ファトゥ・ディオム (ディオム,ファトゥ)
1968年、セネガルのサルーム諸島にあるニオディオル島に生まれる。非嫡出子だったため祖父母に育てられ、村社会から差別を受ける。13歳で島を出て、受け入れ家庭の家事をしたり市場で働いたりしながら中学・高校に通う。バカロレアをとって首都ダカールで大学に進学、在学中にフランス人と知り合い結婚する。1994年、夫の故郷ストラスブールに住み始めるが2年後に離婚。高学歴でも黒人の彼女はなかなか職につくことができず、家政婦やベビーシッターをしながら、大学での研究と執筆をつづける。2001年、処女短編集"Preference Nationale"(『国民優先』)で作家デビュー、2003年には初の長編である本書を発表、たちまちベストセラーとなる。ストラスブール在住。現在、ストラスブール大学で博士論文を執筆中。