新書 新書 ● 264ページ
ISBN:978-4-309-63179-0 ● Cコード:0221
発売日:2024.10.22
定価1,078円(本体980円)
○在庫あり
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医療が未発達な時代、日本ではどのように高齢者介護に取り組んできたのか? 武士の介護休暇制度である「看病断」など江戸時代を中心に、近世以前の意外な介護の歴史を解き明かす驚きの書!
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はじめに
第一章 江戸時代の介護事情──介護休暇を取った武士──
日記に残された「武士の介護」/武士が利用した「看病断」という介護休業制度/武士の「近距離介護」/「看病断」の申請手順/当時の要介護状態となる原因とは──『孝義録』から読み解く──/なぜ幕府は「孝行」を重視したのか?/江戸期の日本人に多かった眼病・盲目の人/中風で半身麻痺に/江戸時代の認知症/庶民層の介護の実態/オランダ人医師ポンペが見た貧困の中の介護/非血縁者による介護
第二章 江戸時代の「老い」の捉え方
時代によって変わる高齢者区分/江戸時代の高齢者人口は?/江戸時代では何歳から「高齢者」?/生前相続としての隠居/高齢でも働かされた武士/庶民の隠居事情/早期リタイアを夢見た人々/『養生訓』『鶉衣』にみる老い
第三章 江戸時代以前の「老い」──古代~中世期の高齢者観──
古代~中世期では何歳から高齢者?/高齢世代まで生きられた人はどのくらいいた?/尊敬の対象・強者としての高齢者/高齢者は神に近い存在/『万葉集』における老いの見方/『枕草子』『方丈記』『徒然草』における高齢者観/変化する理想の老後/若く見られたがる愚かさについて/江戸時代とは異なる古代~中世期における高齢者観
第四章 江戸時代以前の介護事情──古代~中世期の介護──
当時の要介護状態となる原因とは/老いた親が鬼になる/中世期の脳卒中/白内障で失明/身内が介護しないと批判の対象に/見捨てられた老人を介護した女性の正体/身内がいない貧しい要介護者の末路/古代にも存在した驚きの介護制度/律令制度の要介護区分/ケアをすれば功徳を積める/名も知らぬ老僧を介護して家を得る/身寄りのない高齢者の介護・看取りの実情
第五章 古代~中世期の「姥捨て」
親を捨てた人々の物語/「運搬用具型」の姥捨て物語/「老親の知恵型」の姥捨て物語/「老親福運型」の姥捨て物語/「枝折り型」の姥捨て物語/救われる老親と棄老の実情/当時の人々が介護をした理由とは ①愛情や感謝──「情」の論理──/②中国からの影響──「儒」の論理──/③仏教からの影響──「仏」の論理──/④ギブアンドテイク──「互酬」の論理──/四つの論理の弱点と介護放棄
第六章 江戸時代の「介護に向かわせる」価値観
江戸時代に身寄りのない高齢者はどう介護された?/「地域社会で高齢の要介護者を支えるべし」/幕藩による高齢者の救済制度/幕府による朱子学の採用と「孝」「長幼有序」の重視/武士・庶民への儒教・朱子学の教化/老親ケアを教えた出版物/当時の人々を介護に向かわせた価値観とは ①老親や主人への愛情・感謝──「情」の論理──/②まずは家の中で対応を──「家」の論理──/③家で対応できないときは地域で──「地域社会」の論理──/④幕藩が教化──「儒」の論理──/介護放棄の実例
おわりに
著者
﨑井 将之 (サキイ マサユキ)
1976年生まれ。首都大学東京大学院社会科学研究科後期博士課程単位取得退学。哲学、国際市民社会論で修士号を取得。大手老人ホーム検索サイトで高齢者福祉関連ニュース記事を執筆。著書に『哲学のおさらい』。
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