ集にまとめられた。その他カーターの創作活動は、民話や伝説の書き換え、劇や映画、ラジオ、テレビの脚本、創作オペラなど、多種多様なジャンルに及んでいる。1984年『夜ごとのサーカス』、そして1991年『ワイズ・チルドレン』を発表後、健康を害し、翌年1992年に死去した。