単行本 46 ● 224ページ
ISBN:978-4-309-03933-6 ● Cコード:0095
発売日:2024.12.02
定価2,200円(本体2,000円)
○在庫あり
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アスファルトの世界を離れ、わたしは秩父へ移り住むことにした――庭と植物、自然と文学が絡み合う土地で、真摯に生きるための「ことば」を探す。練達の仏文学者による清冽なエッセイ集。
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今いちばん読みたい書き手の散文集。
――阿部日奈子(詩人)
静かな口調なのにあたたかみがあって、読んでいるとまるで精緻なデッサンを見ているように引き込まれる。
――絲山秋子(小説家)
風や水のゆらめきを気配で感じとる耳には、歴史の奥に消された声さえ聞こえる。
――くぼたのぞみ(翻訳家・詩人)
秩父の自然を綴るなかに、深い霧のような知の涼気が渡る。清しく果敢な精神のかたち。
――小池昌代(詩人・作家)
その筆は幼少期やこれまで読み親しんできた書物へと、ほとんどプルースト的と形容したくなるような仕方で移っていく。
――澤田直(哲学)
ただ美しいだけではない、時に迫ってくるような自然の近くで暮らしながら生まれた、清冽な言葉。
――辻山良雄(Title店主)
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【書評・メディア情報】
読売新聞(2024年12月15日)/著者インタビュー
図書新聞(2024年12月21日)/「24年下半期読書アンケート」(小池昌代氏・詩人、小説家、翻訳者)
図書新聞(2024年12月21日)/「24年下半期読書アンケート」(くぼたのぞみ氏・翻訳家、詩人)
西日本新聞(2025年1月4日)/カリスマ書店員の激オシ本(田尻久子氏・橙書店、オレンジ店主)
日本経済新聞(2025年1月9日)/書評(陣野俊史氏・文芸評論家、フランス文学者)
東海ラジオ(2025年1月20日)/「Paradise」(種田真由子氏・丸善イオンタウン千種店書店員)
女性自身(2025年1月21日)/「読んでよし 積んでよし」(絲山秋子氏・作家)
J-WAVE(2025年1月28日)/「PEOPLE’S ROASTERY」(木村綾子氏・COTOGOTOBOOKS店主)
週刊読書人(2025年2月14日)/書評(奥山淳志氏・写真家)
共同通信(2025年2月〜)/著者インタビュー
南日本新聞(2025年3月15日)/書評(馬場広大氏・2022年度南日本文学賞)
ミて(2025年3月18日)/書評(小国綾子氏・毎日新聞記者)
TURNS(2025年3月19日)/「編集部がオススメする TURNS BOOKS」
本の雑誌(2025年4月8日)/「風来坊のあなた」(徳永圭子氏・書店員)
國學院雑誌(2025年9月15日)/紹介(高橋大助氏・國學院大學教授、国語教育論) -
・窓から風に乗って流れ込んだ常山木の、爽やかで甘い濃厚な匂いに導かれて(「常山木」)。
・生命の表と裏を引き受ける誠実さの方へ(「巣箱の内外」)。
・経済活動からはこぼれ落ちる、豊かな交換の倫理(「ふきのとう」)。
・外来種という呼称がはらむ排外主義の芽と、植物がみせる「明日の風景」(「葛を探す」)。
・宮沢賢治が見上げた秩父の空(「野ばら、川岸、青空」)。
・鮮やかで深い青紫の花と、家の記憶について(「サルビア・ガラニチカ」)。
・切り捨てられた人間と動物がともにある世界へ(「車輪の下」)。
・都市優位の世界観を解きほぐす作家たち(「田園へ」)。
・見知らぬ女性からの言葉が届く場所で、わたしは届くはずのない文章を待っている(「消される声」)。
・空の無限、星の振動、微かに吹く風は、わたしたちに語りかける(「風の音」)。
……ほか珠玉のエッセイ、三十篇
著者
笠間 直穂子 (カサマ ナオコ)
1972年宮崎県生まれ。国学院大学文学部教授。翻訳者。著者に『鳥たちのフランス文学』ほか、訳書にM・ンディアイ『心ふさがれて』(第15回日仏翻訳文学賞)、G・クレマン『第三風景宣言』ほか。
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