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第41回野間文芸新人賞受賞作

単行本

シンゼンスイキョウエン

神前酔狂宴

古谷田 奈月

受賞
第41回野間文芸新人賞、読売、日経、東京

単行本 46 ● 232ページ
ISBN:978-4-309-02808-8 ● Cコード:0093
発売日:2019.07.12

定価1,760円(本体1,600円)

○在庫あり

  • 神社の披露宴会場で働き始めたフリーターの浜野は、結婚式の「茶番」を演じるうち、御祭神が明治日本の〈軍神〉であったことを知り……。金と愛と日本と神が交わる、狂乱の宴がいま始まる!

    新世代超弩級の才能が放つ鮮烈のパーティー文学が、明治151年の呪縛を切り裂く!
    第41回野間文芸新人賞受賞作。


    「ブーケトス一万、キャンドルサービス十万、完全に狂ってる! なんでみんな、結婚を披露するの?」
    神社の披露宴会場で働く、浜野、梶、倉地ーー配膳スタッフとして日々披露宴の「茶番」を演じるうちに、神社の祀る神が明治日本の軍神であることを知り……。結婚、家族、日本という壮大な茶番を切り裂く、圧巻の衝撃作。金と愛と日本と神が交わる、狂乱のパーティーがいま始まる!

    「今月のプラチナ本」(「ダ・ヴィンチ」2019年11月号)他、各紙誌話題沸騰。絶賛の声、続々。
    ■今年屈指の傑作ーー鴻巣友季子(「小説トリッパー」2019年秋季号)
    ■近代以降の日本がなだれ込んでいるーー栗原裕一郎(「週刊新潮」2019年6月6日号)
    ■読み応えたっぷりのお仕事小説ーー日経新聞(2019年8月24日)
    ■この圧倒的喜劇を読んでいると安心する。あまりにも簡単に人の愛とやらを煽り立てる「祝祭」とその感動という幻影が、見事な手捌きで「虚」の引き出しにしまわれていくさまがひたすらに正確で痛烈で滑稽で、快哉を叫びたくなる。ーー鳥飼茜
    ■なぜ人は自分の言葉や虚構に飲み込まれていくのか。その歓喜と狂気を描いた傑作。ーー中島岳志
    ■披露宴会場の仕事の細部を本物の現場感覚で見事に描きだし、結婚とは何かという普遍的な事柄とともに、神社や宗教を絡めてテーマを広げ、全部をうまく溶け込ませている。橋本治『草薙の剣』とも共通する、時代との独特の接し方。ーー佐伯一麦(「群像」創作合評)
    ■立ち位置なんて、決めたくない! 強い意志をもつ主人公浜野。相棒は、熱血青年の梶。正義を背負って参戦する、神道女子の倉地。登場人物の葛藤が、なんともチャーミングな痛快作。古谷田奈月さんは、華燭の典の楽屋の壮絶な闘いをすべて書きつくされた。ーー石田千(「群像」創作合評)
    ■従来の結婚式小説とは違い、神道それ自体を描き出し相当奥行きのある作品に仕上がっている。震災やオリンピック会場の建設などの時事的な事柄をも主人公の経験に沿って語る、一種の平成史小説。ーー陣野俊史(「群像」創作合評)
    ■軽妙な語り口ですがすがしい読み心地。神社政治のメカニズムの扱いにも慣れた彼が、ライバル関係をうまくやり過ごし実現させるのは、全く新しいお一人様での結婚式。荒唐無稽のようでいて、意外と切なく、締まった結末。ーー阿部公彦(「共同通信」)
    ■軍神も神社も架空のものだが、いかにもなリアリティがあり、ワリの良い仕事だからと軽い気持ちで働き始めた主人公を通して、読者は「天皇制」の「日本」の「社会」と「家族」の不可思議に対峙させられる。力作である。ーー佐々木敦(「東京新聞」)
    ■右寄りの思想の空無な状態を戯画化し、それだけでなく、彼らの寄る辺なさに哀切を漂わせている。さらに現代の婚礼における差別主義をも暴く射程の広い物語。紛れもなく著者の代表作。ーー長瀬海(「週刊読書人」)

著者

古谷田 奈月 (コヤタ ナツキ)

1981年千葉県我孫子市生まれ。2013年「今年の贈り物」で日本ファンタジーノベル大賞受賞(のちに『星の民のクリスマス』と改題)。17年『リリース』で織田作之助賞受賞。18年「無限の玄」で三島賞受賞。

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