読者の声一覧

ご投稿いただいた最新の読者の声をご紹介しています。

該当商品 1030件中 2140件を表示

カティンの森のヤニナ

2025.08.14

カティンの森のヤニナ

小林 文乃 著

今年(2025年)3月に本書を拝読し、感銘を受けました。

生きている間に一度アウシュヴィッツに行きたいと思っていたのでこの7月にポーランドを訪れました。その際にポズナンまで足を伸ばしてルソヴォの博物館に行ってきました。Krystianというお兄さんが館内を案内してくれ、その上、将軍のお墓や家族が住んでいたPalace(と彼は呼んでいた)も教えてくれました。彼によるとこの本を読んで日本から当館を訪問したのは今年になって我々で二組目とのことでした。展示物の中に本書が展示されているのを見て嬉しくなりました。それをお知らせしたいと思い、この感想文をお送りします。

本書のおかげで貴重な体験をすることができました。ありがとうございます。

続きを読む
私と街たち(ほぼ自伝)

2025.08.11

私と街たち(ほぼ自伝)

吉本 ばなな 著

同じ歳で、昭和末期からずっと似たような空気の中で生きてきて、「キッチン」「白河夜船」あたりからずっと私の人生を伴走してくれたばななさん。海外生活をしている時には私の娘と同じ年の男の子の子育ての様子を読んでいたし、その後一時帰国を利用して一か月だけ娘はサドベリーに通わせてもらったので、娘から「よくカメラを持ってきてる男の子」の事を聞いた事があります。
時は経って、かつてみたいに自由で元気でこれから楽しい事が沢山待っている!みたいなパワーもなく、一時通ったイタリア(私はギリシャ)にあと何回行けるか、それどころか日本の海をあと何回楽しめるか・・なんて思ったりするところを読んで、エッセイを通して知るばななさんとの長い月日を思い起こして少ししんみり読みました。
辛い時や不安な時に、いつも寄り添ってくれたばななさんのエッセイに感謝しています。

続きを読む
ビジネス特急こだま プロジェクト秘史

2025.08.09

ビジネス特急こだま プロジェクト秘史

福原 俊一 著

日本が世界に誇る新幹線。しかし新幹線の前に従来の動力集中式から近代的な動力分散式の画期的な電車特急が東海道本線にさっそうと現れ人々を驚かせ夢中にさせた。人々の人気となり東海道本線の黄金時代を築いた151系特急電車の開発から終焉までを当時の時代の空気感まで含めて読みやすく描かれている。鉄道ファンだけでなく広くお勧めできる一冊である。

続きを読む
くもをさがす

2025.08.09

くもをさがす

西 加奈子 著

海外で 乳がんで コロナで という日本にしか滞在したことない私が想像できない世界が描かれていた。海外が羨ましい訳では無いが、日本より良い点は沢山あるんだろうなとは思う。日本が狭いのは同意見。人付き合いも日本人は不器用な気がする。日記が基準で書かれているエッセイだから経時的に、感情的に書かれているから読み慣れていなかったけど率直で正直な気持ちが表現されていて良かったと思う。私は手術室に勤務する看護師なのだが、がんと診断された人が送る人生を知る上で読んでよかったなと感じた。オペに携わる医療者としてがんの知識と手術は立ち会うが、手術前後の、患者となった人の人生について知らないことが多すぎると感じた。病院職員ができることは限られていると思うが、作者の考え方を変えたり、支えた看護師たちのような明るさと強さが私にも宿るように頑張りたいなと思う。

続きを読む
ババヤガの夜

2025.08.09

ババヤガの夜

王谷 晶 著

普段エッセイを中心に読んでおり(王谷先生のエッセイが大好きです!)、小説は積読してしまいがちでしたが疾走感とテンポのよい文で一気に読めました。
読みながらここはこうなのかも?と予想してもそこからまたさらに一歩先を行く展開で、仕掛けが明かされた後も途切れない緊張感にわくわくしました。
曖昧でありながら確かな「新道と尚子の関係」とその人生の物語、読めてよかったです!

