ジャンル: 
  1. 文庫・新書

シリーズ: 
  1. 河出新書

河出新書 -047

ニンゲンラシサトハナニカ

人間らしさとは何か

生きる意味をさぐる人類学講義

海部 陽介

新書 新書 ● 320ページ
ISBN:978-4-309-63148-6 ● Cコード:0220
発売日:2022.02.26

定価990円(本体900円)

○在庫あり

  • 人間とは何か? 我々はいかにして人間になったのか? 注目の人類進化学者が、ホモ・サピエンス誕生の道のりと、人類多様性の意味を探りながら、最新の知見をわかりやすく語る。

    人間は、見かけこそ多様だが、中身はホモ・サピエンスというたった一つの種である。
    そして、ホモ・サピエンスほど、地球上のほぼすべての陸地に住み、支配している種は他にいない。
    そんな「異様な」我々は、いかにして「このような人間」になったのか?

    人間は、平等、自由、絶望、泣き、笑い、
    恋愛、親切、生きがい探し、芸術、挑戦的な冒険など、
    なぜか生存にも繁殖にも役立ちそうにないことを行う……

    注目の人類進化学者が、「人間」が誕生するまでの道のりや、
    人間の特性の意味を探っていく科学的人間論の最先端を解説しながら、
    「なぜわかり合えないのか」ではなく、
    「なぜわかり合えるのか」と問うことで、人間としてどう生きていくべきか、追究する。


    【目次】

    はじめに 人間は人間をどう捉えてきたか

    第1章 人類が登場して地球はどう変わったか
    私たちは地球の支配者?/「人間はどこにでもいる」ことの異様さ/人類が誕生した場所/人類とチンパンジーの関係/人類は最初から強者だったのか

    第2章 ヒトとサルはどう違うのか
    霊長類の仲間/ヒトがスポーツを楽しめるわけ/ヒトの直立はどう特殊か/裸のサルの誕生/原始的な5本指が生んだ素晴らしきもの/逆転で得た世界を色鮮やかにする力/歯と口と食物/霊長類の脳と社会性/ことばの力と起源/表情と視線/肥大した社会/平等と自由と絶望と生きがい/生まれてからオトナになるまで/まとめ 泣き、笑い、恋愛し、思いやるのも人間らしさ

    第3章 進化はどのように起こるか
    どのような変化が進化なのか/突然変異と自然淘汰から起こる適応的進化/便乗や異性をめぐって起こる進化/偶然が起こす遺伝的浮動/動物の行動も進化する/まとめと応用 性善説と性悪説はどちらが正しいか

    第4章 地上を歩きはじめた最初の人類――700万〜140万年前
    猿人の発見とピルトダウン人事件――20世紀前半の論争/単一種仮説――20世紀中頃の論争/アフリカのどこか――20世紀後半の論争/木から降りはじめた初期の猿人/最初の人類はチンパンジーではない/なぜ立ち上がったのか/危険な地上を進んだ猿人/狩ったのか、狩られたのか(殺したのか、殺されたのか)/男女差の進化/まとめとその後 猿人の多様化と絶滅

    第5章 原人と旧人が問いかける人類にとっての脳――250万〜4万年前
    動物の脳はなぜみな大型化しないのか/氷河時代のはじまりと原人の出現/道具依存症のルーツ/骨の傷が語るもの/石器と肉食と脳と歯/何が脳の増大を引き起こしたか/走って投げて新たな石器をつくった原人/出アフリカとアジアの原人たち/限界を超えて大きくなり続けた脳/火と調理の起源/技術力をさらに上げた旧人/まとめ 原人と旧人の躍進と限界

    第6章 わかってきたホモ・サピエンスの成り立ち
    ホモ・サピエンスとは誰のことか/クロマニョン人が示す人間らしさ/私たちはアフリカで生まれた/コラム① 多地域進化説の理論的難点/コラム② アフリカ単一起源説を支持する遺伝学的。化石形態学的証拠/ヨーロッパ起源説の誤り/アフリカで起こったシンボル革命/世界へ広がったホモ・サピエンス/動物たちの絶滅と旧人との混血/まとめ 地球の支配者への道

    第7章 ホモ・サピエンスが多様であることの意味
    わかりにくい多様性をどう理解するか/人種についての誤解と曲解/人種分類のはじまり/現代人はいくつかの人種に分けられるという誤解/《違い》には生まれつきの優劣があるという曲解/わかってきた事実/《違い》は大きくて小さい/ヒト多様性のパラドックス/ヒトの遺伝的多様性はチンパンジーより小さい/遺伝的多様性はなぜ生じるか/容姿の多様性は世界拡散が生んだ/肌の色が異なることの意味/体型の違いはなぜ生じたか/容姿の多様性は世界拡散が生んだ/DNAの突然変異/肌の色が異なることの意味/体型の違いはなぜ生じたか/D N Aで出身国がわかることの意味/失われた人類の多様性/まとめ わからないことと、考えるべきこと

