- 受賞
- 朝日 / 全国学校図書館協議会選定図書
単行本 46 ● 160ページ
ISBN:978-4-309-03035-7 ● Cコード:0093
発売日:2022.05.12
定価1,650円(本体1,500円)
○在庫あり
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17歳のかんこたち一家は、久しぶりの車中泊の旅をする。思い出の景色が、家族のままならなさの根源にあるものを引きずりだす。50万部突破の『推し、燃ゆ』に続く奇跡とも呼ぶべき傑作。
著者
宇佐見 りん (ウサミ リン)
1999年生まれ。2019年、『かか』で文藝賞を受賞しデビュー。同作は史上最年少で三島由紀夫賞受賞。第二作『推し、燃ゆ』は芥川賞を受賞、世界14か国/地域で翻訳が決定。他著書に『くるまの娘』。
読者の声
苦しい。しんどい。徹頭徹尾、少女の肉体感覚に寄り添った緻密な文体と、そこから紡がれる暴力と混沌の物語に、辛くなる。読んだぶんだけ、文がこころを削っていく。自分の尊厳を覆うやわらかな膜が、剝がしとられるような気分にさえなる。それでも、ページを捲る手は止まることをしらない。狭い車内に閉じ込められた家族と少女の物語のゆくすえを、この目で見届けたいという思いがほとばしる。少女が背負おうとしているあまりに重い光に、天からわきあがり血を巡る暴力の光に、何度も目を眩ませてたどり着いたその先に、想像を絶する景色がある。穏やかな街並みの内側に張り詰めた哀しみが、ゆるくぬるくいつまでも続く地獄が、あたたかな春の光を浴びて、はるか道の先へ続いていく。父と娘を載せたくるまは、その霞んだ道の向こうへと走る。いったいどこまで行くのだろう。それが知りたくて、きっと私は宇佐見さんの著作をこれからも読み続ける。 (もぐもぐ星人 さん/18歳 その他)
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