読者の声 最新一覧

ご投稿いただいた最新の読者の声をご紹介しています。

投稿のしかた

非色

非色

 

有吉 佐和子 著

★2022.01.27   2022/1/27NHK「おはよう日本」で『非色』が紹介されていました。昨年 図書館読書会の課題本「2021良かった本ベスト3」を選びましたら『非色』が1位でした。有吉さんは若い頃にアメリカや中国へ留学、当時のありのままの描写や差別が何十年経っても変わっていない実態も感じとられます。人は自分を肯定するために優位を装い重ねるが、ハーレムから下界を眺めりゃみんなちっぽけな同じ人間ってことです。復刊に至るまで長い時間を要したが、逆にそれを感じさせない新鮮な作品でした。なぜ重版が途絶えたのか不思議に思いました。

ロデリック

ロデリック

 

ジョン・スラデック 著 柳下 毅一郎 訳

★2022.01.27   ロデリックと一緒に奇妙な奇妙なカオスの海を泳ぎました。怒りたいのか泣きたいのか笑いたいのかごちゃ混ぜのような気分で、結局吹き出して笑ってしまう。
貴重な読書体験ができました。
続編『Roderick at Random』も出版して欲しいです。


純猥談

純猥談

 

純猥談編集部 編

★2022.01.09   内容と表紙イラストがとてもマッチしていますね。どういう人がこのテキストを書いたのか知りませんが、かつての携帯小説風でありながら、やはりコロナ時代の若者の不安を感じさせました。

ジュリアン・バトラーの真実の生涯

ジュリアン・バトラーの真実の生涯

 

川本 直 著

★2022.01.06   蠱惑的なジュリアン・バトラーと堅物のジョージ。二人の長い物語と時間を共有することができ、幸せでした。そして最後の訳者あとがきを読むためにこの長編を読んでいたのだとわかりました!挑戦的な新しい小説のスタイルに感謝。

おいしい資本主義

おいしい資本主義

 

近藤 康太郎 著

★2022.01.06   偶々著者の講演を聴く機会があり、その後図書館で借り手に取りました。著者については朝日新聞のコラムを以前より読んでいました。
内容について、非常に驚きました。現在話題となっている「人新世の資本論」にも通じるような指摘が多くなされていました。2015年以前においてです。また、私自身が山村に移住していた事もあり、都会からの偏った目線ではなく、実際にコミュニティーに飛び込む体験に基づいた、田舎生活の素晴らしさを存分に伝えていると感じました。
実際に手元に置いて何度も読み返したいと思いましたが、版が切れているという事を知り、非常に残念です。重版を希望します。

もう空気なんて読まない

もう空気なんて読まない

 

石川 優実 著

★2022.01.03   「怒る人は理性が足りない」「感情的な人はかっこ悪い」という考えがこびりついている自分にとって、衝撃的な一冊でした。
「喧嘩もコミュニケーション」「自分の怒りをないことにしない」「思う存分闘う幸せ」
本のなかで石川優実さんが発する言葉は刺激的かつ好戦的に見えるけれども、これらはなにより自分を大切にする姿勢の表れだと気づかされました。
「怒る」という人間の自然な感情を押し殺さなくたっていい。
「空気」を読もうと、つくり笑いを浮かべてわきまえなくていい。
本の帯にある通り、「私たちは、もっと怒っていい。幸せのために」
自身の感情や気づきに素直に生きること。
それらを教えてくれるこの本は、フェミニズムへの理解を深めてくれただけでなく、「自分や女性の解放の書」だとも感じました。

もう空気なんて読まない

もう空気なんて読まない

 

石川 優実 著

★2022.01.03   フェミニズム(女性学)の思考を基にした自らの体験談をフェミニズム視点で紐解くエッセイ。
専門的になりがちな言葉一つ一つが自身の体験に照らし合わせながら語られるので身近にフェミニズムを感じられます。
ご本人自体が学ぶ前と学んだ後での感じ方をご自身の言葉で丁寧にかかれているのも
とてもわかりやすくて共感できます。

