河出文庫 つ2-4

ゲシイブントレドノアオイ

夏至遺文 トレドの葵

塚本 邦雄

河出文庫 文庫 ● 312ページ
ISBN:978-4-309-41970-1 ● Cコード:0193
発売日:2023.06.06

定価1,155円(本体1,050円)

○在庫あり

  • 塚本邦雄は短篇小説を「瞬篇小説」と名付けるほど愛し、多くの作品を遺した。その中でも特に名高い瞬篇小説集『夏至遺文』、「虹彩和音」「空?昇天」を含む『トレドの葵』の二冊を収録する。

    ときに辛辣、ときに哀切、ときに冷徹、
    そうしてつねに美しい、
    砂金のような物語。  ――皆川博子


    さらば。さらば、みじかき夏の光よ――。同じ夢を見続けた二人の男、ハムレット外伝、猫嫌いの男と空色の猫、石榴聖母の下に集う七人の虚々実々、少年の日の花鎮めの一夜、主と美しい奴僕達が迎えた最期。眷恋と別離が交錯する白昼夢へ。言葉の魔術師の神髄、目眩く傑作瞬篇集。

  • 夏至遺文


    受難
    蠍の巣
    異牀同夢
    葡萄鎮魂歌
    夏至遺文
    霞の館
    絵空

    放生
    二の舞
    如月の鞭
    鷹の羽違ひ
    月落ちて
    僧帽筋
    賓客


    トレドの葵

    風鳥座
    聴け、雲雀を
    トレドの葵
    鳥兜鎮魂歌
    七星天道虫
    無弦琴
    凶器開花
    虹彩和音
    石榴
    空蟬昇天
    月光変 「魔笛」に寄せて


    我が師 塚本邦雄 皆川博子
    解説 瞬篇小説という言葉の爆弾 島内景二

著者

塚本 邦雄 (ツカモト クニオ)

1920年生まれ。2005年没。歌人。51年、第1歌集『水葬物語』刊行、以後、岡井隆、寺山修司らと前衛短歌運動を展開。現代歌人協会賞、詩歌文学館賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞、現代短歌大賞など受賞。

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