- ジャンル:
河出文庫 文庫 ● 208ページ
ISBN:978-4-309-41572-7 ● Cコード:0195
発売日:2017.10.06
定価814円(本体740円)
×品切・重版未定
-
「私はその頃、ボロアパートとJapoとを愛していた」「私は散歩の度、買い物の度に抱き歩いて見せびらかしていた」大きな黒猫Japoとともに暮らした十四年間。森茉莉言葉で描かれた愛すべき猫たち。
「私はその頃、ボロアパートとJapoとを愛していた」
黒猫ジュリエットとともに暮らした14年間。
森茉莉言葉で描かれた愛すべき猫たち。
「トレジョリー、モン・ビジュウ、ユヌ・ベル・ヂヤァブル・ノワアル、スウプル、フィーヌ……(きれい、私の宝石、きれいな、真黒な悪魔、くねくねしてて、とても上等……)」
「私は十四年一緒にいた黒猫のジュリエットと、寝台に横になり、ねころんでいる彼女を枕にして眠った。その楽しさは、忘れられない」━本文より
「何よりも驚いたことは寝台中央の毛布の上に固くなって寝ていた八年もいるという黒猫が、四人の客が這入って来てもぴくとも動かなかったことだ。平常からいかに物音もなく生活していられるかということが、黒い猫の物の気を感じていないことで判った」━室生犀星「黄金の針」より
「彼女が黒猫と共に、来る日も来る日も家族という煩わしいものにおかされず、原稿を書くということは、その雰囲気だけでも、およそ世間一般の家庭とは違っている。彼女の文学が美しいロマンチックな、時には幻想的な現実離れしている恋愛だったとしても、それは森茉莉だからこそ書けるものなのである」室生朝子「森茉莉さんのこと」より -
目次
黒猫ジュリエットの話
魔利の恋人ジュリエット
牟礼魔利の一日
マリアの気紛れ書き
或黒猫の話
悪魔と黒猫
新人評
東照宮の眠り猫
サラ猫とサラ金男
猫の絵草紙
「サファリで猛獣と遊ぼう」
ライオンを飼う女
Japoの話
畑正憲の家
菊千代
犀星と猫
一匹の黒猫
残酷物語
白石かずこの批評、小さん、頼近美津子のVS
太った大猫とお腹の空いた馬
青年になった皆川おさむ
立川談志と三遊亭円楽 その他
黄金の針 室生犀星
森茉莉さんのこと 室生朝子
著者
森 茉莉 (モリ マリ)
1903~87年、東京生まれ。森鴎外の長女。1957年、父への憧憬を繊細な文体で描いた『父の帽子』で日本エッセイストクラブ賞受賞。著書に『恋人たちの森』(田村俊子賞)、『甘い蜜の部屋』(泉鏡花賞)等。
早川 茉莉 (ハヤカワ マリ)
ライター、編集者。『すみれノオト』発行人。編書に森茉莉作品集『貧乏サヴァラン』、『紅茶と薔薇の日々』、岩本素白作品集『素湯のような話』等。著書に『森茉莉かぶれ』『修道院のお菓子と手仕事』等。
この本の感想をお寄せください
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお気軽にお寄せください。
投稿された内容は、弊社ホームページや新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。
※は必須項目です。恐縮ですが、必ずご記入をお願いいたします。
※こちらにお送り頂いたご質問やご要望などに関しましては、お返事することができません。
あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