クルマ社会vs建築家 彼らは「未来」といかに闘ったか?

全集・シリーズ

ジドウシャトケンチク

自動車と建築

モータリゼーション時代の環境デザイン

堀田 典裕

受賞
日本都市計画学会・石川奨励賞、朝日、日経、

単行本 B6 ● 224ページ
ISBN:978-4-309-62428-0 ● Cコード:0352
発売日:2011.04.14

定価1,430円(本体1,300円)

×品切・重版未定

  • 自動車の登場は、わが国にどのような「環境」を生み出したのか? ハイウェイ、スカイライン、パーキング、ロードサイドの建築をとおして、自動車をめぐるデザインを見直す画期的な論考。

    20世紀に、自動車のために用意されたインフラストラクチュアに目を背けることは、決してサステイナブルな(持続可能な)考え方ではない。早晩枯渇すると言われる石油に対して、自動車の駆動エネルギーが電気に代替したとしても、自動車という存在が無くなることはなく、自動車と建築・都市の関係もまた、本質的に変化するものではない。自動車がサステイナブルな存在である以上、そのために用意された環境は、必然的にサステイナブルでなければなるまい。本格的な自動車社会到来が告げられてから50年。我々は、これまで自動車のために造り出された建築・都市を再検証し、その過程で行われた思考実験を再評価すべき時期に来ているのではないだろうか?

  • 第Ⅰ章 ハイウェイの建築
    「弾丸道路」の系譜/「東海道」と「中央道」/「東急ターンパイク」/ワトキンス調査団報告書/名神高速道路における「審美委員会」と「有料道路関係施設検討委員会」/名神高速道路における関連施設のデザイン/トールゲート/サービスエリア/インターチェンジ営業所/東名高速道路における関連施設のデザイン/CIAM世代とチーム・テン世代/土木と建築の融合/設計と監理の問題/建設と破壊の間にある風景/「ロードタウン」の系譜/首都高速道路網計画/首都高速道路から「見ること」と「見られること」/都市に架けられた橋
    第Ⅱ章 スカイラインの建築
    ドライブウェイ・スカイライン・パークウェイ/ソーシャル・ツーリズム/「国民宿舎」と「国民休暇村」/立山黒部アルペンルート/観光施設を巡る設計競技
    第Ⅲ章 パーキングの建築
    公設パーキング/ターミナルビル/「交通建築」と「人工地盤」/「断面は原動力である」/「マイカー」と「マイホーム」の登場/「カプセル」としての自動車と建築/「モノコック構造」による空間/「ガレージ」のある「邸宅」/「ガレージ」という新たな「土間」/「カーポート」という門扉/コートハウス/傾斜地に建つ家/丘陵地の集合住宅/「敷地」の浮上
    第Ⅳ章 ロードサイドの建築
    ガソリンスタンドの始まり/モータリゼーション時代の到来/建築家の起用/キャノピー・事務所・計量機アイランドの相関関係/ガソリンスタンドのグローバル・デザイン/「ガソリンスタンド」から「サービス・ステーション」へ/路上における出来事/「ドライブイン」/「ロードサイドショップ」と「ショッピングセンター」の登場
    終章 モータリゼーションによる環境の変容
    鉄筋コンクリート造による建築の評価基準/「流体」の管理/「包むこと」と「包まれること」/「床面」の発見/「環境につくられ環境をつくる」
    あとがき
    註・参考文献・図版出典

著者

堀田 典裕 (ホッタ ヨシヒロ)

1967年 三重県生まれ。名古屋大学大学院環境学研究科都市環境学専攻助教。共著に『近代日本の郊外住宅地』(鹿島出版会)など。

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