- 受賞
- 朝日
単行本 46変形 ● 288ページ
ISBN:978-4-309-02796-8 ● Cコード:0093
発売日:2019.04.16
定価1,980円(本体1,800円)
×品切・重版未定
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「僕をあなたの部屋に連れていってほしい。そして、あなたと僕、ふたりの写真を撮らせてほしい。まるで、僕たちふたりが恋人同士であるかのような――」
イメージがつなぎとめる記憶、ポップカルチャーの引用、海の向こうに見た風景……気鋭の現代美術作家が描く、まったく新しい〈青春小説〉。鮮烈なデビュー作。倉本さおり氏、佐々木敦氏絶賛!
主体的に自己を委ねるというおそろしく困難な行為を、他者が通り過ぎてきた光景をつぶさに見つめ返すことで辛抱強くやり遂げた――倉本さおり氏(『文學界』2018年9月号)
初小説とは思えない読ませる文体、そこから浮かび上がるナイーヴで繊細な慕情、前衛ぶった難解さとは無縁の技巧……これは賞讃されるべきデビュー作である――佐々木敦氏(『東京新聞』2017年4月27日)
沖縄のこと、セクシュアリティのこと、僕とあなたの距離のこと。繊細で強くしなやかで、私はここに希望を感じる――小林エリカさん(作家、マンガ家)
しずかな視線が、なぞるようにえぐりだす、人間と風景――少年アヤさん(エッセイスト)
夕焼けにかざしたレモンティーのような光景、見つめる眼差しは寂しく優しい――植本一子さん(写真家)
著者
ミヤギ フトシ (ミヤギ フトシ)
1981年沖縄県生まれ。2005年ニューヨーク市立大学卒業。現代アーティスト。自身の記憶や体験に向き合い、国籍や人種、アイデンティティといった主題について作品を発表している。
読者の声
沖縄出身のクリエーター。ある主題のコンセプトの一つとして、この作品は捉えてよいのだろうか?ミヤギ氏の初小説。同性愛については未だに理解できないが、性別を問わず居心地のいい人間と居る感覚は何となく理解できる。この小説で私が一番感じたのは距離感である。同性間の恋愛は異性間と違い微妙な距離感がある。磁石に例えるなら同極同士(N極とN極)が魅かれ合うのだから当然そういう距離感は生じるのだろう(あまり近付くと弾かれてしまう)。さすがにクリエーターだけあって風景の捉え方色合いの描き方が絶妙である。そのうえ、他の芸術家(写真家や、現代美術家)の作品が所々にちりばめられているので、それらをひとつずつ調べながら読むのも、すごく楽しかった。小説以外のミヤギ氏の作品も観てみたい。 (南雲吾朗 さん/54歳 男性)
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