いわゆるウィキペディアでの表面的な語彙の説明ではなく、生きた体験と自身が受けた女性差別を元に語られる話だからです。
一部男性が読むと自身が知らないうちに内包していたミソジニーが可視化されて行く事も起こります。
なので自身の持つミソジニーと向き合うのにも最適な本です。
女性の視点で正しい怒りについて語られるべきことも書かれています。
その怒りはかっこいいんだ!
フェミニズム入門書(バイブル)としてお勧めます。




もう空気なんて読まない

もう空気なんて読まない

 

石川 優実 著

★2022.01.03   エッセイですから「価値観が違う」と感じると読み進めないなんてことありますよね。でもこちらのエッセイは少し違います。その価値観、あなた自身どこから来てるでしょう?その背景には思い込まされた誰かや社会の都合がないかしら?というところ迄がこのエッセイの真髄で、フェミニズムを読み解く社会学的視点がふんだんに散りばめられた宝箱のような作品になっています。恋愛観、セックス観が違っても、"読むべき"はその違いからあなたの思考を決めて支配している"何か"。人間らしさとは価値観や恋愛観、セックスでは左右されない本当のあなたらしさを大切にすること、それをまっすぐあなたに問いかける異色のエッセイです。普通の女性が自ら経験し気付き傷つきながらも声をあげたことが、そのまま"フェミニズム・女性学・社会学"だった、これは決して学者では書けない"等身大のフェミニズム"です。

JK、インドで常識ぶっ壊される

JK、インドで常識ぶっ壊される

 

熊谷 はるか 著

★2022.01.01   インドに旅行する予定がコロナ禍のため中止になりましたが、状況がよくなったら行こうと思っています。タイトルの「インド」の文字に惹かれて本書を手にし、最初の数ページをめくりました。インド滞在を面白おかしく書いた体験記かと思い、書店で購入しました。前半は予想していたとおりでした。後半は一気読みでした。筆者の疑問や戸惑いは、私が以前の旅行で感じていたことと同じです。筆者の「自分にできる1滴」として本に著した熱く純粋な姿に胸を打たれました。一人でも多くの人が読んで欲しい本です。

JK、インドで常識ぶっ壊される

JK、インドで常識ぶっ壊される

 

熊谷 はるか 著

★2021.12.31   コロナ禍で鬱屈とした2021年の終わりに素晴らしい本に出会えた。ラトウナとサーニャのエピソードとあとがきで涙した。こんな感性を持った若者なら分断された世界を救ってくれると希望が持てた。著者と同学年で受験生の娘にも受験勉強を中断させてでも是非読ませたい。中学3年生の娘さんをインドへ帯同させる決心をされたご両親にも敬服する。

砂糖の歴史

砂糖の歴史

 

エリザベス・アボット 著 樋口 幸子 訳

★2021.12.30   無知だったからなのだが計らずも人種差別というものがどのように成立したのかを知ることができた
そして改めて植民地支配というものは絶対に正当化できない所業だと思った。
比較的読みやすいが500ページ近くあるため読み終わった時の満足感は大きかった。

文藝 2019年冬季号

文藝 2019年冬季号

 

★2021.12.15   こちらに掲載されている山野辺太郎「孤島の飛来人」を何度も読み返しています。
デビュー作『いつか深い穴に落ちるまで』の楽観的で笑いをさそう出だしから一変して、本作は冒頭から切羽詰まったトーンが配され、どこか不穏でせつない雰囲気が漂います。
人類が「風船で飛行する」という奇抜な着想と温かいユーモアは健在ですが、二重の生を生きる男の葛藤と、うつくしい島の描写や人々の交感のあり方に心が震える作品です。
終わらない「戦後」を未来に向けてひらいた小説としてもすばらしいだけに、雑誌でしか読めず、読者の手に届きにくいのは残念です。
御社HPにも掲載のとおりテレビ番組でも紹介され、多くの方が山野辺太郎を知りたがっている今、単行本化を強く願います。

マルタの猫

マルタの猫

 

新美 敬子 著

★2021.12.12   私はネコ好きではありませんので、以前はネコの写真集を見ようと思ったことはありませんでした。ところが、書店で「マルタの猫」を偶然見かけ、手に取ってみる気になりました。新美敬子さんのシベリアンハスキーの写真集を持っていますので、「新美さんの写真集ならきっと素敵な写真に違いない」と思ったからです。中を見てすぐに気に入り、購入しました。購入してから何年か経ちましたが、何度見てもいいと思います!