続きを読む
くもをさがす

2025.08.07

くもをさがす

西 加奈子 著

去年、乳がんの診断を受けました。いろいろ調べるので、関連の動画がおすすめとして上がってきます。お元気ですか動画を上げておられた方が、急に姿が見えなくなり…
悲しくなります。

この本は、BOOKOFF(すみません!)で、たまたま手に取り、内容も見ずに購入しました。術後1年の検査の日、病院で読みました。山本文緒さんのことを書かれており、先月「無人島のふたり」を読んだので、あ、と声が出ました。

お元気いてくださることが、何よりの励ましです。
どうぞ、ご家族と仲良く、周囲の人とともに元気でいらしてください。

と、思いました。私も、元気でいたいな、と思います。

続きを読む
まるごとわかる! 植物と菌類のサイエンス大図鑑

2025.08.07

まるごとわかる! 植物と菌類のサイエンス大図鑑

DK社 編 清水 晶子 訳

絵が大きくて美しくてわかりやすくて、説明が押し付けがましくなくて詳細で、とても楽しい本でした。特に菌界のパートは楽しく勉強になりました。そばに置いて何回も読みたい本です。ありがとうございました。

続きを読む
ミュージカルの「現在」

2025.08.01

ミュージカルの「現在」

小山内 伸 著

第一部は長年現地で研究してきた筆者だからできるトニー賞の社会的意義を含めた分析がわかりやすく表現されていて大変興味深く読めました。また、ミュージカル鑑賞時に、より一層楽しむための事前知識としての案内書としても秀悦ではないかと思います。第二部では日本国内の様々なミュージカルが簡潔に紹介されていて、国内でも面白い作品が色々上演されていることを再認識できる記録となっています。

続きを読む
ババヤガの夜

2025.07.31

ババヤガの夜

王谷 晶 著

一緒に逃げるか?と柳に提案された新道が言う「誰かの何かとして生きるのは無理だ。」がいまだに忘れられない。
私たち女性は、幼児の頃には「素敵な王子様のお妃様になること」、少女期には「学校イチのイケメンの彼女になること」を最上の使命とするフィクションに触れ続け、「(より条件のいい)誰かのなにかになること」が最高の幸せと洗脳されてきた。
それを真っ向から否定する新道の言葉には新しい時代を感じてゾクゾクした。

続きを読む
ババヤガの夜

2025.07.30

ババヤガの夜

王谷 晶 著

やくざの世界という非日常を舞台に、主要登場人物の「女性」が最初の登場からバチボコに殴り殴られる物語はいままで読んだことがなかったので圧巻の一言に尽きます。それまでの日常から、異世界に引き込まれるようにして裏社会にまろび出る主人公の挙動をつぶさに追うようにしてぐいぐいと読みました。
彼女たちは特定の言葉で定義づけられるような繋がりを持たず、社会においては搔き消えるような揺らぎの中でこの関係を維持して終わることに、言い知れぬ存在感を落としていますが、そのアンカーとなる「私」が、前半と後半で明らかに雰囲気が変わり「いままでは何者かであった私」が「どこの誰かと他人に知られる由もないが、私は私」に変貌する様は不思議と爽やかな読後感がありました。

続きを読む
怖い物件

2025.07.30

怖い物件

藤白 圭 著

めっちゃ面白い!ほんとにワケアリ物件!
ヤバすぎだし怖すぎる!みんな読んで!

続きを読む
天才バカボンの幸福とは今日もおひさまが昇ること

2025.07.27

天才バカボンの幸福とは今日もおひさまが昇ること

赤塚 不二夫/杉田 淳子 著

とてもよかったです。
絵にも癒やされましたし、ひとつひとつの言葉に深みを感じました。
一見、何気ない日常の中によくあるひとこまのように思われますが、全て幸福の上で成り立つものなんだなと気づきました。
これからは、1日1日、幸福であることに感謝しながら、自分の気持ちを大切にして生きていけるようになりたいと思いました。
この本に出会えたことも、本当に幸福です。
ありがとうございました。

続きを読む
ババヤガの夜

2025.07.25

ババヤガの夜

王谷 晶 著

まさに小説という形式でしか成立し得ない巧緻なトリックに驚いて思わず唸ってしまいました。
どうやってサム・ベットさんが英訳したのかとても気になります。
英訳でも読んでみたいと思いました。
読み終えたあと、王谷晶さんの『他人の曖昧さを認めることが世の中をよりよくすると信じている』という言葉の意味がいっそう深く胸に染みわたり、泣いてしまいました。
映画「ジョン・ウィック」も大好きなので、犬やボールペンにはニヤリとしてしまいました。
また寺田克也さんによる表紙イラストも非常に印象的で、カバーを外した際に現れる隠しイラストにも素晴らしく、作品世界への没入感を一層高めてくれました。

