ジャンル: 
  1. 歴史・地理・民俗 > 
  2. 世界の歴史

単行本

コッキョウトジンルイ

国境と人類

文明誕生以来の難問

ジェイムズ・クロフォード

東郷 えりか

受賞
日経

単行本 46変形 ● 496ページ
ISBN:978-4-309-22910-2 ● Cコード:0020
発売日:2024.01.29

定価3,498円(本体3,180円)

○在庫あり

  • 難民、パンデミック、気候変動……すべては国境問題につながる。人類にとって「国境」とは何か。古代の戦跡から、パレスチナ、トランプの壁、解ける氷河まで、歴史的転換点の現場で考える。

    侵攻、移民、
    パンデミック、気候変動……
    すべてはここにつながる


    「境界線」は
    いかに世界を
    動かしてきたのか――
    歴史的瞬間の現場を
    めぐるドキュメント。


    [メディア絶賛!]
    「歴史、旅行記、ルポルタージュを駆使した野心的な探究」
    ――米ニューヨーク・タイムズ紙

    「過去・現在の国境での抒情的な旅」
    ――米ワシントン・ポスト紙

    「豊穣なエッセイで綴られた旅行記」
    ――英ガーディアン紙


    ●本文より
    「本書を執筆する過程で、私は昔からある国境も新しい境界線も探して旅をした。(中略)私の目論見は、これら現代の旅だけでなく、過去の旅や、そこでの会話や、物語を使って、国境とは何かを理解しようと試みることだ。境界がいかにつくられ、つねに動き、どう曲げられ、断ち切られる一方となっているかを」


    ●原題
    THE EDGE OF THE PLAIN: How Borders Make and Break Our World(2022年刊)

  • 序文

    プロローグ 平原の外れ
    ラガシュとウンマ
    無人地帯
    円柱の物語の終わり
    最初の国境の物語


    第一部 つくる

    1 線状に連なる骨

    三国ケルン
    トナカイの牧畜民
    書面に記された土地
    禁断の地
    「生きた土地」の地図をつくる
    地図の後で
    サプミの山
    国境を引く商売

    2 果てしない周縁部
    最果ての地エスカティア
    ポリスの境界
    辺境の地での通過儀礼
    戦争と球技
    前線の儀式
    墓所を探す
    追憶の石碑

    3 無限
    アントニヌスの長城
    『アエネーイス』の読み方
    「未開人」を待ちながら
    アレクサンドロスの障壁
    障壁への旅
    万里の長城と玉門関
    防火長城
    サイバースペースの壁
    ゴグとマゴグの亡霊


    第二部 動く

    4 壁を築く(ウォールド・オフ)

    エルサレム旧市街のホテル
    緑の線と赤の線
    「血と火で描かれた線」
    目に見えない無人地帯
    灰色の蛇行線
    目に見える壁と見えない壁
    シームゾーン
    四メートル
    緑色のペンキ
    どこにでも増えて延びる壁
    過去と未来の光景
    壁は人間の身に返ってくる

    5 失われた国境
    一八二一年のメキシコ・アメリカ国境
    双頭の馬
    国境という傷跡
    西と刻まれた杭
    正確な緯度線を刻む
    線の終点
    ターナーのフロンティア
    アンチ・ターナー
    われわれの新しい日常


    第三部 越える

    6 過酷な地

    ソノラ砂漠の考古学
    移民の残した品々
    抑止を通じた防止
    手付かずの自然が残る土地
    壁を築かれた国定記念物
    ベンチと壁
    記念物の上に重なる記念物

    7 国境を燃やす
    地球上で最も不平等な国境
    出発点ではなく、終着点としてのモロッコ
    メリリャで何が起こっているのか
    越境の産物
    マレ・ノストルム作戦
    亀裂
    北側の終着点


    第四部 崩す

    8 解ける国境 

    アルプスの分水界
    動く国境
    エッツタール・アルプスの男
    エッツィの生涯と来世
    氷河を見る
    「自然の」境界線
    自然の終末時計

    9 「この肉体の壁」
    社会が永久に変わる
    移動する疫病
    生命の末端で
    「防疫線」としての国境
    二〇二〇年
    非現実
    私たちが住む世界
    決して終わることのない戦争

    10 広大な岸辺に緑の線(グリーンライン)を
    「昔はここに木があった」
    塵の帯
    ただの一本の木の問題ではない
    グレート・グリーン・ウォール
    アフリカに一〇億本の木を
    人間気候ニッチ
    気候ナショナリズム
    さらに大きなグリーン・ウォール


    謝辞
    訳者あとがき
    図版クレジット
    原注
    索引

著者

ジェイムズ・クロフォード (クロフォード,ジェイムズ)

スコットランドの歴史家。エディンバラ大学で歴史と法哲学を学ぶ。著書に「Fallen Glory」など。BBC Oneの番組「Scotland from the Sky」の脚本とプレゼンターを務めた。

東郷 えりか (トウゴウ エリカ)

上智大学外国語学部フランス語学科卒。『歴史を変えた気候大変動』、『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』、『世界の起源』、『地球を支配する水の力』、『気候変動と環境危機』など多数。

この本の感想をお寄せください

本書をお読みになったご意見・ご感想などをお気軽にお寄せください。
投稿された内容は、弊社ホームページや新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。
※は必須項目です。恐縮ですが、必ずご記入をお願いいたします。
※こちらにお送り頂いたご質問やご要望などに関しましては、お返事することができません。
あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちら




 歳