アブラハム・B・イェホシュア (イェホシュア,A・B)
1936年、エルサレムに生まれる。イスラエル・ヘブライ文学を代表する作家。ノーベル賞候補にもあげられている。父は中東歴史の研究家、母はモロッコからの移民。大学卒業後、高校やパリで教職につき、67年からハイファ大学文学部でヘブライ文学と比較文学を教え、現在は名誉教授。良心的左派としての論客でもある。作品集『老人の死』『森に向かって』『1970年--夏に』などを発表ののち、70年代後半から長編に移行、『愛人』『モルフォ』『マニ氏』『千年紀末への旅』と、ゆっくりだが着実なペースで作品を発表し、常にベストセラー上位にランクされるほど確かで幅の広い読者層を持っている。政治エッセイに『権利と権利の狭間で』、アラブ人作家アントン・シャマスとの論争も収めた『壁と山』がある。国内外で各章受賞、95年にはイスラエル賞を受賞。