続きを読む
ババヤガの夜

2025.07.24

ババヤガの夜

王谷 晶 著

恐ろしい場面で、私も見たことがある、感じたことがある、と思うことがいくつもありました。
それに立ち向かう力としての暴力が、現実で不可能なことを可能にしていく爽快なフィクションでした。
侮辱的な提案を善意のつもりでされるなんとも言えない不快感が浄化されるような作品でした。
最高です。

続きを読む
幻肢痛日記

2025.07.22

幻肢痛日記

青木 彬 著

 小さい頃の病気が発端で切断することになった脚。目の前の現実をありのまままに感じ取ろうとしている姿が、文章から読み取れる。途中、高音か聞き取れない聴力のハンディがあることを明かすくだりがある。私にとってはこちらの方が身体感覚に影響を与えているのではないかと感じた。
 みんな自分の身体や心に身代わりはいない。甥も若きも、多かれ少なかれ。我が身に振り回されながら生きている。そう感じるのは自身が入院手術を体験し、更に義足ユーザーの知人ができたことも関係している。

 彼のキュレーターとしての生き方も気になっている。文章を読む限り、身軽で身体能力も高いようだ。表現者として今後の醸成に期待したい。

続きを読む
ババヤガの夜

2025.07.21

ババヤガの夜

王谷 晶 著

話題になってたし、試し読みで気になったので、読んでみました。
なんとも言えない境遇で出会った二人。良好とは呼べない関係だったのに、最後には…最初から最後まで、彼女たちの物語でした。

続きを読む
ババヤガの夜

2025.07.20

ババヤガの夜

王谷 晶 著

ダガー賞を受賞されたとの事で興味を持ち読み始めましたが、超絶面白かったー!!!!暴力、暴力、暴力!に顔を歪めながらも後半からの怒涛の展開に「わ!そういう事かっ!」っていうのもあったりで(意味がわからなくて何回か読み返したところもある)最高のエンタメ作品だった!映像化して欲しいです!

続きを読む
ババヤガの夜

2025.07.19

ババヤガの夜

王谷 晶 著

久しぶりに、本当に久しぶりにあっという間に読んでしまった。眼の手術をしてからは文庫の字はキツくて、かといって電子書籍はどうにも馴染めず。そんな環境面のあれこれなど、冒頭から吹き飛ばす主人公の力強さ。犬の話が出てきた辺りで、もう彼女を大好きになってた。今まであまりミステリーというジャンルを読んだことが無くて、こういうのもミステリーって言うのか…面白いな…と新しい発見。物語の終わりが、とにかく美しい。依子の手でぎゅうっと心を、いや、頭の中のお花畑を握りつぶされた様な、息を呑む美しさ。王谷さんの他の作品もぜひ読んでみたいと思いました。そう思える作家さんにまた出会えたことを、大変嬉しく思います。

続きを読む
ババヤガの夜

2025.07.19

ババヤガの夜

王谷 晶 著

物も立場も持たない、追い詰められているはずの人の尊厳の物語として読みました。
めちゃくちゃに喧嘩に強く、自然体な依子と、芯の強い尚子。肉弾戦の描写がとにかくかっこよくて、次第に明らかになる展開にハラハラし。変態ヤクザのおぞましさや情けなさに、うぇ〜と思いながら二人を応援してしまう。ミステリーとかバイオレンス、シスターフッド、いろんな要素がありつつ何かの枠には全然収まらない、最高の小説でした!

続きを読む
ババヤガの夜

2025.07.19

ババヤガの夜

王谷 晶 著

東京のホテルの1室で見た、王谷さんダガー賞受賞の知らせ。
サカナクションライブの前に書店で購入し、待機中に一気読みしてしまいました。
アクションシーンで自分の憂さ晴らしもしつつ、ハラハラもしたり、最後はそうなるんだと思ったり。
久しぶりに面白い本に出会えた!と思う作品でした。

続きを読む