読者の声

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きょうの日は、さようなら

心揺さぶる、最高のデビュー作!

単行本

キョウノヒハサヨウナラ

きょうの日は、さようなら

石田 香織

定価1,540円(本体1,400円)

この本に寄せられた“ 読者の声 ”です。

★2017.08.12   母ってなんだろう?

冒頭のキョウコの生みの母親が亡くなったあと、
彼女は様々な母に出会ってきた。

スミレさんにしかり、オカマのママたちもどこか母のような。
形は問わず、「母のような人」には出会えるのだろう。

生みの親よりも、スミレさんのことをよく回想するキョウコに、少し違和感を感じながらも、過ごす時間の貴重さと想い出の作り方とは何事かをを感じた。

また折々出てくる飴、ケーキ、などの食べ物も、思い出を重ねるには易しいのだと感じた。

今を生きるだけではなく、過去を重ねた上にある「いま」の捉え方に作者なりの記憶の重ね方を垣間見た。

時間を空けての再開は、無理やり記憶を続けて重ねているようで、その軋みに胸がキリキリと痛みました。

母、食べ物、思い出。そして、神戸と思われる街並み。

作者の視点で周りを見渡してみる。
そんな一冊です。

大阪府 3710 さん 33歳 女性