読者の声

感傷的な午後の珈琲

河出文庫 こ3-2

カンショウテキナゴゴノコーヒー

感傷的な午後の珈琲

小池 真理子

定価792円(本体720円)

この本に寄せられた“ 読者の声 ”です。

★2021.07.27    私も毎日ごはんを作る時、「あ~、めんどうくさい、いやだ。なんで私ばっかり」といつも思います。
 私は毎日買い物には行きません。休日にまとめ買いをして、冷蔵庫をフルに使い、冷凍庫には、きのこや旬の野菜、肉類、魚など小分けにして、下ごしらえをして入れてあります。今日は何を作ろうかと考え、冷凍庫から冷蔵庫に移し替えて解凍し、それを使って毎日、きのこスープや炒め物、ポトフやビーフシチューなどの簡単な煮込みを、調味料を計ったりしないで適当に「めんどくさい」と思いながら作っています。
 そして、夕食に料理に合ったお酒をちょっと飲むとあなたと同じ私も、「ああ、おいしい、やっぱり自分で作ったものが一番。私って天才かも」と思うのです。そして、夫や娘に「そう思わない?」と言い、無理にも同意を得、満足してまた、翌日も「あ~、めんどくさい。いやだ。なんで私ばっかり」と思いながら、台所に立っています。

埼玉県 サク さん 65歳 女性