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単行本

トテモミジカイナガイトシツキ

とても短い長い歳月

THE PORTABLE FURUKAWA

古川 日出男

単行本 46変形 ● 520ページ
ISBN:978-4-309-02749-4 ● Cコード:0093
発売日:2018.11.07

定価3,780円(本体3,500円)

△2週間~

  • ニップノップのDJが過去作をミックス、縦横無尽に繋がる28作品が巨大な1作を作り上げる前代未聞の文学的企み! デビュー20周年、著者の最高のガイドブック。解説とコメンタリー付き


    破格のスケールの作品群を発表しながら、現代文学で唯一無二の地平を切り拓いてきた作家・古川日出男の過去作品をニッポンのヒップホップ=ニップノップを生み出したDJが編纂(ミックス)。
    縦横無尽に繋げられた28の作品が巨大な1作を作り上げる前代未聞の文学的企み!

    長篇『サウンドトラック』や『聖家族』、『南無ロックンロール二十一部経』からの抜粋をはじめ、代表作『アラビアの夜の種族』幻のスピンオフや『ベルカ、吠えないのか?』のプロトタイプ等の貴重原稿、震災や三十年後の未来を描いた短篇などが、如何にしてひとつのサウンドスケープを織りなすのか――。
    作家デビュー20周年記念、著者の最高のガイドブックにして極厚の入門書ともなる
    古川日出男版『ポータブル・フォークナー』=『ポータブル・フルカワ』誕生

    【巻末特別収録】
    解説=柴田元幸「古川日出男のヨクナパトーファ」
    作者本人とDJによる全作品コメンタリー

    再編集・三田村真プロフィール
    =DJ産土(うぶすな)。1986年北海道生まれ。ニップノップ・グループ「最新"」メンバー(トラックメーカー)。代表曲に『アンダーサウンド(ウィー・アンダースタンド)』など。

    【巻末解説「古川日出男のヨクナパトーファ」柴田元幸(米文学者・翻訳家)より】

    『ポータブル・フォークナー』という本がある。一九四六年、アメリカのヴァイキング社の「ポータブル・ライブラリー」シリーズの一冊として刊行された。ウィリアム・フォークナーの大半の作品は、ミシシッピ州ヨクナパトーファ郡という架空の土地を舞台とし、同じ人物がくり返し登場する。乱暴に言えばフォークナーは、一冊の長い長い本をほぼ生涯書いていたと言っていい。が、しばしばおそろしく錯綜した語り口ゆえに、その大きな一冊のなかにあって、いつ、どこで、何が起きたのか、把握するのは容易でない。ましてやそれらを俯瞰し、時間軸に沿って整理するのは至難の業である。『ポータブル・フォークナー』の編者マルカム・カウリーは、その至難の業を自らに課し、この長篇からここを、こっちの中篇からそこを、この短篇はまるごと、というふうに繫いでいって、「この一冊を読めばヨクナパトーファの歴史がひとまず時系列順にわかる」と言える本を作ったのである。ある意味ではフォークナー文学の本質を裏切る暴挙とも思えるプロジェクトだが、この一冊の刊行によって、「過去に難解な作品を何冊か書いた人」としか顧みられなくなっていた作家フォークナーが、多くの読者によって再発見、もしくは初発見されたのだった。
    しばらく前に、著者本人からこの『短く長い歳月(としつき)』の構想を聞き、いままで書いた全作品のリミックス本を出すつもりだと知らされて、「では、古川さんもいよいよ『ポータブル・フルカワ』を作るわけですね」と自分が言ったことを覚えている。「いよいよ」と本当に言ったかどうか確信はないが、気持ちとしては間違いなく「いよいよ」だった。つまり、前々から「『ポータブル・フルカワ』が作られるべきだ」とはっきり言語化して考えていたわけではないけれど、こういう本が古川日出男作品について作られると聞いた瞬間、それがとても自然に、相応しいことに感じられたのである。直感的に。(後略)

  • 【目次 Songs】
    Introduction とても短い………プロローグ
    神楽坂のレバノン………『サウンドトラック』より 
    「鳥の王」日誌
    獰猛な舌II………『沈黙』より
    サイプレス………『アラビアの夜の種族』スピンオフ
    アット・ザット・カウンター・オブ・ザ・バー………『アビシニアン』より
    低い世界
    野生夏桐………桐野夏生トリビュート
    川、川、川、草書で………吉増剛造トリビュート
    ハル、ハル、ハル
    静かな歌
    響一と犬の少年………『13』より
    アリューシャン最西端………『ベルカ、吠えないのか?』プロトタイプ
    Meat and Beat………『ボディ・アンド・ソウル』より
    アンケート
    列島、ノラネコ刺すノライヌ
    シュガー前夜
    ブルー/ブルース
    ショッパーズあるいはホッパーズあるいはきみのレプリカ
    ミルク、それから慈雨、それから僕たちの石………『MUSIC』プロトタイプ
    美食
    この鳥居は………『聖家族』より
    ある記録(「島」および森の誕生)………『あるいは修羅の十億年』より
    つわものどもが
    どうやったらプールでうなぎを養殖できるか?
    プーラ
    阿弥陀は幾何級数的に増えます………『南無ロックンロール二十一部経』より
    Outroduction 長い歳月………エピローグ/『ミライミライ』より  

    本書の編纂(ミックス)担当者・三田村真氏について(古川日出男)
    解説 古川日出男のヨクナパトーファ 柴田元幸
    著者とDJによるコメンタリー
       

著者

古川 日出男 (フルカワ ヒデオ)

1966年生まれ。98年『13』で作家デビュー。『アラビアの夜の種族』で推協賞、日本SF大賞、『LOVE』で三島賞、『女たち三百人の裏切りの書』で野間文芸新人賞、読売文学賞。最新作は『ミライミライ』。

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