    第8章 改めて人間らしさを考える――私たちはなぜわかり合えるのか
    「人間らしさ」をどう捉えるか/音楽と美術とファッション/冒険とそれを可能にした創造力/人間はなぜ“いらぬこと”をするのか/旧石器人から変わったこと、変わらぬこと/多様性の捉え方――私たちはなぜわかり合えるのか/私たちの未来


  • 【目次】

    はじめに 人間は人間をどう捉えてきたか

    第1章 人類が登場して地球はどう変わったか
    私たちは地球の支配者?/「人間はどこにでもいる」ことの異様さ/人類が誕生した場所/人類とチンパンジーの関係/人類は最初から強者だったのか

    第2章 ヒトとサルはどう違うのか
    霊長類の仲間/ヒトがスポーツを楽しめるわけ/ヒトの直立はどう特殊か/裸のサルの誕生/原始的な5本指が生んだ素晴らしきもの/逆転で得た世界を色鮮やかにする力/歯と口と食物/霊長類の脳と社会性/ことばの力と起源/表情と視線/肥大した社会/平等と自由と絶望と生きがい/生まれてからオトナになるまで/まとめ 泣き、笑い、恋愛し、思いやるのも人間らしさ

    第3章 進化はどのように起こるか
    どのような変化が進化なのか/突然変異と自然淘汰から起こる適応的進化/便乗や異性をめぐって起こる進化/偶然が起こす遺伝的浮動/動物の行動も進化する/まとめと応用 性善説と性悪説はどちらが正しいか

    第4章 地上を歩きはじめた最初の人類――700万〜140万年前
    猿人の発見とピルトダウン人事件――20世紀前半の論争/単一種仮説――20世紀中頃の論争/アフリカのどこか――20世紀後半の論争/木から降りはじめた初期の猿人/最初の人類はチンパンジーではない/なぜ立ち上がったのか/危険な地上を進んだ猿人/狩ったのか、狩られたのか(殺したのか、殺されたのか)/男女差の進化/まとめとその後 猿人の多様化と絶滅

    第5章 原人と旧人が問いかける人類にとっての脳――250万〜4万年前
    動物の脳はなぜみな大型化しないのか/氷河時代のはじまりと原人の出現/道具依存症のルーツ/骨の傷が語るもの/石器と肉食と脳と歯/何が脳の増大を引き起こしたか/走って投げて新たな石器をつくった原人/出アフリカとアジアの原人たち/限界を超えて大きくなり続けた脳/火と調理の起源/技術力をさらに上げた旧人/まとめ 原人と旧人の躍進と限界

    第6章 わかってきたホモ・サピエンスの成り立ち
    ホモ・サピエンスとは誰のことか/クロマニョン人が示す人間らしさ/私たちはアフリカで生まれた/コラム① 多地域進化説の理論的難点/コラム② アフリカ単一起源説を支持する遺伝学的。化石形態学的証拠/ヨーロッパ起源説の誤り/アフリカで起こったシンボル革命/世界へ広がったホモ・サピエンス/動物たちの絶滅と旧人との混血/まとめ 地球の支配者への道

    第7章 ホモ・サピエンスが多様であることの意味
    わかりにくい多様性をどう理解するか/人種についての誤解と曲解/人種分類のはじまり/現代人はいくつかの人種に分けられるという誤解/《違い》には生まれつきの優劣があるという曲解/わかってきた事実/《違い》は大きくて小さい/ヒト多様性のパラドックス/ヒトの遺伝的多様性はチンパンジーより小さい/遺伝的多様性はなぜ生じるか/容姿の多様性は世界拡散が生んだ/肌の色が異なることの意味/体型の違いはなぜ生じたか/容姿の多様性は世界拡散が生んだ/DNAの突然変異/肌の色が異なることの意味/体型の違いはなぜ生じたか/D N Aで出身国がわかることの意味/失われた人類の多様性/まとめ わからないことと、考えるべきこと

    第8章 改めて人間らしさを考える――私たちはなぜわかり合えるのか
    「人間らしさ」をどう捉えるか/音楽と美術とファッション/冒険とそれを可能にした創造力/人間はなぜ“いらぬこと”をするのか/旧石器人から変わったこと、変わらぬこと/多様性の捉え方――私たちはなぜわかり合えるのか/私たちの未来

著者

海部 陽介 (カイフ ヨウスケ)

1969年生まれ。東京大学総合研究博物館教授。人類進化学者。前職の国立科学博物館にて「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」を実施。著書に『日本人はどこから来たのか?』など。2020年より現職。

この本の感想をお寄せください

本書をお読みになったご意見・ご感想などをお気軽にお寄せください。
投稿された内容は、弊社ホームページや新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。
※は必須項目です。恐縮ですが、必ずご記入をお願いいたします。
※こちらにお送り頂いたご質問やご要望などに関しましては、お返事することができません。
あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちら




 歳