読者の声
この本に寄せられた“ 読者の声 ”です。
★2010.08.18 テリー・ビッスンはありえない世界を何の疑問も抱かせないように描く手法に長けている。「ちょっとだけちがう故郷」は十歳の少年の日常生活から始まる。近所に打ち捨てられた様な競技場があり、トラックの真ん中が池になっていてそこで友達と釣りをしようと言うのだ。という風に始まりは普通の少年小説なのだがその競技場自体が飛行機に見えると言い出したところ辺りから話自体がおかしくなり始める。競技場が飛行機であるというのがどういう状態なのか想像もできない設定なのだがそれでも読者を納得させてしまい、次第にその世界がありえない世界であるということが分かって来る仕掛けになっている。そして少年達は親に内緒で空に舞い上がるが…。この設定で最後に感動的なオチまで付けてあるのでたっぷりと楽しめる。
東京都 S.Y さん 55歳 男性