読者の声

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空に唄う

単行本

ソラニウタウ

空に唄う

白岩 玄

定価1,430円(本体1,300円)

この本に寄せられた“ 読者の声 ”です。

★2009.04.02   若い坊主が出会ってしまった女性の幽霊…この世に未練を残す“彼女”の手助けをするうちに縮まりゆく“二人”の距離…叶わぬと知るがゆえのあまりにもやさしくせつない恋物語。一点の曇りもない青空のような清らかな透明感と、まったく音を感じさせない静寂さが印象的です。
『野ブタ。をプロデュース』で文藝賞を受賞し、華々しく文壇にデビューししたのは、2004年。あれからの4年半が、いかに実りの多かった時間だったことは、この新作が証明しています!

三省堂書店 内田剛 さん 40歳 男性

★2009.03.28   薄く、白い、靄がかかったような表紙は、この作品全体に広がる静けさと優しさをあらわしています。

この静かで優しい物語は、最後まで静かに、優しく終わっていきます。
この終わり方には賛否両論があるのではないでしょうか。

思えば著者の前作「野ブタ。をプロデュース」もとても後味の悪い終わり方でした。

しかし、一見よくある爽やかな青春小説である「野ブタ。」が、芥川賞候補に選ばれた理由は、最後に物語を爽やかから、ゾクッへと一変させたあの終わり方にあると思います。

そして、今作「空に唄う」にも終わり方に特徴があります。

最後の静かさがこの作品を単なるエンターテイメントではなく、純文学とさせているのではないかと。

大ヒットの前作を知らなくても、
この作品だけで、名作と感じられる作品だと思います。

東京都 (株)トーハン 砂田大輔 さん 25歳 男性

★2009.03.18   静かな感動。ひと言ひと言の“やさしい感じ”に共感した。きっと、一文一文を丁寧に書きあげていったのだろう。
こんな時代だからか、他人に合わせようとしすぎてなかなか本当の自分を表に出せない海生さんに好感がもてた。碕沢さんが望むことを考え、喜んでもらいたいのだけど、死んだことがない海生さんは自分の感覚でしか考えられない。だからこそ、海生さんのせつなさが際だち、碕沢さんの孤独が強調される。
人との関わりとは何か、自分の気持ちとは何か。
この本を売りたい。多くの人に、読んでほしいから。

ブックストア談浜松町店 大浪由華子 さん 30歳 女性

★2009.03.11   「死んだはずの女の子が目の前に現れる」 …TVドラマやコミックではありがちな設定なのに、惹き込まれるように読み進めました。それは、じいちゃんをはじめとした個性豊かな脇役や、まるで我が事のように不器用な青年坊主の主人公・海生と、亡くなっているはずなのに魅力的な碕沢さんのおかげでしょう。
海生が碕沢さんに対して抱く思いの変化や、自分の思いを上手く伝えられずに親切ばかりが先に立つ様子は、三十路を過ぎた男子なら必ず共感してしまう極上の恋愛小説です。
でも僕にとってもう一つ大事なテーマがありました。それは、「死んだ人にしてあげられることってなんだろう?」海生がじいちゃんに問いかけるやりとりを読んで、僕も亡父を思い出しました。本当に心底に響き、心に残る作品でした。

東京都 ゴン さん 34歳 男性

★2009.02.22   主人公の海生みたいな人と結婚できたら 毎日穏やかに生きられそうな気がする。個人的には じいちゃんが一番好きかも。日常の描写が良いなぁ。ユーモアたっぷり。1回目はストーリーが気になって一晩で読んじゃいましたが 今は表現のおもしろさをゆっくり楽しんでます。

徳島県 mari さん 28歳 女性

★2009.02.17   とても不思議なお話なのに 違和感なくひきこまれてゆきました。 読み出したら止まらなくて・・・ ちょっと切ないけれど なんだかさわやかな気持ちになれました。ありがとうございます。

京都府 ナナ さん 56歳 女性