臨床人類学

臨床人類学

 

アーサー・クラインマン 著 大橋 英寿/遠山 宜哉/作道 信介/川村 邦光 訳

★2021.12.07   この復刊は素晴らしい企画です。
アーサー・クラインマンは,この本のなかにある「解釈モデル」で臨床・研究に貢献しました。
診てもらっている医師に「何が原因だと思います?」なんて尋ねられたことがないでしょう?
でも,彼は尋ねるのですね。
医師は患者さんのことを何も知りません(not-knowing)。患者さんは自分のことを知っているかもしれませんし,医師に自分を話すことによって,そういう自分だと変化することは確実です。
この分野の古典ですが,前の出版社は1000部しか刷らなかったそうです。まあ,電話で確かめたから確かでしょう。
復刊されて,安心しました。

やさしい大人の塗り絵 なつかしのわらべ歌編

やさしい大人の塗り絵 なつかしのわらべ歌編

 

藤田 三歩 著

★2021.12.07   施設暮らしの母が塗り絵好きで
何冊か購入購入させていただきました。
コピーしても使えるので良いです。
ただ、絵のライン色(線)がもう少し黒に近いと見やすいと思います。
冊子により差があるようですが
高齢者の場合視力も落ちますし
もう少しはっきり見えたら…
と思います。

マスードの戦い

マスードの戦い

 

長倉 洋海 著

★2021.11.29    祖国のアフガニスタンのため自由と平和、そして理想を持ち、懸命に生きた英雄と評される人物を本書を読むことで知ることが出来ました。
 現在、アフガニスタンは大変な状況となっていますが、英雄の意思は今を生きる世代の人々に引き継がれ、懸命に困難な現実に立ち向かっていると感じました。
 一首捧げたいと思います。
 渓谷で大きな獅子や凛と立ちアフガンに向けあげる咆哮

カラー図解 ピアノの歴史

カラー図解 ピアノの歴史

 

小倉 貴久子 著

★2021.11.27   浜松市楽器博物館を訪問しその折に見かけて購入しました。ピアノの歴史がコンパクトにまとめられています。写真もいっぱい。モーツァルトやショパンがどんな楽器で作曲していたか?これを見ればあなたもピアノ通!

超シルバー川柳

超シルバー川柳

 

みやぎシルバーネット/河出書房新社編集部 編

★2021.11.24   90歳以上の方々の川柳を拝読して勇気づけられました。80歳の私にとっても 出来ないはずはないと。60歳以上の作品を募集と知り,早速挑戦いたします。

ジョン・レノンに恋して

ジョン・レノンに恋して

 

シンシア・レノン 著 吉野 由樹 訳

★2021.11.14   図書館で借りて読みました、ぜひとも重版して欲しい本です。ジョンレノンがビートルズの全盛期、共に暮らした人の貴重な証言です。内容の真偽はともかく、シンシアがジョンレノンをいかに愛していたかということがわかります。ジョンとヨーコ以前のジョンを知る上ではファンならぜひとも読んでおくべき本だと思います。

サンタクロースの贈物

サンタクロースの贈物

 

新保 博久 編

★2021.11.10   クリスマスを巡るアンソロジーは昔から大好きなので、本書も、書店で見掛けて、中身を見ずにそのままレジへ直行しました。家に帰って目次を見ると、コナン・ドイル、O・ヘンリー、エラリイ・クイーン、星新一、筒井康隆…と、好きな作家ばかりで嬉しく思いました。今年のクリスマスは、本書と一緒に過ごしたいです。